弟切千隼
弟切千隼が読んだ本のレビューを集めてあります。ジャンルはばらばらですが、動植物関係と、神話・民話・伝説関係が多いです。
動物に関する本のレビューを集めてあります。哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類という脊椎動物から、昆虫を含む節足動物、貝類などの軟体動物、ミミズなどの環形動物といった無脊椎動物まで、取り上げています。
妖怪、妖精、神、悪魔、精霊、幻獣など、超常的な存在に関する本のレビューを集めてあります。
ヨーロッパの自然や文化に関する本のレビュー集です。すべて、私、弟切千隼が読んで書いたものです。
神話、民話、伝説など、古来の口承文芸に関する本のレビューをまとめてあります。日本に限らず、世界各国のものです。
イモムシハンドブック 昆虫好きとしては、こんな図鑑が欲しかった!です。 むしろ、「なぜ、今までなかったのだろう?」と思います。 文句なしに、評価は、五つ星ですね。 徹底して、イモムシ(芋虫)・ケムシ(毛虫)ばかりを載せています。 要するに、チョウ(蝶)やガ(蛾)の幼虫ばかりが、載っています。しかも、鮮明なカラー写真付きで。 この徹底ぶりに、とても好感が持てます(^^) 写真で見比べることができるので、昆虫に詳しくない方でも、イモムシ・ケムシの種を調べ
ギリシャ神話集 ギリシャ神話を紹介した本は、たくさんありますね。 本書は、そのうちの一冊です。 初心者向けではありません。記述が、淡々とし過ぎているからです。 初心者には、もう少し情緒的なほうが、読みやすく、頭に入りやすいでしょう。 初心者から、中級者以上になりたい方には、本書は、いいと思います(^^) 何よりも、たくさんの神話が、載っているからです。記述は、簡潔で、要を得ています。ギリシャ神話の基礎知識がある方ならば、効率よく、多くの神話を知るこ
ケルトの神話 (丸善ブックス) ケルト民族の神話や伝説を、紹介した本です。 二〇一四年現在では、類書は、数多く出ていますね。 けれども、本書が出た一九九七年には、まだ、それほど、ケルトの神話は、日本に紹介されていませんでした。 本書は、ケルト神話を総合的に紹介する、日本語の資料として、貴重でした。 本書を読み通せば、ケルト神話について、基礎的な知識は、身につきます(^^) ただし、ケルト神話については、日本語に訳すにあたって、重大な問題があります
宙【そら】ノ名前 夜空に輝く月や星を、美しい写真と共に、紹介した本です。 「星の名前って、こんなにたくさんあったんだ」と、まず、驚きます。 それと共に、名前の美しさに、惚れ惚れします。 天文学が好きな方には、必読の本ですね。 特に好きではない方でも、ページをめくれば、夜空の見事さに引き込まれるでしょう。 読んでいるうちに、本物の夜空を眺めたくなります。星がきれいに見える田舎で、星空を眺めたいですね。 日本には、天体系の伝承が少ないといわれます
ムーミン童話の仲間事典 世界中で人気のある童話『ムーミン』シリーズの事典です。 事典といっても、分厚くありません。難しくもありません。気軽に、さらっと読めます。 小学校の高学年以上の方なら読める程度の、やさしい文章で書かれています。 『ムーミン』の世界へのガイドブックとして、よくできています(^^) 『ムーミン』をよく御存知の方でも、本書を読めば、新しい発見があるでしょう。 よく知らない方なら、『ムーミン』世界へ足を踏み入れるにあたり、心強い案内と
空の名前 空【そら】の写真集です。 本書を見るまで、「空が、こんなに多彩だった」ことを、忘れていました。 写真が美しいだけでなく、本書の言葉も美しいです。「空に関する日本語って、こんなにたくさんあったんだ」と、気づかされます。 評価は、文句なしに五つ星ですね。これ以外の評価は、考えられません。 二〇一四年現在、本書は、古本でしか入手できません。 角川書店から、同名で同内容の本が出ていますので、そちらを入手されると良いです(^^) 空に関する
夜空と月の物語 世界中の、さまざまな「月の光景」を写した、写真集です。 写真と共に、世界各地の、月にまつわる神話や伝説が、紹介されています。 とにかく、写真が美しいです。ぼーっと眺めているだけで、癒されます(^^) 月にまつわる神話や伝説は、短く、やさしい言葉で書かれています。おかげで、読んでも疲れません。仕事で大量の文章を読んだ後でも、こういう文章なら、読んでほっとできます(^^) ところどころに、月にまつわる豆知識を書いたコラムがあります。 ち
