マガジンのカバー画像

【おしり】真夜中の図書館

56
運営しているクリエイター

記事一覧

では、私はどう生きるか(母という呪縛 娘という牢獄)

では、私はどう生きるか(母という呪縛 娘という牢獄)

素晴らしい本を読みました。

母という呪縛 娘という牢獄

です!
これ以上に発信する価値のあるものはあるでしょうか?
非常に、胸がえぐられるような想いで読みました。
自分事のように、のめりこむものがあり、ノンストップで読了してしまいました。(というか多くの人の幼少期に通ずるところがあるのではないでしょうか)
(本当にあった事件を描いたもので、物語というよりは、実話に対して著者の方がまとめたものに

もっとみる
私が私らしく生きるための試練 笑いのカイブツ(ツチヤタカユキ著)を読んで

私が私らしく生きるための試練 笑いのカイブツ(ツチヤタカユキ著)を読んで

この本の中古がたったの数百円で買えてしまうんだから、物の価値なんてクソ適当にもほどがある。

noteを書き始めた頃、「なぜ書くのか」の自分なりの答えに辿り着いたことを思い出しました。
絶望を書くため。
自分の絶望を書くためです。
ネットには、明るさでコーティングされた絶望が多すぎる。
数年前、夫に捨てられたけど今はこんなに素敵な男性と再婚出来て幸せですだの、
貯金ゼロだったけど頼れる人に恵まれて

もっとみる
親の生き様こそが初めて目にする人間の生き様であって、そこにルールも規定も必要ない。【かか(宇佐見りん著)】

親の生き様こそが初めて目にする人間の生き様であって、そこにルールも規定も必要ない。【かか(宇佐見りん著)】

やべえ…やべえってばよ…

「かか」(宇佐見りん著)を読みました。

▼あらすじ
主人公のうーちゃんは、離婚を機に酒を飲んで暴れ回ったり、自傷行為を繰り返すようになってしまったお母さん「かか」を愛していると同時に、崩壊していく家庭環境にうんざりしている。
親にも男にも子供からも愛されないと感じて泣き喚くかかは、子宮がんを患い手術することになる。
うーちゃんは、かかをうーちゃん自身が産み直したい、産

もっとみる
誰に拍手されなくても自分で自分に送る拍手が、手のひらが赤くなるほど誰かに送る拍手が、自分自身を生かす活力になるのかもしれない。【火花(又吉直樹著)】

誰に拍手されなくても自分で自分に送る拍手が、手のひらが赤くなるほど誰かに送る拍手が、自分自身を生かす活力になるのかもしれない。【火花(又吉直樹著)】

誰が何と言おうと私はこの作品が大好きです。

「火花」(又吉直樹著)を読みました。

▼あらすじ
主人公で売れない芸人の徳永は、熱海花火大会での余興の漫才ステージで輝くような漫才の才能を放つ神谷という芸人に出会う。
そこから師弟関係を結び、お互いに受け入れがたい違いを感じながらも、漫才師としての魅力に惹かれあっていく。
漫才師として、笑いの哲学に真っ直ぐに向き合い、生き抜いた二人の生き様が描かれて

もっとみる
せっかく他人と一緒に生きていくなら、めいっぱい変わりたい、めいっぱい楽しみたい。【余命一年、男をかう(吉川トリコ著)】後編

せっかく他人と一緒に生きていくなら、めいっぱい変わりたい、めいっぱい楽しみたい。【余命一年、男をかう(吉川トリコ著)】後編

もう完全になんていうか一人のファンとしての口コミみたいになってますが大丈夫ですかねこれ…。
「余命一年、男をかう」(吉川トリコ著)の後半になります。

結婚って、私は性欲とか恋心とか、そういうものから切り離して考えたい派です。(あくまで私が思うに、です)
結婚と恋愛は別なのよ、あまく見てんじゃないわよガキコラとアドバイスをくださる人生の先輩の意図と同じかどうかは分かりませんが、
結婚というのは、私

もっとみる
せっかく他人と一緒に生きていくなら、めいっぱい変わりたい、めいっぱい楽しみたい。【余命一年、男をかう(吉川トリコ著)】前編

せっかく他人と一緒に生きていくなら、めいっぱい変わりたい、めいっぱい楽しみたい。【余命一年、男をかう(吉川トリコ著)】前編

※本文はネタバレを含みますのでご注意ください。

ぬえあああああああああああああああ!!!!!!!!
ぐおおおおおおおおおああああああああああ!!!!!!!!!
ま…
また…
さいっこうの一冊に…出会ってしまった…。
最高すぎて、なかなかnoteに書けなかった…どうしたためればいいものか、私にはわからなかった…。

「余命一年、男をかう」(吉川トリコ著)を読みました。

▼あらすじ
唯は、堅実にお

もっとみる
「きっと、大丈夫。悪いようにはなりません。いつか笑って話せます。あなたの寂しかった日々が、誰かを助ける日が来ます」【対岸の家事(朱野帰子 著)】後編

「きっと、大丈夫。悪いようにはなりません。いつか笑って話せます。あなたの寂しかった日々が、誰かを助ける日が来ます」【対岸の家事(朱野帰子 著)】後編

ああ…
あまりに面白い作品すぎるのでnote3つ分にもなってしまった…。
これで絶対最後にします。
前回の続きになります。
対岸の家事(朱野帰子 著)についてです。

私が家事を丸投げされていて、それを律儀にきちんとこなしていた時、
酔っ払って帰ってきた元夫に言われた言葉が今でも忘れられません。
「ずっとこの家で、外の世界を知らずに生きてて惨めじゃないの?
俺はこうして毎晩色んな業界の偉い人に会っ

