木守尚志 | 脚本家 | 三国志研究家

ゲーム脚本家/三国志研究家。 スーツ着て働いてたお堅い会社を辞め、バンドを再始動させて…

木守尚志 | 脚本家 | 三国志研究家

ゲーム脚本家/三国志研究家。 スーツ着て働いてたお堅い会社を辞め、バンドを再始動させてCDリリースしたのち音楽への情熱を失い、成り行きでシナリオ執筆が生業となり、成り行きでフリーランスとなって現在に至る。

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記事一覧

あなたの命はあなただけのものじゃない。

 5月の連休も終わり、通常どおりの仕事という現実に戻って早くも疲れ果てている人が多いだろう。  世の中には「5月病」なる言葉がある。その症状とは新年度がはじまり、…

なぜ、あなたはWEBライターに希望を見るのか?

 私の職業はゲームシナリオライターである。  目指して今の職業に就いたわけではない。自分のできることを当てられるニーズが社会にあった、というだけの話で生きている…

【三国志・考】董卓は暴虐の先に何を見ていたのか

 権力者はふたつのタイプがある。  尊敬され人心を掴む権力者と、恐れられ人心を支配する権力者だ。  昔、放送していた勧善懲悪のヒーローものでは世界征服を目論む悪…

【三国志・考】董卓はいかにして朝廷を牛耳ったのか

 189年、宦官と亡き霊帝の外戚とその部下たちが乱を起こす中、宦官二人に都・洛陽の郊外へと連れ出された幼い皇帝・劉弁(諡・少帝)と陳留王・劉協(のちの献帝)  後…

パニック障害と生きるということ。

 私はある障害を抱えています。  タイトルにあるようにパニック障害というもの。  自覚のあるなしにかかわらず、この障害を抱えている人は少なくないでしょう。実際、…

デジタルコンテンツにセールは無意味というお話。

 今回、結論からいうと私がKindleにて出版した書籍が一週間限定で通常300円のところ99円で販売になったけど、まったく売上に影響しなかったということでございます。  …

【三国志・考】霊帝崩御と世継ぎ問題

 186年、中国各地で起きた大規模反乱「黄巾の乱」は首謀者である張角の病死によって沈静化した。そして朝廷外での問題が収まれば、今度は朝廷内での権力闘争が激しくなっ…

金は必要だが重要ではない。

「仕事は給料で選べ」  私が十代のとき、就職活動中だった兄に父がそう言った。  父は戦後に幼少期を送り、就職して経済成長、バブル経済とその崩壊を経験した会社員。恐…

【三国志・考】乱世の前兆・黄巾の乱

 400年中国を統治した漢王朝だが、長きに亘る政治腐敗はとどまることをしらず二世紀末には官職が売りに出される始末であった。賄賂というレベルでなく密かにではあるがオ…

【三国志・考】三国時代へと至る時代背景

 三国志の舞台となる時代は二世紀末期の後漢時代から三世紀の中国に三つの国家が鼎立した時代。本来一人しか存在しないはずの皇帝が三人いたというイレギュラーな時代であ…

『正史・三国志』と『三国志演義』

 仕事で中国系の人と話す機会があったとき 「なぜ日本人はこんなに三国志に詳しいんだ?」  と、言われたことがある。  日本で一般的に知られる三国志は中国がモンゴル…

昔、バイト先にヤ◯ザが来た話

働く人の姿はカッコいい。 先日、引っ越しに立ち会う機会があったのだが、作業員の兄ちゃんたちはとてもカッコよく見えた。「本当に働いて、本当のお金をもらっている」と…

はじめての『きんどるしゅっぱん』 後編

前編ではWordなどのツールで「商品」となり得る状態に内容を読みやすく整える手間と表紙デザインについて書かせていただきましてが、今回はいよいよKindle出版するためのプ…

はじめての『きんどるしゅっぱん』 前編

インターネットが普及しきった現代はライターにとっては非常によい時代となりましたね。 特に私のようなシナリオライターはソーシャルゲームの流行、というか今やスタンダ…

不思議と神社へ行きたくなる理由

日本という国において宗教や神を語ることは それほどデリケートな問題ではない、 という前提で書かせていただく今回。 私は神や仏を崇拝したりはしないが 人の心の中に神…

最短でスキルを身につける方法

これから書くことは私の実体験である。 私が持っていると自覚しているスキルは 料理、電話対応、作詞作曲、楽器演奏、 ライティング、英会話……そんなところだ。 別に資格…

あなたの命はあなただけのものじゃない。

あなたの命はあなただけのものじゃない。

 5月の連休も終わり、通常どおりの仕事という現実に戻って早くも疲れ果てている人が多いだろう。

 世の中には「5月病」なる言葉がある。その症状とは新年度がはじまり、進学や就職、異動によって変わった環境に慣れたにしても慣れていないにしても、馴染めていたとしても馴染めていなかったとしても自分が置かれた環境の「何か」にウンザリとして逃避したい状態という認識でよいだろうか。

 そんな中やってくるGWとい

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なぜ、あなたはWEBライターに希望を見るのか?

