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詩人と言う名の病 《詩》

「詩人と言う名の病」

肉と血は避け難く滅びて行く

だらしなく落ちる涙 
誰を憎めばいい

誰かの言いなりになって
僕等は汚れて行った

出来るもんなら殺ってみなよ 

君の其の手で

何処からか甘い蜜の匂いがした

臆病な僕は何度も何度も
君を抱き締めて確かめ合う

醜く枯れた向日葵を
引きちぎる様に夏は逝く

つき続ける嘘の先に 

あてもない夢が横たわり

もうひとつの顔で沈めた太陽

始まりも終わりも無い詩を

月の無い夜に書き始めた

心の色を文字に残し
窒息して行く僕等が其処に居る


汚れている魂だけを取り除く為に
用意したナイフ

そいつで時間を風に変えてくれ

其れが出来無いのなら

一度でいいから 愛してると囁いて


いくら望んでも上手く生きる事の
出来ない僕と

死にたくても死にきれない君と

僕等は同じ空を見ていた

孤独が集まって来る音が聴こえる

いつか聴いた鈴の音に似ていた
詩人と言う名の病


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