高橋ゆい

不安定な天気が続いてますが、ひと雨ごとに春の到来を感じてます。 通り過ぎただけですが、…

高橋ゆい

不安定な天気が続いてますが、ひと雨ごとに春の到来を感じてます。 通り過ぎただけですが、近所の藤棚もいい感じでした。 次の休日に見に行けるといいなと思ってます。

記事一覧

逸話

知られざるエピソードなんて ちっとも知りたくないのに 当事者だけのものだから たとえ知ったところで 唯の情報に過ぎない 知られざるエピソードとか言って ひと度でも公…

高橋ゆい
3日前
3

ジェネシス

"先ず光があった" うろ覚えだけど確か その様に書いてあった 有色人種の最高峰といえば 言わずもがなニグロなのです ニグロに生まれなかったことに 劣等感をを持っている…

高橋ゆい
2週間前
4

数奇屋造り

閉じ込めたのよ、座敷牢にさ あの子を自由にするとね とっても危険なのよ こんなに生傷が絶えないとさ そうするしかないのよね とっても悲しいけど 水さえあげなったのよ…

高橋ゆい
1か月前
6

邂逅

この雨は長くは続かない 傘がないからといって 雨宿りするよりも 濡れて歩こう 相当な深手を負ったけれど 命まで失った訳じゃない 決して消えない傷痕を 人生の伴侶としよ…

高橋ゆい
1か月前
6

したり顔

自由の喜びを味わう為の いちばん重要な条件は 不自由を知ること 相手の痛みを理解する為に いちばん必要な経験は 己が血を流すこと 欲しいものを与えられてばかり 諍い…

高橋ゆい
2か月前
12

共有財産

許したからといって 許された者の罪や責任が 消えて無くなるわけではない 許せないのは 許さなかった間の 自分自身が愛おしくて 他にどうしようもないから 償う意思があ…

高橋ゆい
2か月前
4

単純な話

また逢うなんて絶対にない 確信を持って言い放った 仮に根拠を挙げるなら まだ別れてないから 終電が過ぎなきゃ始発は来ない 雨は止まなきゃまた降らない 夜が過ぎなきゃ…

高橋ゆい
3か月前
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乖離

筋力や瞬発力が 自分自身の質量に 耐えられなくなった 減量したらしたで また別の弊害が出る アレとかコレとか云々 精神や自意識が 自分自身の人生を 疎ましく感じ始めた…

高橋ゆい
3か月前
2

一昨日

一昨日また来て あなたに逢いたい 満たされていたから 昨日もまた逢いに来て 今朝は何してる? 私に逢いたい? それともまだ 夢の中かも 一昨日は多分 あなたに逢えない …

高橋ゆい
4か月前
3

カラオケスナック

歌で稼いでるんでしょ? 私生活は関係ないでしょ? あんたの歌が好きだったのに まるで忘年会の二軒目みたいな カラオケスナックと同じなのよね ジャンキーなバンド連中を…

高橋ゆい
4か月前
7

悪夢の理由

悪夢の理由は知ってる 追手が属する組織も 逃げ道への接続も 全て把握してる ただ一つ悩みの種といえば 同じ夢には戻れないこと 覚めるまでの時間を もう少し稼げれば 救…

高橋ゆい
4か月前
8

若気けた奴

左前の花柄シャツ 紫のシースルードレス 赤いベロアのワンピース ステージに上がる時はよく そんな類のものを身に纏った 若気けた奴と呼ばれることに ある種の恍惚を覚え…

高橋ゆい
4か月前
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小さなこと

思っていても 口にしてはいけない 本当になるから 言ってしまったことは 取り返しがつかない 諦める他ない どう思われてるか 気に病んでも仕方ない 相手にしてみれば小さ…

高橋ゆい
4か月前
5

風と水

あなたは風 姿形は常に不安定 何処からともなく現れ 嵐のように荒れ狂ったり 凪のような優しさを見せたり やがて何処へともなく去って往く

1,000
高橋ゆい
5か月前
6

赤子のことを

家族のことをしようか 気を遣ったり遣われたり 世話を焼いたり焼かれたり 金の無心や身元引受け人までも 血縁であるというこの定めからは 幾ら足掻いたところで逃れられな…

