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Ka'pilina|詩

「Ka'pilina」 蹴破られた扉の向こう側 弱さの中にある強さの意味を知る 甘くて苦いひかり白く激しく メザメルト消えていく黒の記憶たち 愛してると触れる指先 永遠を意味する マウロアのくちづけ心地よく

    • 深森のなみだ|詩

      「深森のなみだ」 吐ききった呼吸の彩に 緩やかにあつまる影あそび 瞳を閉じたあわい魂の その指先が セルロースの傷痕をそっと舐める ちりちりと音をたてている 其は、 旅の終わりを知らない約束の端っこ 焦らなくていい ひとり何処へも逝かぬ昊 その痛みすらも愛おしくなるほどに

      • 三角屋根で待っている|詩

        「三角屋根で待っている」 母なる海から産まれた月は 父なる山へと還っていくんだよ オレンジ色の三角屋根は 淋しそうに空を見上げている ちらちら瞬く金平糖に手をのばし 弾いて繋いで君をつくった 君のはなしを聴かせてよ どんな唄でもかまわないから 例えば君が僕のことを 忘れてしまったという音だとしても

        • 眠れよい子よ|詩

          「眠れよい子よ」 ともに眠る小さな部屋に 時おり聴こえる月夜の子守唄 すすり泣く鳩尾の その赦されるときを待つように 僕が殺した そう、あの日 ほんの少ない時の流れに 確かに僕はボクを殺していた

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        Ka'pilina|詩

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          根なし草の幽鬱|詩

          「根なし草の幽鬱」 弧をかく落ち葉の憂鬱しらず 水面じゃアメンボが影踏み遊ぶ 根なし草の想い出いくつ 指折りかぞえて言葉があまる 明日は 天気になるのだろうか…… 遠くに映る名もなき丘には 名もなき風が吹いていた

          根なし草の幽鬱|詩

          君は知っていた|詩

          「君は知っていた」 小さな笑い声と涙たちが 長い時をかけひとつの物語になる あの日、君と出会った姿で 僕はひとりこの街へと帰ってきた 朽ち果てた換気扇の下 脳裏に転がる路地裏の風 ピン刺したポイントを指でなぞると 妙に全てのことが腑に落ちた 君が託した願いの意味と 僕を待たずしてこの街を去った理由 あの頃と同じ空に手をのばす 独り、此処から……

          君は知っていた|詩

          ひよこがね|詩

          「ひよこがね」 律儀に並んだあいうえお だ、だ、誰ぁれがめっかった 真夏へ旅立つ支度の最中に やけに眩しいモノクロの空のした 拘りのナンバーに文字が舞う 旅先で買った絵ハガキに か細く書かれたサヨウナラ 何もかもが上手くいく そう、 全ては決まっていたのだから 真夏へ旅立つ支度の最中に ありがとう、飛行機雲が堕ちた

          ひよこがね|詩

          始まりの雨|詩

          「始まりの雨」 ふくよかに芽吹いた君が 堪えきれず溢れさせた雨の理由 見抜けなかった理不尽と なにも出来ずの自分が悔しいと すがり辿々しく語る小さな肩 それでも守りたいものがあるのだと 細い腕は力強く震えていた 君ならきっと大丈夫 僕ならずっと傍にいるから 陽だまりを抱きしめて ただ愛していると伝えて欲しい

          始まりの雨|詩

          君に花束を|詩

          「君に花束を」 嘘が嫌いだと言った君は 誰よりも嘘つきな僕に恋をした そして、 僕を嫌いだと叫ぶ君は 何よりも僕を必要としている 嘘つきな君に 僕は、薔薇の花束を贈ろう

          君に花束を|詩