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最短でスキルを身につける方法

これから書くことは私の実体験である。
私が持っていると自覚しているスキルは
料理、電話対応、作詞作曲、楽器演奏、
ライティング、英会話……そんなところだ。
別に資格を持っているわけではない。
そこに興味もなければ意味も見いだせない。

楽器演奏を除いては自ら率先して
習得したわけでは断じてない。

では、なぜそれらのスキルが
身についたのか?

今回はその方法というか、その過程を
英会話にフォーカスしてご紹介する記事でございます。

誰にでもできるキチンと再現性のある方法なので、
この記事を読んでくださっている
あなたが「いつか何かスキルを身につけたいなー」と、漠然と考えていらっしゃるならば、
是非とも実践していただきたい。


・日本語しか話せない、それでいい

「ナンデ英語ヲ話セル日本人ハ、コンナニ少ナイノ?」
ある日、同僚となって間もないシンガポール人に
そんな質問をされた。

「必要ないからだろうね」
と答えたのち私は考えた。

「なぜ必要ないんだ??」

日本は敗戦国にも関わらず、
国内でしか使われない言語が滅びず、
母国語のみで不自由なく生活できる。
GHQは占領下にあった日本の国民に
英語を覚えることを強要しなかった。

そして学校で習うのは読み書きに特化した
英語教育であり、英会話という授業も名ばかりで
「外国人と遊ぼう」のコーナー扱い。

英語が話せずに困った記憶はない。
今後も困る場面に出くわすことはない。
私はそう思っていた。
そのときは。

・同僚半数、異国人

職場に背筋が凍るようなニュースが入った。
私が首に鈴がついているオフィス常駐の
ライターだったころのこと。

なんと私がシナリオを担当しているソシャゲの
運営拠点がシンガポールに移管されるというのだ。
詳細な経緯は割愛するが経営者の判断によって。

そこからの動きは早かった。
現地で採用された異国人スタッフ20名ほどが
研修、移管準備の名目でオフィスに現れたのは
話が日本側スタッフに伝わってから
わずか2週間後。

こんな状況でも私は自分に英語が必要とは
まったくもって思っていなかった。

・通訳、忙しすぎ問題

シンガポールの共用語はマレー語、中国語、
そして英語だ。

日本側のプランナーには英語完璧な同僚と
中国語完璧な同僚がひとりずつ。
そして移管プロジェクトのために
英語の日本人通訳が加わった。

とりあえず、日本人プランナーは
徐々に移管先の異国人プランナーへと
仕事を引き継いでいく。

私と異国人プランナーとのやりとりは
通訳がサポートしてくれる、はずだった。

しかし通訳のスタッフはディレクターや
プロデューサーとの重要なやりとりに
追われ、バタバタである。

私が異国人プランナーに日本語で
業務メールを送っても当日中に返信が
来ることはまずない状況。
宛先にccもしくはtoで通訳の人を含めても。

ていうか通訳さんも異国人プランナーも
ほぼシカトだった。

・滞るタスク

当然のことながら未完了の仕事は溜まっていった。
「プランナーからレスがないから仕事にならん」
などという小学生のような言い訳は許されない。

こうなれば自分で何とかするほかない。
私はGoogle翻訳に次のように打ち込んだ。

「このゲーム内イベントのテーマと脚本の納期はいつですか?」
表示された英語は
「When will the theme and script for this in-game event be delivered?」
これで伝わるのか?それすら判断ができない。
私の英語力はそのくらい低かった。
今ならわかるが本来、下記のようにするべきだろう。

what is theme of this event? 
and should I deliver texts of these stories 
until when? 
please inform me this deadline.

するとプランナーからすぐに返信があった。

異国人プランナーとのやりとりは
自ら英語で直接するのが
最もスムーズな方法だとわかったからには
これでやっていくのがベストだ。

英語対応での業務などという契約は結んでいなかったが、そんなことを言っていては埒が明かない。
だって仕事にならないのだから。

・最初はGoogle翻訳頼り

とはいえ英文法と日本語文法はけっこう違う。
日本語は一人称、二人称などが省略される傾向が
ある。
まず翻訳ツールに「正しく訳してもらう」という
ことに慣れねばならなかった。

それに慣れたら、今度は翻訳ツールに
入力する言語を英語にして日本語に訳す。

ポイントは自分が言いたいことを自分が知っている単語だけで相手に伝わる文章に組み立てること。

たとえば簡単な文章だと
「シーン3に表示されるセリフの順番が間違っている」
これを自分が知っている単語に直してみる。


シーン3に→on scene3
表示されるセリフの→displayed texts
順番が→order
間違っている→wrong


これを英文法で並べ直す。
dispayed texts order wrong on scene3.
これで伝わった。
何気に簡単である。

英語でのテキスト上でのプランナーとの
やりとりは一週間ほどで完全に慣れ、
業務は飛躍的にスムーズになった。

さぁ、そしていよいよ対面での
ミーティングへの参加である。
これは相当、苦労することになる。
そのお話は、またいつかの機会に。

・環境の変化こそ成長の機

という感じで、私は思いがけず
英語を習得するきっかけに恵まれたわけだが
人間が成長するのに大事なことは
「環境」であると感じる出来事だった。

自分を困らせる。
できなければ自分がキツい。
そして周囲も困る。

そうなれば、やらざるを得ない。
使う予定もないのに英会話教室に
通っていても大した成長はないだろう。

なんでもそうだ。
バンド時代は自分が曲を作らねば、
誰も作ってくれない。
料理と電話対応はバイトで身につけた。

ライティングは書いたことないのに
知人の誘いに乗ったことで日々セオリーを学び、
書いては書き直し、調べては書き、考えては書きを
繰り返して磨いてきたスキルだ。

当然、努力は必要だし
自分でも努力した自覚はある。
その努力を加速させたのが
置かれた環境だった。

環境を変えるというのはなかなか
簡単にできることではないと思う。

が、自分をレベルアップさせよう、
スキルを身につけよう、の思う方は
思い切って未経験、または同業種の
異ジャンルに飛び込んでみてはいかがだろうか。

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