手放して。

手放して。

秘密を作るくらいなら私を手放して。 心が痛いから。 私は束縛も何もしないけれど、心の中ではガチガチに縛っている。 独占欲も強い。君を他人の視界にすら入れたく無いくらいには。 君の世界を狭めてしまうくらいには、私の心は狭く小さいのだ。 だから私を手放して。 君を傷付けたくは無いから。 君の幸せを願うから。 私は良い女じゃ無い。 ただ黙って居るだけで。 心の中は真っ黒でドロドロだ。 表には出さないだけで、いつも君を独占して居たい。 私は汚い人間だよ。 私は醜い人間だよ。 今日も手

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2021/09/21 即興詩「come on, come over」

2021/09/21 即興詩「come on, come over」

きっかけは 向こうからはやってこない 常にわたしが 仕掛けるもの とはいえ 頭でっかちに 意図的に 起こるものでもない 状態の話をしている 私が今 何を感じていて 何を望んでいて 何を志すのか 1秒ごとに 極々僅かに 変化していくそれを 適切なタイミングで察知していく 疲れたら 眠れよ 疲れるまで 動けよ 動かされるのではなく 動いている自覚を持てよ 動いて 感じて 動いて 感じて それが日に日に敏感になっていくのを しかと心で受け止めよ そうしてやっと きっかけ

詩◆秋桜        +小説進捗状況

詩◆秋桜 +小説進捗状況

秋桜 指の先と先とが 触れただけで 私の心は 夕焼け色になった そんな事は お構いなしに あなたは 無邪気に 微笑む 少しだけ冷たい風が吹いて、でも 少しだけ傾いた 陽は暖かかくて 明日からまた、別々の場所へと行く あなたと 私を 優しく包んだ いたずらに触れあった 指と指 その ぬくもりが 温かくて ふわふわ ふわふわ…… まるで 熱にでも 冒されたみたいに いたずらに触れあった 指と指 その ぬくもりが 風に拐われない様に 手のひらで 隠したの 楽しい時間は すぐ

『詩』284○ 審美眼

『詩』284○ 審美眼

「審美眼」 この中の美しさを計った きっと人間でなくとも それを選んだだろう 交わす言葉が充実して 的外れな回答も 乳房で受け止める感覚 流れるような手捌きで そつなくこなす上に 他人に染まらぬ薄い油を 持ち合わせるあなたは その姿こそ抜かりない 上辺はこのくらいにして 私の審美眼は節穴だったか それとも ////////// 黄赤青(きせきせい)

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さよなら。

さよなら。

胸に小さな虚ろを抱いて 「さよなら」がやってきた。 引き摺った長い裾で またね、や いつかね、を払い退けて。 そして誰かの悲しみや 離れ離れになる手や 流した涙すら、 戸惑う事無く連れてゆく。 それが、「さよなら」。

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『『深い森の入口にあるコテージで』の続きC』

『『深い森の入口にあるコテージで』の続きC』

(まえがき) こないだ書いた記事のオチ候補4つのうち、3つ目を本日お出しします。 --- 「差し支えなければ、どのような?」 「あ、仕事は都会でね。アパートが樹海の中にあって。独り身だからココで飯食うんすよ」 にわかには理解しがたかった 「ど、どういうことでしょう…?」 「きょう時間あるなら、見ます?」 時間ならいくらでもある 売ってやってもいいくらいだ もっともカネにも困ってはいないが… 興味を持った私は この男の誘いに乗ることにした 「お邪魔でな

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エッセイ 「All that you can't leave behind」
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エッセイ 「All that you can't leave behind」

〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜 コロナ禍も一年半が過ぎ、未だに 収束しない状況が続いております。 先日、姉達が実家の断捨離をした際 祖父の軍隊手帖を発見してくれました。 古びた手帖と引揚証明書には「昭和二十五年、シベリアから帰還の際、船中でマラリアに羅患」と記載してありました。 戦争が終わって、なお5年もの間、 帰って来れなかった祖父 身を案じて待つ祖母 どんな心境だったのか想像に難くない。 当時のご先祖達は時の運命に翻弄され

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脳内スクランブル交差点。

脳内スクランブル交差点。

手首から鉄の匂い。 脳内スクランブル交差点。 行き交う人々のカラフルな傘。 そう。心は雨。 幼い頃、雨がキャンディだったらいいのに。なんて言ったけれど、あの高さからキャンディが降ったら痛いじゃ済まないよな、なんて考えるくらい大人になったモノの、未だキャンディの雨を欲してる。 うさ耳セーラー服を着て、可愛いパンツやスカートを履いて。 ピアスをバチバチに開けて痛い37歳を謳歌して居る。 ピアスは顔面10個とフィンガー3個を外して、見た目はかなり落ち着いた。 髪色もピンクや青や紫や

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耳目鼻

耳目鼻

「この砂浜でいちばん綺麗な貝殻見つけるまで帰らないから」 湿った砂粒がサンダルの裏に張り付いてシャリシャリと鳴く、しゃり  しゃり  しゃり 「聞いてんの?あんたも手伝ってよ」 しゃり しゃり 俺は煙草のまだ赤い部分をサンダルのへりで潰して、はい、これがこの砂浜でいちばん綺麗ですよ、と彼女へ差し出した 彼女は俺の顔を見ずに、俺の手の中を睨みつけた もうだめだよ、こんな暗いのに貝殻なんて見つかるわけないよ 「貝殻拾ってよ、貝の、死んだやつ。ねえ貝って生まれた揺りかごから死んだ

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秋蒔きの風船葛

秋蒔きの風船葛

幼稚園の玄関に植えられている風船葛 ふっくらした実の中に佇む種は 黒地にベージュのハート柄 みんなで種取りをしたけれど 来年も園で植えるので 自分がもらうことは出来なかった そう話していた年中の息子 だったら自分で買いたいと 種をおねだりする えっ でも 今の季節に 種を取ったばかりなんだよね スマホで調べると やはり春蒔きの植物 春に種を蒔く植物だから 今の季節は売ってないかもしれないなー そんな引き留めには耳を貸さず 息子は欲しい欲しいの一点張り ま、これ

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