高橋ゆい

不安定な天気が続いてますが、ひと雨ごとに春の到来を感じてます。 通り過ぎただけですが、…

高橋ゆい

不安定な天気が続いてますが、ひと雨ごとに春の到来を感じてます。 通り過ぎただけですが、近所の藤棚もいい感じでした。 次の休日に見に行けるといいなと思ってます。

最近の記事

ジェネシス

"先ず光があった" うろ覚えだけど確か その様に書いてあった 有色人種の最高峰といえば 言わずもがなニグロなのです ニグロに生まれなかったことに 劣等感をを持っている者の表現が 所謂"アート"と呼ばれているのです 昔はワスプに憧れたりしたけれど 若気の至りということでしょう 今ははっきりと答えられます "ジェネシス"にたち帰れと そして"先ず光があった" という表現に対して 疑問を抱くことが 出発点なのだと 解ったのです

    • 数奇屋造り

      閉じ込めたのよ、座敷牢にさ あの子を自由にするとね とっても危険なのよ こんなに生傷が絶えないとさ そうするしかないのよね とっても悲しいけど 水さえあげなったのよ、座敷牢はね 近付くだけで足が竦むくからさ 可哀想だけど仕方ないのよ こんなに整備されたのに 何処にも見当たらないのよね あの子が自由に遊び回れる場所は 見失ったのよ、護る対象が何なのか そもそも何かを護りたかったのか それすら分からなくなったのよ 情に絆された挙句自らに枷をかけたのよ かつて妓楼だったこ

      • 邂逅

        この雨は長くは続かない 傘がないからといって 雨宿りするよりも 濡れて歩こう 相当な深手を負ったけれど 命まで失った訳じゃない 決して消えない傷痕を 人生の伴侶としよう 逆境でも不運でもない かといって運命というのも なんとなくしっくりこないから とりあえず邂逅とでもしておこうか その病は直に諦めて去って行く あなたが頑なに守り続けてる 生への執着に気付かない程 愚か者ではないのだから 運命なんか多分ないのだろう 邂逅があるだけなのだろう そう考えるとこの雨すら 愛お

        • したり顔

          自由の喜びを味わう為の いちばん重要な条件は 不自由を知ること 相手の痛みを理解する為に いちばん必要な経験は 己が血を流すこと 欲しいものを与えられてばかり 諍いを避けてばかりいると 比べるものも何もない 社会性と個人性の本質を学ぶ為の いちばん手っ取り早い材料は 欲望や諍いの中にあると これほどまで明確に 示してあるのに 先人の叡智がこれほどまでに 散りばめられてるのに尚 比べるものを拒んで したり顔でいる 鏡の中でまたぞろ したり顔でいる

          共有財産

          許したからといって 許された者の罪や責任が 消えて無くなるわけではない 許せないのは 許さなかった間の 自分自身が愛おしくて 他にどうしようもないから 償う意思があるのなら 受けるのに吝かでは無い 許すことは決めたのだから 後は然るべき者に委ねるだけ 許さなかった間の私が 誰かの目に触れることは もう恒久的にないのだろう 何よりも大切な宝物だったけれど 然るべき者の管理下に置かれて 私の手には及ぶことのない 人類の共有財産となった

          単純な話

          また逢うなんて絶対にない 確信を持って言い放った 仮に根拠を挙げるなら まだ別れてないから 終電が過ぎなきゃ始発は来ない 雨は止まなきゃまた降らない 夜が過ぎなきゃ朝は来ない 別れなきゃまた逢えない 幾ら嫌いになったところで その科白を吐いた途端に 自らに呪縛をかけたと いずれ知るでしょう ちょっと冷静になってみて 単純な話だと思わない? 解らないはずがないわ アタマいいんだから 眠りに落ちなきゃ目覚めはない 本は閉じなきゃまた読めない 冬が過ぎなきゃ春は来ない 別れ

          乖離

          筋力や瞬発力が 自分自身の質量に 耐えられなくなった 減量したらしたで また別の弊害が出る アレとかコレとか云々 精神や自意識が 自分自身の人生を 疎ましく感じ始めた 乖離の存在を 認めるしかない 心とか躯とか云々 引力や重力に抗うのは あまり合理的ではないと 思ってるくせについ 無理してしまう 乖離したらしたで どちらに属するかは ゆっくり考えればいい 誰も気付くことはないし 乖離が何なのかすらも 知らないのだろうし 彼らにはないだけ 乖離がないだけ