もっとみる
「きっと、大丈夫。悪いようにはなりません。いつか笑って話せます。あなたの寂しかった日々が、誰かを助ける日が来ます」【対岸の家事(朱野帰子 著)】中編

「きっと、大丈夫。悪いようにはなりません。いつか笑って話せます。あなたの寂しかった日々が、誰かを助ける日が来ます」【対岸の家事(朱野帰子 著)】中編

前回の続きになります。
対岸の家事(朱野帰子 著)についてです。

本書に描かれていたのは、専業主婦の苦悩だけではありません。
バリバリに働くママが、会社では迷惑がられ、家庭では誰にも感謝されず、常にギリギリの状態でなんとか毎日を生きている、という描写が描かれています。

子供なんか産んですみません、じゃ、ないよおおおおおおお
そんなこと言わせんなよ!(これはフィクションです)
でも全然フィクショ

もっとみる
「きっと、大丈夫。悪いようにはなりません。いつか笑って話せます。あなたの寂しかった日々が、誰かを助ける日が来ます」【対岸の家事(朱野帰子 著)】前編

「きっと、大丈夫。悪いようにはなりません。いつか笑って話せます。あなたの寂しかった日々が、誰かを助ける日が来ます」【対岸の家事(朱野帰子 著)】前編

やっべえ本に出会ってしまったーーーーよーーーーーー!!
もう一気に読み上げてしまいました。
主婦の方にはもちろんですが、一人暮らしの方にも、家族がいる方にも、どんな人にも興味深いと思えるポイントがあるんじゃないかなあと思います。
※内容にがっつり触れますのでネタバレ回避されたい方はご注意下さい。

「対岸の家事」(朱野帰子 著)を読みました。

あらすじは、
専業主婦の詩穂が家事や育児に励む中で、

もっとみる
どこにでもあるものをリスペクトして、愛している人だけが知る人生の喜びを、感じられる私でいたい。【土を喰う日々 わが精進十二カ月(水上勉著)】

どこにでもあるものをリスペクトして、愛している人だけが知る人生の喜びを、感じられる私でいたい。【土を喰う日々 わが精進十二カ月(水上勉著)】

また素晴らしい一冊に出会ってしまった…。
なんて最高なんじゃい…。

食に関するエッセイなのですが、水上さんの人となりや、水上さんが魅力的だと感じる世界のあり方に、心から癒される一冊でした…。
水上さんは少年時代、京都の禅寺で精進料理の作り方を教わったそうで、その時経験した、精神や知識を生かして、料理人として活動されています。
そんな水上さんの人となりが分かる文章がありましたので、下記引用します。

もっとみる
この世に幸せも不幸せもなく、生きものは幸せに生きついていると思いたい。【幸せについて(谷川俊太郎 著)】

この世に幸せも不幸せもなく、生きものは幸せに生きついていると思いたい。【幸せについて(谷川俊太郎 著)】

この世には「幸せ」なんて存在しないんじゃないでしょうか?
だから反対に「不幸せ」も存在しないんじゃないでしょうか。
今生きてることそのものが「幸せ」という状態なのであって、「幸せ」という状態が特別枠としてどこかに用意されているわけではなく、そもそも皆「幸せ」なんだと、思うのです。

(もちろん、私は「不幸せ」なイベントを全て経験したわけではないし、私より人生経験の多い方がほとんどのこの世界で、

もっとみる
人を傷つけないように気遣った表現より、正直な表現の方が案外人を癒すものなのかもしれない【ミッキーかしまし(西加奈子 著)】

人を傷つけないように気遣った表現より、正直な表現の方が案外人を癒すものなのかもしれない【ミッキーかしまし(西加奈子 著)】

私は正直であることの凄まじさを知ったぞ。
(突然)
いや〜〜〜
おもれ〜〜〜〜
人っておもれ〜〜〜
これだからエッセイを読むのはやめられませんね。

西加奈子さんの「ミッキーかしまし」を読みました。

いや、何が良いって、正直なんです。
まじで正直です。(に、私は感じます)
私も正直に言うと、(正直正直言うから頭おかしくなってきた)西さんの全てに対して「いいな」と思うわけではありません。
「あ〜こ

もっとみる
愛し方を間違えたとか思わなくていい、その時その時の愛の形を、アップデートしていけばいいだけ。【家族最後の日(植本一子著)】後編

愛し方を間違えたとか思わなくていい、その時その時の愛の形を、アップデートしていけばいいだけ。【家族最後の日(植本一子著)】後編

愛って難しい…
難しいものだけど、正解も分からないけど、だからこそ、その時その時の自分なりの愛情の捉え方、愛し方をアップデートしていきたいと思う、ということを前半で書いたかと思います。

今回のnoteでは、
前回の内容とは異なり、「愛」ではなく「怒り」について書いていきたいと思います。

上記は、植本さんがカウンセリングを受けた際、先生に言われた内容だそうです。

私はずっと「怒り」という感情を

もっとみる
愛し方を間違えたとか思わなくていい、その時その時の愛の形を、アップデートしていけばいいだけ。【家族最後の日(植本一子著)】前編

愛し方を間違えたとか思わなくていい、その時その時の愛の形を、アップデートしていけばいいだけ。【家族最後の日(植本一子著)】前編

「自分の気持ちにきちんと向き合ってもらって育って来た人って、
少ないよね」
友達にそう言われて、ハッとしました。
会社のために、国のために、皆のために、誰かのために、
自分の時間や命を捧げて、がむしゃらに懸命に生きることが美しいとされていた価値観でできていたこの世界で、
一体どれほどの子供たちが「自分の気持ち」に興味を持ってもらえただろう。
そして、どれほどの子供たちが、「親の気持ち」に興味を持て

もっとみる