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インターネットで読める大滝瓶太の小説・書評・論考など

ちょくちょく「お前はツイッターでよく見るが、肝心の文章はどこで読めるんや???」と聞かれるので、ちょっとまとめてみます。

小説

短い小説ですが、第1回阿波しらさぎ文学賞の受賞作「青は藍より藍より青」。以下の記事では選評も紹介されています。こんな感じで言及していただいています。

 受賞作の「青は藍より藍より青」は、浅葱、縹、藍という青の濃淡を時間軸に、阿波人形浄瑠璃「傾城阿波の鳴門」と昔話「七夕女房」の絡みを空間軸にして紡がれたSF仕立ての作品で、一見難解だが、設定の整合性と独特の語り口で最後まで面白く読ませた。どんな変な世界を描いていても、ぶれのない論理と言葉に貫かれていれば小説は説得力を持つ。本作はその好例と言える。
 徳島そのものが仮想現実でしかないという設定は、現在の徳島に対する批判であると同時に、その虚構性によって逆に「現実以上に力強い現実」が生まれる可能性が示唆されている点、作者の意図はどうあれ徳島県民に対するエールとも取れて明るい読後感が残った。
 今回一番遠くまで連れて行かれた作品でもある。15枚という限られた枠内で、発想と密度と完成度において、どの候補作より最も大きく徳島の全体像を捉えることに成功し「徳島の小説ならこうだろう」という凡庸なイメージを刷新した功績は大きい。

余談ですが、その後「地方文学賞の攻略法記事とか書きませんか?」と親交のある方にそそのかされ(!?)こんな記事も書きました。

また、自作ではないですがYukimi Ogawaさんの短編の翻訳をしました。余談ですが、Yukimi Ogawaさんは日本人で日本語話者ですが、英語でしか小説を書かない(書けない!?)という不思議なひとです。

ユキミ・オガワ「町の果て」(かぐやプラネット)

他に読んで欲しいのは「SFマガジン」や「徳島文學」に掲載された小説だけど、ちょっと入手難易度が上がるので、「惑星と口笛ブックス」というレーベルから出ている電子書籍をお買い求めいただければ嬉しいです。

コロニアルタイム(惑星と口笛ブックス)

また、早川書房より出版されたSFアンソロジー『異常論文』に短編「ザムザの羽」を寄稿しています。おかげさまで2022年2月時点で4刷。これは紙の本と電子書籍の両方で読めます。

論考

ライター時代には別名義でネットで色々書き散らかしていたのですが、「大滝瓶太」名義では意外とインターネットで書いていませんでした。個人的にWEBメディアの仕事どんどんやっていきたいので、WEBメディア編集者のみなさまはぜひ気軽にお声がけを。

「WEBライティングの熱力学的な死──そのテクストの『意思』の所在」(作家の手帖 準備号)
原稿料をテーマに、文筆業界の制度を考え直し、そして企画運営・業務進捗をGitHubで公開しつつ、業務フローの雛形を作っていこうとするアヴァンギャルドな媒体。ここであげたのは「初稿」の原稿で、完成版は購入すると見れます。

振動する純文学──非平衡開放系現象としての文学(文学+ WEB版)

文芸誌中心の「純文学業界」のオルタナティブメディアとして立ち上がったメディア。文学好きは注目しておくと吉です◎

書評

2021年9月現在、小説すばるで「理系の読み方」という分離横断型のブックレビューを連載しています。しかし実は仕事としての書評は意外と少なくて、ほとんどブログで公開していました。大滝名義の書評は割とガッツリしたものがインターネットで無料で読めます。長くても掲載してもらえるのがインターネットの利点!

【書評】「24秒の文学」の外へ──WEBテクストと文芸を横断するカツセマサヒコ(幻冬舎プラス)

「役に立たない」仕事の流儀|『「役に立たない」研究の未来』書評(かしわもち 柏書房)

自己啓発本はなぜクソなのか?〜『闇の自己啓発』から「学べる」こと(現代ビジネス)

ちょっと話題になった企画

Twitterの「#RTした人の小説を読みに行く」というタグを使って、小説の批評企画を自分1人でやっています。100作品を目指していまはやっと半分ぐらい?ですが、ちょっとお休み中。数々のトラブルを経て、やっているといろんな感情が渦巻いてくるし、体力もかなり使うし、精神的にぶっ壊れそうになりますが(たまにキレる)、総じて良い経験になっています。

作品批評はすべて無料で読めます。リンク切れや雑誌作品もありますが、ほとんどの作品のURLを紹介しています。有料記事は企画を通して思ったこと、考えたことのまとめです。実はマガジン購入者ももうすぐ100名になるのですが、まさかそんなに読んでもらえるとは……と感慨深いものがあります。

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