なぜ、あなたはWEBライターに希望を見るのか?

 私の職業はゲームシナリオライターである。

 目指して今の職業に就いたわけではない。自分のできることを当てられるニーズが社会にあった、というだけの話で生きている時代と運がよかっただけだと思っている。

 そして、あっという間に10年のときが過ぎた。そろそろ担当しているソーシャルゲームがサービス終了する。当然、新しい仕事を探さねばならない。

 当然10年間、ライターの仕事をしてきた私は今さら他の

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【三国志・考】董卓は暴虐の先に何を見ていたのか

【三国志・考】董卓は暴虐の先に何を見ていたのか

 権力者はふたつのタイプがある。
 尊敬され人心を掴む権力者と、恐れられ人心を支配する権力者だ。

 昔、放送していた勧善懲悪のヒーローものでは世界征服を目論む悪の組織が登場するのお約束だが、彼らは何のために世界を征服し、その後はどのように統治していくつもりなのだろうか。暴政を敷く権力者にも同様のことを感じる。

 国民に重税を課しては、やがて労働力が減り財源が減る。自身の主義と合わない者を消して

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【三国志・考】董卓はいかにして朝廷を牛耳ったのか

【三国志・考】董卓はいかにして朝廷を牛耳ったのか

 189年、宦官と亡き霊帝の外戚とその部下たちが乱を起こす中、宦官二人に都・洛陽の郊外へと連れ出された幼い皇帝・劉弁(諡・少帝)と陳留王・劉協(のちの献帝)

 後漢書・献帝紀によれば郊外で宦官らを討ち、二人を保護したのは盧植らが率いる軍だったとされている。なお後漢書の盧植伝に上記についての記述は見られない。正史・董卓伝では盧植の実行したことがそのまま董卓にすり替わっており、どちらが真実かはわから

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パニック障害と生きるということ。

パニック障害と生きるということ。

 私はある障害を抱えています。
 タイトルにあるようにパニック障害というもの。

 自覚のあるなしにかかわらず、この障害を抱えている人は少なくないでしょう。実際、私の周囲には同じ症状に苦しんでいる友人、知人が何人かいるのでこの記事を読んでくださっている方の中にも断続的、慢性的に発作やその不安に悩まされている方がいらっしゃるかもしれません。持病などがある方の参考となれば、持病のない方にもご理解をいた

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デジタルコンテンツにセールは無意味というお話。

デジタルコンテンツにセールは無意味というお話。

 今回、結論からいうと私がKindleにて出版した書籍が一週間限定で通常300円のところ99円で販売になったけど、まったく売上に影響しなかったということでございます。

 私が無名も無名でこの書籍の存在を知る人の分母が少ないという理由があることに加え、表紙を目にした人のほとんどはこの書籍の内容が無価値だと判断したというのが根っこでしょう。溢れかえる情報の中から見つけてもらうことも難しいし、読んでも

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【三国志・考】霊帝崩御と世継ぎ問題

【三国志・考】霊帝崩御と世継ぎ問題

 186年、中国各地で起きた大規模反乱「黄巾の乱」は首謀者である張角の病死によって沈静化した。そして朝廷外での問題が収まれば、今度は朝廷内での権力闘争が激しくなってくるのがパターンだ。

 人が三人、集まれば派閥ができると言われるが人間は同じ主義の者で群れたいものなのか、利害が一致する者と意気投合したいものなのか、筆者にはあまり理解できないのだがそういう傾向がある。

 約2,000年前を生きた人

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金は必要だが重要ではない。

金は必要だが重要ではない。

「仕事は給料で選べ」
 私が十代のとき、就職活動中だった兄に父がそう言った。
 父は戦後に幼少期を送り、就職して経済成長、バブル経済とその崩壊を経験した会社員。恐らくお金というものはツラい仕事の対価としてもらうもの、という考えを持っていたのだろう。そして経験上、楽しい仕事などはない。ならば給料がよい企業に就職しろ、という意味だったのだと思う。
 
