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夏のうた|詩

「夏のうた」

蝉の声を貼りつけた空が
寂しいさみしいと鳴いていた

誰よりも激しい太陽は
薄化粧の山で君をさがしている

吐きそうなほどの我が儘と
狂いそうなほどの愛おしさが
泳ぎを忘れた人魚みたいに
白の砂浜にうちあげられていた

聴こえない、
いちばん逢いたいひとに
この夏を届けたいと海鳥はうたう

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