国道2号線 《詩》
「国道2号線」
正気を失った人間の抱く妄想は
現実世界の
何処にも存在しないほど美しい
国道2号線の渋滞は続いている
出口の無い独り言と
赤く光るテールランプ
背負ってしまった孤独と
影を連れた夜
透き通ったガラスの様な三日月と
その直ぐ傍でやたらと輝いてる星を見た
お前が居るから純粋でいれた
お前の光が俺に力をくれる
俺は三日月で お前は
あの星 いつか見た夜空の残像
また誰かのせいにして
誰かを憎しんで
俺の言葉は全部 嘘 それでいいよ
お前の言葉も嘘でいいんだろう
ため息が月に届く時
本当は愛していたと小さく囁く
星の輝きが静かに消えて行き
三日月は独り空に取り残されて
純粋を失い汚れて行く
俺の気力を無慈悲にもぎ取って行く
様にクラクションが鳴る
うるせーんだよ 黙ってろ
俺は声に出して叫んでいた
道路脇の自販機の明かり
映し出す女の影
綺麗だった
あの女に似ていた ただの妄想だ
国道2号線の渋滞は続いている
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