日々のこと 24 日常の場所
引越し魔だ。
二十歳から、一人暮しを始めて何度となく引越しを繰りかえした。長くても4年、だいたいは2年ごとに引っ越すことが多かった。
同じ場所に留まって居られない。流れる川のように、常に漂っていたかった。場所に慣れてしまいたくなかった。
今の夫と暮らすようになって、初めて同じ街に長く留まるという生活をした。8年、井の頭線の少し寂れた街に住んだ。
馴染みの喫茶店や、パン屋や何故かネパール人が作るインドカレーの店や。すれ違えば挨拶をする近所の人たちまで出来て、だんだんと自分がそ