 父が生きた時代と今とでは人々の価値観は変わったが

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【三国志・考】乱世の前兆・黄巾の乱

【三国志・考】乱世の前兆・黄巾の乱

 400年中国を統治した漢王朝だが、長きに亘る政治腐敗はとどまることをしらず二世紀末には官職が売りに出される始末であった。賄賂というレベルでなく密かにではあるがオフィシャルで政治家の地位に値札がつけられていたと正史に記されているのだから始末が悪い。

 そのようにして政治家になった者は「濁流派」と呼ばれるのだが、彼らは官職を得てから、そのために投資(?)した金額を増税によってペイしようとすることも

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【三国志・考】三国時代へと至る時代背景

【三国志・考】三国時代へと至る時代背景

 三国志の舞台となる時代は二世紀末期の後漢時代から三世紀の中国に三つの国家が鼎立した時代。本来一人しか存在しないはずの皇帝が三人いたというイレギュラーな時代である。

 なぜこのようなことが起きたのか?
 それは二世紀末期に起きた中国史上最大といわれる農民反乱の勃発に端を発する。その反乱について説明するためには、ときの王朝である漢王朝から説明せねばならない。

400年間、続いた王朝・漢

 紀元

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『正史・三国志』と『三国志演義』

『正史・三国志』と『三国志演義』

 仕事で中国系の人と話す機会があったとき
「なぜ日本人はこんなに三国志に詳しいんだ?」
 と、言われたことがある。

 日本で一般的に知られる三国志は中国がモンゴル帝国に支配された時代である元(1271〜1368年)の末期から漢民族が政権を取り戻して建国した明(1368〜1644年)の初期に民族の誇りを取り戻すために、漢王朝復興を目指した2世紀の群雄を主人公に据えた事実に基づくエンターテイメント作

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昔、バイト先にヤ◯ザが来た話

昔、バイト先にヤ◯ザが来た話

働く人の姿はカッコいい。
先日、引っ越しに立ち会う機会があったのだが、作業員の兄ちゃんたちはとてもカッコよく見えた。「本当に働いて、本当のお金をもらっている」という感じだ。

ひとり、部屋に引きこもって脚本という与太話のようなものを書くことで報酬を得ている私は自分の仕事に対して初めて後ろめたさのようなものを感じてしまった。が、これが私の仕事である。それしかできないのだから今後もこれで金を稼ぐ以外に

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はじめての『きんどるしゅっぱん』 後編

はじめての『きんどるしゅっぱん』 後編

前編ではWordなどのツールで「商品」となり得る状態に内容を読みやすく整える手間と表紙デザインについて書かせていただきましてが、今回はいよいよKindle出版するためのプラットフォームkindle direct publishing への登録で苦労したことを綴らせていただきます。めんどくせぇけど!

第三のハードル・原稿をePub形式に変更する?

Kindle出版でアップロードする本文のファイル

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はじめての『きんどるしゅっぱん』 前編

はじめての『きんどるしゅっぱん』 前編

インターネットが普及しきった現代はライターにとっては非常によい時代となりましたね。

特に私のようなシナリオライターはソーシャルゲームの流行、というか今やスタンダードなのかもしれないゲーム形式によって多くの恩恵を受けております。

昔なら、なんとかシナリオ大賞とかに応募して、ドラマや映画化されないとシナリオライターなんてマネタイズのしようがなかったわけですので。

物書き全般としても出版をしたけれ

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不思議と神社へ行きたくなる理由

不思議と神社へ行きたくなる理由

日本という国において宗教や神を語ることは
それほどデリケートな問題ではない、
という前提で書かせていただく今回。

私は神や仏を崇拝したりはしないが
人の心の中に神が存在することを
決して否定しない。

たとえばブラック・ジャックを読んで
医師になった人がいるとしよう。
ブラック・ジャックは手塚治虫の手による
創作上の人物だが、その人の中には
確かに存在する。

神や仏の存在もそれと同様のものだと

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最短でスキルを身につける方法

最短でスキルを身につける方法

これから書くことは私の実体験である。
私が持っていると自覚しているスキルは
料理、電話対応、作詞作曲、楽器演奏、
ライティング、英会話……そんなところだ。
別に資格を持っているわけではない。
そこに興味もなければ意味も見いだせない。

楽器演奏を除いては自ら率先して
習得したわけでは断じてない。

では、なぜそれらのスキルが
身についたのか?

今回はその方法というか、その過程を
英会話にフォーカ

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