          一昨日

          一昨日また来て あなたに逢いたい 満たされていたから 昨日もまた逢いに来て 今朝は何してる? 私に逢いたい? それともまだ 夢の中かも 一昨日は多分 あなたに逢えない 満たされていたから 昨日もまた逢いに来ない 明日は何してた? 私を棄てたかった? それとも明後日にみる 夢の準備をしてたのかも さっきまた来て 今が存在しないと 満たされはしないと 告げる為にさっき来て あなたは多分来る 私を棄てる為に 一昨日来る

          カラオケスナック

          歌で稼いでるんでしょ? 私生活は関係ないでしょ? あんたの歌が好きだったのに まるで忘年会の二軒目みたいな カラオケスナックと同じなのよね ジャンキーなバンド連中を従えてさ 宵越しの銭は持たねぇとか言って 刹那を生きてるアンタのことを 感じたくて男を振ってまで ここに来たっていうのに 何なよこの無様な姿は 自分で自分を蔑んでまで 大衆に迎合することが そんなに大事なの? 今より貧乏でもさ 歌だけで稼いでた頃の アンタの方がまだマシよ 早く目を覚ましなさいって ここはカ

          カラオケスナック

          悪夢の理由

          悪夢の理由は知ってる 追手が属する組織も 逃げ道への接続も 全て把握してる ただ一つ悩みの種といえば 同じ夢には戻れないこと 覚めるまでの時間を もう少し稼げれば 救いもあるけど 悲観することはない 悪夢が少し足りないだけ そろそろ慣れてくるだろう これだけ魘されてきたのだから 足りないのなら補えばいい 悪夢の理由は潤沢にある 悲観する暇があるなら 見つけて補えばいい 食事と同じように

          悪夢の理由

          若気けた奴

          左前の花柄シャツ 紫のシースルードレス 赤いベロアのワンピース ステージに上がる時はよく そんな類のものを身に纏った 若気けた奴と呼ばれることに ある種の恍惚を覚えてしまうと もう自分では抗いようがなかった どんな心境で溺れたのか どんな経緯を経て来たのか 欲望に流された半生について 束の間の仲間たちと車座になって 月曜日になると決まって語り合った 若気の至りと言えばそれまでだが そんな簡単な言い回しで済むような 生易しいこととはかけ離れた話だった 刷り込まれた快楽の

          若気けた奴

          小さなこと

          思っていても 口にしてはいけない 本当になるから 言ってしまったことは 取り返しがつかない 諦める他ない どう思われてるか 気に病んでも仕方ない 相手にしてみれば小さなこと 小さなことを続けると 相手の心に響く 小さなことがいちばん 強い力を秘めている 小さなことばを選ぶと 相手の行いが変わる 小さなことばほど 伝わるものはない 毒があるから 口にしてはいけない 教わってるはず 言っていいことと いけないことは 教わってるはず

          小さなこと

          風と水

          あなたは風 姿形は常に不安定 何処からともなく現れ 嵐のように荒れ狂ったり 凪のような優しさを見せたり やがて何処へともなく去って往く

          有料
          1,000

          赤子のことを

          家族のことをしようか 気を遣ったり遣われたり 世話を焼いたり焼かれたり 金の無心や身元引受け人までも 血縁であるというこの定めからは 幾ら足掻いたところで逃れられない 人間同士のことをしようか 他者の支配に悦びを覚えたり 略奪と殺戮の歴史を繰返したり 社会の形成や個人への帰属までも 哲学に誘われてしまうこの性からは 幾ら現実に塗れていても逃れられない ならばもう止そうか 将来に希望を抱いたり 相手に期待することなど 生まれたての赤子のように 泣いて笑って全身で訴えようか

          赤子のことを

          鬼子

          捨てられてたから拾って来たのだった 吹きさらしの河川敷では辛かろうと 哀れに思ったのが事の発端だった 真桑瓜ほどの重さしかなかったけど 前歯が上下二本ずつ生えてたから 鬼子だろうと察しがついた刹那 既に情が移っていたのだった 揺すり集り盗みと極道の限りを尽くし 出奔したのは十年が過ぎた頃だった もう手に負えぬと出刃を取り出し お前を殺して私も死ぬと言った 翌朝には消えていたのだった 土間に出刃で刻まれた四文字は ”かかさま”と辛うじて読めた 哀れに思ったのが罪だった 人

          日常

          お昼に駅の改札で逢いましょう お互いの名まえを確認したら 街の方へ少し歩きましょう 適当な喫茶店を見つけて 奥の席に座りましょう ブレンドをふたつ頼みましょう お互いの全体像を確認したら 相手を立てて話しましょう 適当な頃合いを見つけて 次の店へ移りましょう 自然に振る舞うことができたら いい関係性が築けるでしょう 前の晩から気に病むような 一大事でもないのだから 何でもない日常の中に 驚くような出逢いや発見が こんなにも散りばめられている 能動的に探すかどうかは人それ