龍の子太郎

龍の子太郎

松谷みよ子 1960 山間の貧しい村にお婆さんと太郎と呼ばれる子供が住んでいました。 山の動物や笛吹きの上手な女の子あやと遊ぶ怠け者でしたが、 ある日寝込んだお婆さんは太郎に母親の話をします。 木こりだった父親は太郎の生まれる前に死んだこと、 母親のたつは村の当番で山に行ったまま龍になり産んだ子が太郎であること。 強く賢い子になって会いに来て欲しいと言い残して、 北の湖に去っていったこと。 ある日、あやが鬼にさらわれ太郎は助けに向かいます。 同時にこれが母親探しの旅となり

スキ
7
サルの魂

サルの魂

以前、とある事情で一年限りで就いた仕事の最中に聞いた話を書いてみる。元が会話の中での話だっただけに、そのまま記すと読みづらいので、大元の話の内容は変えずに、表現方法だけ当方なりの工夫を盛って記す。 とある老婆の話。 「いくらサルが悪さする言うても、それで無慈悲に撃ち殺して構わんということにはならんもんじゃ。サルの悪さと言うても、それは人間から見た話で、サルにはサルの事情もある。人間からしたら、こんなひどいことと見えても、サルにしたら人間の事情なんか知らん。サルはサルの考えで

[カレリア民話] 雄牛のお話(HÄRÄN STARINA)

[カレリア民話] 雄牛のお話(HÄRÄN STARINA)

雄牛のお話 昔、おじいさんとおばあさんがいました。彼はとても大きくて立派な雄牛を飼っていました。その雄牛はとても荒くれものに育ちました。おばあさんは、おじいさんに言いました。 -こんなに荒くれものになってしまったなら、もうこの牛を殺しておしまい。 おじさんはナイフを手に牛舎へ行き、そのナイフを研ぎ始めました。雄牛は尋ねました。 -おじいさん、どうしてナイフを研いでいるんだい? -いやね、ばあさんがお前を殺せと言いつけるんでね。だからナイフを研いでいるんだよ。 牛は言いました。

スキ
1
Design&Art|フィンランドのアートと人を巡る旅 〈06.カレワラの美術と精神性〉
+14

Design&Art|フィンランドのアートと人を巡る旅 〈06.カレワラの美術と精神性〉

アアルト大学院でアート教育やアート思考を学ぶまりこさんが、フィンランドのおすすめスポットやイベント、現地に暮らす人々の声をお届けします。 民族叙事詩「カレワラ」はフィンランド人にとって、精神のよりどころであると聞きます。どんな精神性が描かれているのだろう?と思った私は先日、カレワラの物語に影響を受けたというシベリウスの音楽を聴きながら、タイムトリップした気持ちでカレワラの本を読んでみました。そんなカレワラの世界を今回はお届けしたいと思います。 カレワラとは カレワラ(K

スキ
51
替馬壇の地に行ってみた【プチ・フィールドワーク①】
+5

替馬壇の地に行ってみた【プチ・フィールドワーク①】

かえまだん、俗称ではキャマダと読む。 平安時代後期の東北地方で、源頼義・義家親子が、東北の豪族、安倍頼時・貞任(さだとう)・宗任(むねとう)親子を鎮圧する戦がありました。(前九年の役) 源義家(通称・八幡太郎義家)が安倍貞任を追って見分森の近くを通った時、愛馬の香月が倒れてしまいました。 その地に丁重に香月を葬り、新しい馬に替えました。 後にそこは壇山と呼ばれ、牛馬の埋葬地となりました。 そうして替馬壇(換馬壇)と呼ばれるようになったそうです。 替馬壇についての民

スキ
2
[カレリア民話] 大食いチュリのお話(ČULISTARINA)

[カレリア民話] 大食いチュリのお話(ČULISTARINA)

大食いチュリのお話 あるところにチュリがいました。チュリはある家に行きました。家ではおかみさんが糸車で糸を紡いでいました。チュリが言いました。 -おかみさんに、お話をしても良いかい? おかみさんは言いました。 -どうぞ、チュリの旦那さん。 チュリは話はじめました。 -むかしオイラは納屋にいて、桶からバターを食べたけど、まだまだ食うよ、糸車ごとあんたもね。 そうして、おかみさんと糸車も食べてしまいました。 チュリは家から出て、道沿いを進みました。男の人が馬で薪を運んでいました

スキ
1
【民俗ストーリー】女鹿岩と男鹿岩伝説

【民俗ストーリー】女鹿岩と男鹿岩伝説

7月7日・・世間では七夕という日に、私は登山の格好をして、とある山を登ろうとしていた。 登山は、本当に初めての初心者の初心者。 今日の目的地は、ネットで調べた低山で、「ハイキングコース」とも書いてあった。 山の名前は、雷電山。 そして、目指すは女鹿岩(めがいわ)。 初めての登山だけど、何かゴールみたいな目的地があった方がいいかなと思って・・。 特に岩好きって訳じゃないけど、名前がカワイイなぁっていう軽い気持ちでそこを選んだ。 隣の弓立山には、男鹿岩ってものあるん

スキ
3
[カレリア民話] リスとミトンと針のお話(ORAVA, KINNAŠ TA NIEKLA)

[カレリア民話] リスとミトンと針のお話(ORAVA, KINNAŠ TA NIEKLA)

リスとミトンと針のお話 昔、リスとミトンと針の3兄弟がいました。彼らは森に出かけました。3本の分かれ道にあたると、いちばん年上のリスが言いました。 -それぞれ別々の道を進んで、何か見つけものをした者が大きな声で呼ぶことにしよう。 針は途中で切り株を見つけると、大きな声で呼びました。  - はやく はやく ミトン兄さん   リス兄さんも ほら急いで!   チビッ子針が 見つけたよ   とっても良いもの 探しあてたんだ! ミトンとリスが走ってきました。 - ぼく、こんな切り株

スキ
1
[カレリア民話] ものぐさ娘(LAISKA TYTÄR)

[カレリア民話] ものぐさ娘(LAISKA TYTÄR)

ものぐさ娘昔、おじいさんとおばあさんがいました。彼らには一人娘がいました。おじいさんが亡くなりました。娘はとても綺麗でしたが、どこへも仕事に出せないくらい、ものぐさでした。おばあさんは、彼女を養うために物乞いをしなければなりませんでした。ある日おばあさんが物乞いから帰ってくると、娘が何もかも嫌がり、水さえも運びたがらずただ暖炉の上で寝ていたので、おばあさんは怒声を上げました。 旅の途中の皇子が森から出たところ、ある家からわめき声が聞こえました。彼は何が起こっているのかを見に

スキ
2