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#小説
おれたちは小説で人生を救われたことがなかった、だけど小説を書き、どうしようもなく書き続けてしまい、小説がなくても生きていけたおれたちが小説を書くことで、いったい小説のなにを知り、触れることができるというのか。
本そのものは不変であって、いっぽう、ひとびとの意見はそれに対する絶望の表現にすぎないって、ねえ、靴子ちゃん、わかるかな、わたしたちが言っていることはどれもこれも絶望の表現でしかないんだよ、わたしたちがなにを言ったとしても、この話のなかでおこったことはなにも変わらないんだよ、この話のなかで彼は死につづけていて、彼女だって死に続けているんだ、そしてこの話をしたわたしはかれと彼女とはべつに生きつづけてい
もっとみる賽を振るは、神か人か -1-
「おはようございます、マスター。戦闘行動を開始します」
「頼むぜ、クリス」
爆炎渦巻く廃墟都市上空を乗騎である黒い装甲死神めいた機動兵器、イクサ・プロウラに搭乗して飛行する俺の耳に通信をつないだパートナーのやり取りが届く。
こちらより低空地面すれすれを疾駆するのは、これまた黒色の機体。曲線装甲と背部にはダイスを六つの長方形に切り分けたかのような推進器を負い、両手には重機関ライフルとグレネー
俺みたいのがお前の友達だなんてみんなに知れたら恥ずかしいだろうし、俺、お前の葬式なんか行かないよ(新学期)
俺みたいのがお前の友達だなんてみんなに知れたら恥ずかしいだろうし、俺、お前の結婚式なんか行かないよって、最初はそう思ってた。そんなに仲が良かったわけでもないし、長い付き合いだった訳でもないのに、いまさら急に優しくするなよ。
おばさんから電話架かってきたし、その割に、他のやつらからは全然電話架かってこないし、本当にどうしよう。
借りた本も返さないといけないけど、読みたくもない本、何で借りちゃった
一筆小説「キッチンで泣いた」
義母の四十九日が終った。
志都は、ほっと肩の荷が下りたような気がした。帰り道、少し背筋を伸ばして歩いた。
夫は、通夜や葬式の時よりは、穏やかな表情に見える。
「死を受け入れる」ということは、とても難しいことだ。特に家族であれば、尚更。
黙って二人、並んで歩いた。
義母とは決して仲が良かったとは言えない。言葉にされたことこそ無いが、あまり気に入られた嫁ではなかっただろうと思っている。
最初
懐かしの、はじめてのnote記事を紹介「カワセミオロロ(自己紹介)」
新しく自己紹介記事を上げる理由で、下書きに戻していた記事です。うわぁ・・・懐かしい!そして、恥ずかしい・・・。
この頃は、まだアイコンもイラストで、性別不明で、蝉緒ではなくカワセミオロロを使っていて・・・。懐かしい・・・。
始
はじめまして。カワセミオロロと申します。趣味が高じて書き溜めた小説を売ってみようと思いnoteにチャレンジ!
馴染むまでは無料で投稿する予定です。数字がリアルとのこ
なぜ文芸メディアじゃないWEBメディアで「文学」をするのか?──多数派じゃないと生きられないわたしたち
ライターを職業としてはじめてまだ日は浅いけれど、そのなかで痛感したことがある。それは、「WEBを主戦場とするライター」は文章そのものだけで業界を生き抜いているというひとがまずいないということだった。
もちろん、文章のクオリティは技術だけじゃなく経験や感覚に裏付けられるところもあるけれど、ぼくが言いたいのはそういうことじゃない。書き手を効果的にキャラクター化するプロモーション力とか、そういう文章
Night journey
別々の場所に帰るのが寂しくて
終わらない夜を作ろうとする
錆びたような灯りを背負いながら
時間の歯車を細かくなぞる
どこか人ごとのように迎え撃つ、
無味無臭の朝を数える
切なかろうが 虚しかろうが
ひとりきりのベッドに帰れば良いのに
浅い浅い眠りの中だけなら
何度でも記憶の扉を開け続けて
いくらでも「いちばん綺麗なあなた」を
探し出せたかもしれないのに
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. #詩 #ポエム