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読みスクラップブック

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他人の作りもの。自分の読み記録。種種雑多な文章の一時的な置き場。
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#小説

「小説推敲補助ソフト「Novel Supporter」」1.5.9 公開。

https://crocro.com/pc/soft/novel_supporter/

各種大量にバグ修正。

集団左遷を読んで思ったこと

集団左遷を読んで思ったこと

最近、「集団左遷」という小説を読んで深く深く感動しました。
Amazon unlimitedに登録しており、その中で読める小説です。簡単なあらすじとしては、不動産バブルが弾ける中で、かつての大手の不動産会社が人員整理を企みます。そこで対象となった50名が首都圏特販部という部署に追いやられ、不動産在庫の整理の任務を受けます。わずか3ヶ月以内に10億円の物件も捌かないと退職勧告になる、ただ会社としては

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おれたちは小説で人生を救われたことがなかった、だけど小説を書き、どうしようもなく書き続けてしまい、小説がなくても生きていけたおれたちが小説を書くことで、いったい小説のなにを知り、触れることができるというのか。

おれたちは小説で人生を救われたことがなかった、だけど小説を書き、どうしようもなく書き続けてしまい、小説がなくても生きていけたおれたちが小説を書くことで、いったい小説のなにを知り、触れることができるというのか。

本そのものは不変であって、いっぽう、ひとびとの意見はそれに対する絶望の表現にすぎないって、ねえ、靴子ちゃん、わかるかな、わたしたちが言っていることはどれもこれも絶望の表現でしかないんだよ、わたしたちがなにを言ったとしても、この話のなかでおこったことはなにも変わらないんだよ、この話のなかで彼は死につづけていて、彼女だって死に続けているんだ、そしてこの話をしたわたしはかれと彼女とはべつに生きつづけてい

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賽を振るは、神か人か -1-

賽を振るは、神か人か -1-

「おはようございます、マスター。戦闘行動を開始します」
「頼むぜ、クリス」

 爆炎渦巻く廃墟都市上空を乗騎である黒い装甲死神めいた機動兵器、イクサ・プロウラに搭乗して飛行する俺の耳に通信をつないだパートナーのやり取りが届く。

 こちらより低空地面すれすれを疾駆するのは、これまた黒色の機体。曲線装甲と背部にはダイスを六つの長方形に切り分けたかのような推進器を負い、両手には重機関ライフルとグレネー

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物語の作り方

物語の作り方

根がライターなので、ものごとを言葉で始めることしかできない。
企画を立てる際も「物語の作り方」をベースにしている。

この記事では、わたしがプランニングに使ったり使わなかったりしている物語の作り方に関するあれこれを紹介したい。

決まった進め方はない知り合いの作家さんたちに、「書き始め方」や「作り方」を聞いてみたことがある。彼らの答えは素晴らしくバラバラだった。
こんな風に。

構造から考える

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俺みたいのがお前の友達だなんてみんなに知れたら恥ずかしいだろうし、俺、お前の葬式なんか行かないよ(新学期)

俺みたいのがお前の友達だなんてみんなに知れたら恥ずかしいだろうし、俺、お前の葬式なんか行かないよ(新学期)

俺みたいのがお前の友達だなんてみんなに知れたら恥ずかしいだろうし、俺、お前の結婚式なんか行かないよって、最初はそう思ってた。そんなに仲が良かったわけでもないし、長い付き合いだった訳でもないのに、いまさら急に優しくするなよ。

おばさんから電話架かってきたし、その割に、他のやつらからは全然電話架かってこないし、本当にどうしよう。

借りた本も返さないといけないけど、読みたくもない本、何で借りちゃった

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どうしようもないヤツらだな

どうしようもないヤツらだな

 空白。投稿が10日も空いてしまった。ぼくなりに忙しかったんだ。でも、10日間何をしていたんだとかね、それから何を学んだんだとかね、そんなことを書くつもりはサラサラない。だって、面白くもなんともないんだもの。

 ぼくは狼だぬきという名前で「嫌なこと」とか「絶望的なこと」をよく書いているんだけど、この10日はそれほど絶望しなかったんだ。絶望を赤裸々に書いて、小さい希望を見い出すというのがぼくのスタ