密教の神々―その文化史的考察 仏教の中の密教に登場する神々について、解説した本です。 一九七九年に出た本ですが、内容は、古びていません。 本書と、まったく同じ内容の本が、平凡社ライブラリーの文庫本に入っています。 二〇一四年現在では、そちらのほうが、入手しやすいでしょう。 密教には、おおぜいの神々が登場します。おおぜいい過ぎて、普通の人には、何が何だか、わからなくなりがちです(^^; 本書では、それらの神々のうち、月天【がってん】、観音、聖天【しょ
シベリア民話集 シベリアに住む、多くの民族の民話を集めた本です。 全部で、十一の民族の民話が、紹介されています。 一つ一つの話は短くて、すぐに読めます。 話の筋は、単純なものがほとんどです。おそらく、簡素な狩猟採集生活を送る人々が、多いからでしょう。絢爛【けんらん】たる宮廷話や、技巧的に洗練された話を望んではいけません。 中には、現代日本人の私たちには、理解に苦しむ話もあります。「話のオチがない」、「展開が唐突」、「人物の行動が理不尽」といった点が見ら
パンダの親指〈下〉―進化論再考 著名な進化生物学者、スティーヴン・ジェイ・グールド氏の科学エッセイ、第二弾です。 第一弾の『ダーウィン以来』に続き、進化論について、解説されています。 本書は、上下二巻の下巻です。上巻から、先にお読み下さい。 本書は、最初は、とっつきにくいかも知れません。 しかし、上巻を読んで、下巻、本書に行き着く頃には、勢いがついて、読みやすくなっているでしょう。 上巻と同じように、下巻の本書も、広い話題が取り上げられています。ど
パンダの親指〈上〉―進化論再考 著名な進化生物学者、スティーヴン・ジェイ・グールド氏の科学エッセイ、第二弾です。 第一弾の『ダーウィン以来』に続き、進化論について、解説されています。 本書は、上下二巻の上巻です。 『ダーウィン以来』を読んでから、本書を読んだほうが、わかりやすいことは、無論です。 とはいえ、高校卒業程度の生物学の知識があれば、『ダーウィン以来』を読んでいなくても、本書の内容には、ついて行けるでしょう。 『ダーウィン以来』もそうですが、
イタリア・奇蹟と神秘の旅 著名な作家の坂東眞砂子さんが、イタリアについて、書いた本です。イタリア各地を、実際に旅して、書かれた紀行です。 さすがに、文章は、こなれていて、読みやすいです。さほど厚い本ではないこともあって、すんなりと読めてしまいます。 『奇蹟と神秘の旅』という題名のとおり、不思議なことが起こったと言い伝えられる地方を、巡っています。伝承のある場所を訪れたり、ゆかりの行事を見学したり、地元の方に話を聴いたりしています。 読んでみると、やはり、
妖精事典 『妖精事典』という題名の書籍は、いくつも出ていますが。 本書こそは、その決定版と言うべきものです(^^) 五つ星以外の評価は、考えられません。 イギリスの妖精について、日本語で読める事典としては、本書が、最も詳しいと思います。本書に匹敵するのは、本書の訳者でもある井村君江さんの著作『妖精学大全』だけでしょう。 ここで言う「イギリス」とは、もちろん、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北部アイルランド、マン島などを含みます。それぞれの地方の伝
自然の神々―その織りなす時空 世界各国の、さまざまな神々を紹介した本です。 国や地域ごとではなく、機能ごとに紹介しているのが、特色です。天の神、海の神、鳥の神、山の神、石の神、といった具合です。 題名にあるとおり、自然の中にある物や、自然現象の神ばかりが載っています。 地域的には、非常に広い範囲の神々を取り上げています。 日本、朝鮮半島、中国、モンゴル、インド、メソポタミア、ギリシア、ローマ、ゲルマン、北欧、フィンランド、エジプト、北米先住民、中米先住民
密教法具 (日本の美術 No.282) 仏教の中の密教では、いろいろな「法具」というものを使います。この「法具」について、解説した本です。 一般向けに、密教法具を解説した本は、ほとんど、ありません。本書は、貴重な資料です(^^) 一般的に、最も知られた密教法具と言えば、金剛杵【こんごうしょ】でしょう。独鈷杵【とっこしょ】、五鈷杵【ごこしょ】などといった言葉を、聞いたことがありませんか? これらの「○○杵【しょ】」というのが、金剛杵の仲間です。 『孔雀王』な
チロルの伝説 オーストリアとイタリアとにまたがる、チロル地方に伝わる伝説を、紹介した本です。 全部で、四つの伝説が載っています。 数は少ないものの、どれも、チロル地方の代表的な伝説です。ヨーロッパアルプスの山が続く、チロルの空気が、感じられます。 四つの伝説のうち、三つに、妖精的存在や、魔法などの、超常的な要素が登場します。そのような要素が登場しなくても、ロマンティックな物語ばかりです。そういう物語が好きな方には、嬉しい物語集ですね。 そもそも、日本