伝説

彼は 伝説の魚を 釣り上げ 知らずに 刺し身で食べ それを食べたものは 世界を救う 伝説の勇者に なると言う 彼はそれを食べ 伝説の勇者に なったが そんなことには 全く気付かず 自分が 選ばれし勇者とは 知らずに ぶらぶら そのへんを 歩いていたら けつまづいたのが 伝説の洞窟の 扉のスイッチ それ…

高鳴る

心臓がトクトク鳴っている。鼓動を打つ、時を刻み生を紡ぐ。赤黒い血液が流れるそれを、今にでも素手で掴んで破裂させてやりたい。混沌とした世の中に鞭打つかのように自分をちゃんと懲らしめて何もかも毀したい。 死への恐怖。私がいなくなった後もなお進化を続けるであろう社会と人類、生まれ故郷、…

青空

青空が怖い どこまでも続いてゆく 空の青さ 壮大さ 自分がいかに矮小で 取るに足らない存在か 気付いてしまうから 指先で大気をなぞる 世界が若さに沿ってくれると信じていたの  一秒経つ毎に 砂時計を逆さにする毎に 青空は相対的に美しくなる ああ 空の青さが眩しいから 目を背けたくなる時こ…

【詩】箱庭

忘れないために生きているのかもしれない 忘れるために生かされているのかもしれない 知ることは悲しい 知ることは恐ろしい 夜と朝だけがある あとは私たちが勝手に作り出したものだ その手をかけた扉が 優しく貴方を出迎える 貴方は待っているものに出会う それ以外は必要ない だからもう 笑わなくて…

二月前の夢を見た 懐かしい微笑み 広がる世界 期待と希望の夢心地 一月前の夢を見た 壊してく愚かさ 崩れる世界 自戒と絶望の恐怖心 あの世界は幻 この世界も幻 自分自身も幻 価値や意味などそこには無い

2021/06/14 即興詩

そうやって知らない間に 何かが咲き 何かが枯れ 土に還り 新しい命が生まれる それを愛おしいものと知るのは もう少し後のこと 何十年も 何百年も 何千年も 同じように 繰り返し 繰り返し そこにあったものは いつしか 何者かの手によって 住むところを変えられた 違う環境に適応できず 同じように生…

タコ

執念と狂気の権化 力づくのエネルギーに 絡みついてスミを吐く 全てを支配するような力に 絡みついてスミを吐く 武器は一つと悟っていても 絡みついてスミを吐く それしか生きる道がないから 絡みついてスミを吐く

あしあと

仏様の気持ちで 街を歩けば 輝いていく 街にいる自分 してもいいし しなくてもいい してみたら いいことが いっぱいあるよ ズルとごまかし 混ぜながら 心のなかに ずけずけと 土足のあしあと ※注釈 土足…なみだ

アマゾン川の静脈に思う

手の血管が浮いてアマゾン川を思った 見たことはない川だけれどきっとこんな感じ だってわかる 肺の血管なんて見たことなかったけれど 展示されている肺の血管は木の枝と同じだと思った わたしたちも木も川もみんな同じなのよ この木と同じ時を過ごす 似ているに決まっている 同じシステムでプログラ…

涼風の庭

真昼のいきものたちが眠りについたらかくれんぼをしよう きみが鬼なら隠れているのもこわくないよ ピアノの下から扉の影に移りながら見えたきみの姿 白いパジャマの上からもわかるきみの腰のシルエット きみがいつかぼくを探し出す未来を夢に見る 星たちのまたたきみたいに胸が躍る ぼくの肩に触れ…