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一筆小説「キッチンで泣いた」

一筆小説「キッチンで泣いた」

義母の四十九日が終った。

志都は、ほっと肩の荷が下りたような気がした。帰り道、少し背筋を伸ばして歩いた。

夫は、通夜や葬式の時よりは、穏やかな表情に見える。
「死を受け入れる」ということは、とても難しいことだ。特に家族であれば、尚更。

黙って二人、並んで歩いた。

義母とは決して仲が良かったとは言えない。言葉にされたことこそ無いが、あまり気に入られた嫁ではなかっただろうと思っている。

最初

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無題

無題

 「無題」というテーマで書こうと思う。なぜなら、これから書くことにはなんの新しい発見も有効な学びもないからだ。当たり前のことを、当たり前に書く。読了感としては「せやな」とかかな。目的や価値を希求しないことにも寛容になってほしいなと思って!まあ、そんなメッセージ性もないんだけれど。

 夏が近づいている。確実に。淡々と。10年以上金融機関に勤続するサラリーマンのような着実さ。気温はともかく、湿度だ。

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懐かしの、はじめてのnote記事を紹介「カワセミオロロ(自己紹介)」

懐かしの、はじめてのnote記事を紹介「カワセミオロロ(自己紹介)」

新しく自己紹介記事を上げる理由で、下書きに戻していた記事です。うわぁ・・・懐かしい!そして、恥ずかしい・・・。

この頃は、まだアイコンもイラストで、性別不明で、蝉緒ではなくカワセミオロロを使っていて・・・。懐かしい・・・。



はじめまして。カワセミオロロと申します。趣味が高じて書き溜めた小説を売ってみようと思いnoteにチャレンジ!

馴染むまでは無料で投稿する予定です。数字がリアルとのこ

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なぜ文芸メディアじゃないWEBメディアで「文学」をするのか?──多数派じゃないと生きられないわたしたち

なぜ文芸メディアじゃないWEBメディアで「文学」をするのか?──多数派じゃないと生きられないわたしたち

 ライターを職業としてはじめてまだ日は浅いけれど、そのなかで痛感したことがある。それは、「WEBを主戦場とするライター」は文章そのものだけで業界を生き抜いているというひとがまずいないということだった。
 もちろん、文章のクオリティは技術だけじゃなく経験や感覚に裏付けられるところもあるけれど、ぼくが言いたいのはそういうことじゃない。書き手を効果的にキャラクター化するプロモーション力とか、そういう文章

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える知っているか?死神(ぼくら)には「穴ぼこ」がある

える知っているか?死神(ぼくら)には「穴ぼこ」がある

 文章を書こうと思う。理由はない。目的もない。とりわけ、着地点かなんかも検討もつかない。世の中には二種類の人間がいる。目的を持って文章を書く人間と、書きながら自己に眠る目的に輪郭を与えていく人間だ。どうやらぼくは後者らしい。

 冒頭でこんなことを言うのも申し訳ないが、この記事に読む価値はない。まだ書いてないけれど確信できる。結論が何もない予定だ。判断がなされない予定だ。そういう後味の悪さも悪くな

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Night journey

Night journey

別々の場所に帰るのが寂しくて
終わらない夜を作ろうとする
錆びたような灯りを背負いながら
時間の歯車を細かくなぞる
どこか人ごとのように迎え撃つ、
無味無臭の朝を数える

切なかろうが 虚しかろうが
ひとりきりのベッドに帰れば良いのに
浅い浅い眠りの中だけなら
何度でも記憶の扉を開け続けて
いくらでも「いちばん綺麗なあなた」を
探し出せたかもしれないのに

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. #詩 #ポエム

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正義と悪

どうも蒼骨随涉です。

突然ですがみなさんに質問です。
”正義”ってなんだと思いますか?

よく小さい頃にはウルトラマンや仮面ライダーなどなど悪い怪獣や悪の組織などから国を守るみたいなヒーローが正義でその反対が悪みたいに言われたり思っていたりしますよね。

ですがこれって本当なのでしょうか?

私はこんなあたりまえのように感じることに疑問を抱きました。

はたしてヒーローだけが正義なのだろうか?

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