高橋ゆい
6か月前
16

鬼子

捨てられてたから拾って来たのだった 吹きさらしの河川敷では辛かろうと 哀れに思ったのが事の発端だった 真桑瓜ほどの重さしかなかったけど 前歯が上下二本ずつ生えてた…

高橋ゆい
6か月前
8

逸話

知られざるエピソードなんて
ちっとも知りたくないのに
当事者だけのものだから
たとえ知ったところで
唯の情報に過ぎない

知られざるエピソードとか言って
ひと度でも公にしてしまったら
当事者の心情とか誇りとかは
あっという間に市場に流れ
値踏みされしまうのが常

お願いだから教えないで欲しい
空想や妄想の渦中にいる方が
幸せを満喫できるのだから

偽らざる姿とは言え
ひと度知ってしまうと
信者の夢

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ジェネシス

ジェネシス

"先ず光があった"
うろ覚えだけど確か
その様に書いてあった

有色人種の最高峰といえば
言わずもがなニグロなのです
ニグロに生まれなかったことに
劣等感をを持っている者の表現が
所謂"アート"と呼ばれているのです

昔はワスプに憧れたりしたけれど
若気の至りということでしょう
今ははっきりと答えられます
"ジェネシス"にたち帰れと

そして"先ず光があった"
という表現に対して
疑問を抱くことが

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数奇屋造り

数奇屋造り

閉じ込めたのよ、座敷牢にさ
あの子を自由にするとね
とっても危険なのよ

こんなに生傷が絶えないとさ
そうするしかないのよね
とっても悲しいけど

水さえあげなったのよ、座敷牢はね
近付くだけで足が竦むくからさ
可哀想だけど仕方ないのよ

こんなに整備されたのに
何処にも見当たらないのよね
あの子が自由に遊び回れる場所は

見失ったのよ、護る対象が何なのか
そもそも何かを護りたかったのか
それすら

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邂逅

邂逅

この雨は長くは続かない
傘がないからといって
雨宿りするよりも
濡れて歩こう

相当な深手を負ったけれど
命まで失った訳じゃない
決して消えない傷痕を
人生の伴侶としよう

逆境でも不運でもない
かといって運命というのも
なんとなくしっくりこないから
とりあえず邂逅とでもしておこうか

その病は直に諦めて去って行く
あなたが頑なに守り続けてる
生への執着に気付かない程
愚か者ではないのだから

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したり顔

したり顔

自由の喜びを味わう為の
いちばん重要な条件は
不自由を知ること

相手の痛みを理解する為に
いちばん必要な経験は
己が血を流すこと

欲しいものを与えられてばかり
諍いを避けてばかりいると
比べるものも何もない

社会性と個人性の本質を学ぶ為の
いちばん手っ取り早い材料は
欲望や諍いの中にあると
これほどまで明確に
示してあるのに

先人の叡智がこれほどまでに
散りばめられてるのに尚
比べるものを

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共有財産

共有財産

許したからといって
許された者の罪や責任が
消えて無くなるわけではない

許せないのは
許さなかった間の
自分自身が愛おしくて
他にどうしようもないから

償う意思があるのなら
受けるのに吝かでは無い
許すことは決めたのだから
後は然るべき者に委ねるだけ

許さなかった間の私が
誰かの目に触れることは
もう恒久的にないのだろう

何よりも大切な宝物だったけれど
然るべき者の管理下に置かれて
私の手

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単純な話

単純な話

また逢うなんて絶対にない
確信を持って言い放った
仮に根拠を挙げるなら
まだ別れてないから

終電が過ぎなきゃ始発は来ない
雨は止まなきゃまた降らない
夜が過ぎなきゃ朝は来ない
別れなきゃまた逢えない

幾ら嫌いになったところで
その科白を吐いた途端に
自らに呪縛をかけたと
いずれ知るでしょう

ちょっと冷静になってみて
単純な話だと思わない?
解らないはずがないわ
アタマいいんだから

眠りに落

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乖離

乖離

筋力や瞬発力が
自分自身の質量に
耐えられなくなった

減量したらしたで
また別の弊害が出る
