【#理系の読み方 第4回】小説を〝使いこなす〟(前編)──小説のジャンルとゲーム性
〝良い小説〟は〝誰にでも読める小説〟なのか? 前回は「小説のかたち」について考え、どうやら我々は「小説っぽい雰囲気のものを小説と呼んでいる」という当たり前の事実がバカにできないほどの重大さを持っているのを確認できました。
起承転結など明快な展開を持つストーリーが文章で記されているものを小説と呼ぶひともいれば、文字が小説っぽく並んでいるだけで「小説っぽい」と感じるひともいます。この差異は個々人の「小説モデル」の違いに由来するもので、「小説とはこういうもの」という原理的な問題で