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使えるバーテンダースキル

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バーテンダーは、難解な職業の一つである。扱っている酒を提供し、お客を招いて気持ちよく酔っていただき対価をうける。そこにお店の個性(付加価値)を付加させ、他店との差別化を確立させる…
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#小説

「バーテンダー褒め学」実践編

「バーテンダー褒め学」実践編

褒めるべき優れた人が、その褒められるべきポイントには誰一人気がつかず、私だけが見抜いていたら嬉しいだろう。つまり誰にでも褒めるべきところがあると思えば、それを探しだそうとする好奇心が湧き上がるというものだ。
反対に探しても捜しても一向に褒めポイントが見つからない迷宮のラビリンスのような人がいる。これは相当に厄介だが、ただ単に私自身がその人の「良さ」を見抜けない未熟者の可能性も否めない。
褒めるべき

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接客、3つの基本

接客、3つの基本

たまに、清水さんが接客に対して大切にしていることって何ですか?と同業者の中堅クラスに質問されることがある。

その時、必ず答えることが3つある。

1.地域、或いは夜においてのその店の在り方、求められている存在意義や理由を考えること。

2.店や主人の向かいたい方向性を深く理解すること。

3.お客さんから好かれようとしないこと。
そうではなく、嫌われない努力をすること。

この3つは、誰が質問し

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「一見さんの6つのルール」

「一見さんの6つのルール」

繁盛している飲食店には、必ず店を愛してくれている常連さんが存在する。
店を愛し、スタッフとも気心が知れて、家族ぐるみの仲、なんて関係もあるだろう。
店が満席になると進んで席を空けてくれるようなスタッフ的な気配りができる、そんな縁の下の力持ち的存在、それが常連さんだ。
だが、どんなに家族のような親しい常連さんも、初めはみんな「一見さん」なのである。

私の店にも常連さんは存在している。
20年以上も

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モテ学4「笑顔の秘密」

モテ学4「笑顔の秘密」

素敵な笑顔の男がいた。
彼の笑顔は周囲を明るくした。
彼が微笑むと皆がつられて笑顔になった。
それがモテるポジティブな笑顔である。
モテる男の笑顔には、そういう意味がある。

どういうことか?

例えば……。
男が笑顔で笑っている。
彼の笑顔にも素敵な魅力があった。
彼は何を見て笑っているのだろう?
彼の目線を辿っていくと、横転した車の側で泣き叫んでいる人々の光景があった。
それを見た私は彼に恐怖

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モテ学2「モテない男の共通点」

モテ学2「モテない男の共通点」

BARには、モテる男がちらほらといる。
だが、モテない男の方が圧倒的に多い。だからBARは、モテる男たちの天国になっていくのである。
モテない男には、いくつかの共通点がある。

1.人の話を聞かない、或いは聞いていない。
(自分のことばかり話す、自分の自慢ばかりする)
2.否定的会話が多い。
(反論が多く、話し方の口調が傲慢)
3.自分が特別な「何か」だと勘違いしている傾向が強く、アウエーのコミュ

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モテ学1「モテる男とモテそう男の違い」(基礎知識編)

モテ学1「モテる男とモテそう男の違い」(基礎知識編)

「モテる」とはいったいなにか?
まずは「モテる」の定義について簡単に説明しましょう。わたしのいうモテるとは、男女の異性関係のモテると同時に、同性にもモテる人のことを指します。つまり最強の「人たらし」ということです。

無論、誰にモテたいのか、好きな人だけにモテたい、というのが間違いなく正論だと思います。誰にでもモテたいわけではないでしょう。社会問題のストーカーもこの誰彼問わずモテてしまった結果、残

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(3)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を壊す編

(3)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を壊す編

これまで、1.空気を読む、2.空気を作るについて書いてきました。
そして今回は最終章、「空気を壊す」について書いていこうと思います。
まずは、なぜ空気を壊すスキルを覚えなければならないのかについて書いていきます。

コミニケーションの中には、気の合った仲間や同年代の友達ばかりではありません。
むしろ、そうでない場合のシチュエーションが多数存在します。

想像してみてください。
例えば、初対面の複数

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(2)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を作る編

(2)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を作る編

さて、空気を読む編では、空気を読むとはどういうことで、なぜ、空気を読まなければならないのかについて書いてきました。
今回は「作る」について書いていきます。

空気を作るには、2つの意味があります。
1.今ある空気をより良くする
2.悪い空気を良くしていく(難易度高い)

空気を読めるようになって、相手の望みを理解したとしても、それだけでは十分ではありません。次は、相手と2人で共同作業をしなくてはな

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(1)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を読む編

(1)バーテンダーは3つの空気を自在に操る。空気を読む編

誤解を恐れずに言うなら、最近、おもしろい人がめっきり減ってしまった。
理由はいくつか思い当たるが、一つに「人としてバランスの悪い人、人間味のある人」が少なくなってしまったことだ。逆に言うなら、バランスの良い優等生タイプが多く、話していても味気がしない。
薄味の精進料理を食べているようで、それが20代の若者から感じた時には残念で屁も出ない。
時代が変われど、人はそう簡単には変わらないと、高をくくって

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「バーテンダーの会話には秘密のしかけがある」

「バーテンダーの会話には秘密のしかけがある」

まったくの他人と会話を始めて、その人をあらかた理解し仲良しになるまで、一体どれだけの時間と労力がかかるだろうか?

もちろん答えは、ケースバイケースだ。
朝や昼や夜や深夜のしらふ状態でのさまざまなシチュエーションもあれば、朝や昼や夜や深夜のお酒が入っているさまざまなシチュエーションの場合もある。男性同士、女性同士、男女のケース、そこに年齢的な問題が発生する。
さらに職業が加わり、経済状況が混ざり合

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「バーテンダーはFBI並みの目をもつ」

「バーテンダーはFBI並みの目をもつ」

誰だって知らない人は恐い。僕も見ず知らずの人はメチャメチャ恐ろしい。
自分に関わっている人ですら興味を抱けないことがあるのに、関わりのない人に興味を持てようはずがないのである。
だからこそ、人は知り合いを大切にするし、関わりを重んじる。

知らない誰かに道で声をかけられても、当然のようにシカトをするだろう。そうしたとしても罪にはならないし、「なんか素っ気ない事したな」と罪悪感を感じることもない。

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