アレとかコレとか云々

精神や自意識が
自分自身の人生を
疎ましく感じ始めた

乖離の存在を
認めるしかない
心とか躯とか云々

引力や重力に抗うのは
あまり合理的ではないと
思ってるくせについ
無理してしまう

乖離したらしたで
どちらに属するかは
ゆっくり考えればいい

誰も気付くことはないし
乖離が

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一昨日

一昨日

一昨日また来て
あなたに逢いたい
満たされていたから
昨日もまた逢いに来て

今朝は何してる?
私に逢いたい?
それともまだ
夢の中かも

一昨日は多分
あなたに逢えない
満たされていたから
昨日もまた逢いに来ない

明日は何してた?
私を棄てたかった?
それとも明後日にみる
夢の準備をしてたのかも

さっきまた来て
今が存在しないと
満たされはしないと
告げる為にさっき来て

あなたは多分来る

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カラオケスナック

カラオケスナック

歌で稼いでるんでしょ?
私生活は関係ないでしょ?
あんたの歌が好きだったのに
まるで忘年会の二軒目みたいな
カラオケスナックと同じなのよね

ジャンキーなバンド連中を従えてさ
宵越しの銭は持たねぇとか言って
刹那を生きてるアンタのことを
感じたくて男を振ってまで
ここに来たっていうのに
何なよこの無様な姿は

自分で自分を蔑んでまで
大衆に迎合することが
そんなに大事なの?

今より貧乏でもさ

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悪夢の理由

悪夢の理由

悪夢の理由は知ってる
追手が属する組織も
逃げ道への接続も
全て把握してる

ただ一つ悩みの種といえば
同じ夢には戻れないこと
覚めるまでの時間を
もう少し稼げれば
救いもあるけど

悲観することはない
悪夢が少し足りないだけ
そろそろ慣れてくるだろう
これだけ魘されてきたのだから

足りないのなら補えばいい
悪夢の理由は潤沢にある
悲観する暇があるなら
見つけて補えばいい
食事と同じように

若気けた奴

若気けた奴

左前の花柄シャツ
紫のシースルードレス
赤いベロアのワンピース
ステージに上がる時はよく
そんな類のものを身に纏った

若気けた奴と呼ばれることに
ある種の恍惚を覚えてしまうと
もう自分では抗いようがなかった

どんな心境で溺れたのか
どんな経緯を経て来たのか
欲望に流された半生について
束の間の仲間たちと車座になって
月曜日になると決まって語り合った

若気の至りと言えばそれまでだが
そんな簡単

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小さなこと

小さなこと

思っていても
口にしてはいけない
本当になるから

言ってしまったことは
取り返しがつかない
諦める他ない

どう思われてるか
気に病んでも仕方ない
相手にしてみれば小さなこと

小さなことを続けると
相手の心に響く
小さなことがいちばん
強い力を秘めている

小さなことばを選ぶと
相手の行いが変わる
小さなことばほど
伝わるものはない

毒があるから
口にしてはいけない
教わってるはず

言って

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赤子のことを

赤子のことを

家族のことをしようか
気を遣ったり遣われたり
世話を焼いたり焼かれたり
金の無心や身元引受け人までも
血縁であるというこの定めからは
幾ら足掻いたところで逃れられない

人間同士のことをしようか
他者の支配に悦びを覚えたり
略奪と殺戮の歴史を繰返したり
社会の形成や個人への帰属までも
哲学に誘われてしまうこの性からは
幾ら現実に塗れていても逃れられない

ならばもう止そうか
将来に希望を抱いたり

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鬼子

鬼子

捨てられてたから拾って来たのだった
吹きさらしの河川敷では辛かろうと
哀れに思ったのが事の発端だった

真桑瓜ほどの重さしかなかったけど
前歯が上下二本ずつ生えてたから
鬼子だろうと察しがついた刹那
既に情が移っていたのだった

揺すり集り盗みと極道の限りを尽くし
出奔したのは十年が過ぎた頃だった
もう手に負えぬと出刃を取り出し
お前を殺して私も死ぬと言った
翌朝には消えていたのだった

土間に出

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