弟切千隼

生物学、神話・伝説、漫画・アニメなどについて書くライターです。専門は、神話や伝説にしか…

弟切千隼

生物学、神話・伝説、漫画・アニメなどについて書くライターです。専門は、神話や伝説にしか登場しない、幻想植物です。おそらく、日本唯一の幻想植物研究家です。二〇二二年現在で、百種以上の幻想植物の伝承を確認しています。 noteでは、昭和の時代の漫画・アニメ文化について書くつもりです。

マガジン

  • アフリカに関する本のレビュー集

    アフリカに関する本のレビューを集めてあります。

  • 弟切千隼のレビュー集

    弟切千隼が読んだ本のレビューを集めてあります。ジャンルはばらばらですが、動植物関係と、神話・民話・伝説関係が多いです。

  • 北米に関する本のレビュー集

    北米に関する本のレビューを集めてあります。私の好みで、先住民文化に関する本が多いです。

  • ヨーロッパに関する本のレビュー集

    ヨーロッパの自然や文化に関する本のレビュー集です。すべて、私、弟切千隼が読んで書いたものです。

  • ロシア、ウクライナ、ベラルーシに関する本のレビュー集

    ロシア、ウクライナ、ベラルーシは、文化的にはとても近いです。日本語で書かれた本には、これらの国の文化を特に区別せずに、「ロシア」でまとめている本が多いです。それらの本のレビュー集です。

最近の記事

夜空と月の物語

夜空と月の物語  世界中の、さまざまな「月の光景」を写した、写真集です。  写真と共に、世界各地の、月にまつわる神話や伝説が、紹介されています。  とにかく、写真が美しいです。ぼーっと眺めているだけで、癒されます(^^)  月にまつわる神話や伝説は、短く、やさしい言葉で書かれています。おかげで、読んでも疲れません。仕事で大量の文章を読んだ後でも、こういう文章なら、読んでほっとできます(^^)  ところどころに、月にまつわる豆知識を書いたコラムがあります。  ち

    • 密教の神々―その文化史的考察

      密教の神々―その文化史的考察  仏教の中の密教に登場する神々について、解説した本です。  一九七九年に出た本ですが、内容は、古びていません。  本書と、まったく同じ内容の本が、平凡社ライブラリーの文庫本に入っています。  二〇一四年現在では、そちらのほうが、入手しやすいでしょう。  密教には、おおぜいの神々が登場します。おおぜいい過ぎて、普通の人には、何が何だか、わからなくなりがちです(^^;  本書では、それらの神々のうち、月天【がってん】、観音、聖天【しょ

      • シベリア民話集

        シベリア民話集  シベリアに住む、多くの民族の民話を集めた本です。  全部で、十一の民族の民話が、紹介されています。  一つ一つの話は短くて、すぐに読めます。  話の筋は、単純なものがほとんどです。おそらく、簡素な狩猟採集生活を送る人々が、多いからでしょう。絢爛【けんらん】たる宮廷話や、技巧的に洗練された話を望んではいけません。  中には、現代日本人の私たちには、理解に苦しむ話もあります。「話のオチがない」、「展開が唐突」、「人物の行動が理不尽」といった点が見ら

        • パンダの親指〈下〉―進化論再考

          パンダの親指〈下〉―進化論再考  著名な進化生物学者、スティーヴン・ジェイ・グールド氏の科学エッセイ、第二弾です。  第一弾の『ダーウィン以来』に続き、進化論について、解説されています。  本書は、上下二巻の下巻です。上巻から、先にお読み下さい。  本書は、最初は、とっつきにくいかも知れません。  しかし、上巻を読んで、下巻、本書に行き着く頃には、勢いがついて、読みやすくなっているでしょう。  上巻と同じように、下巻の本書も、広い話題が取り上げられています。ど

        夜空と月の物語

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        • アフリカに関する本のレビュー集
          54本
        • オセアニアに関する本のレビュー集
          39本
        • 日本以外のアジアに関する本のレビュー集
          132本
        • 中米と南米に関する本のレビュー集
          58本
        • 北米に関する本のレビュー集
          62本
        • 神話、民話、伝説などに関する本のレビュー集
          185本

        記事

          パンダの親指〈上〉―進化論再考

          パンダの親指〈上〉―進化論再考  著名な進化生物学者、スティーヴン・ジェイ・グールド氏の科学エッセイ、第二弾です。  第一弾の『ダーウィン以来』に続き、進化論について、解説されています。  本書は、上下二巻の上巻です。  『ダーウィン以来』を読んでから、本書を読んだほうが、わかりやすいことは、無論です。  とはいえ、高校卒業程度の生物学の知識があれば、『ダーウィン以来』を読んでいなくても、本書の内容には、ついて行けるでしょう。  『ダーウィン以来』もそうですが、

          パンダの親指〈上〉―進化論再考

          イタリア・奇蹟と神秘の旅

          イタリア・奇蹟と神秘の旅  著名な作家の坂東眞砂子さんが、イタリアについて、書いた本です。イタリア各地を、実際に旅して、書かれた紀行です。  さすがに、文章は、こなれていて、読みやすいです。さほど厚い本ではないこともあって、すんなりと読めてしまいます。  『奇蹟と神秘の旅』という題名のとおり、不思議なことが起こったと言い伝えられる地方を、巡っています。伝承のある場所を訪れたり、ゆかりの行事を見学したり、地元の方に話を聴いたりしています。  読んでみると、やはり、

          イタリア・奇蹟と神秘の旅

          妖精事典

          妖精事典  『妖精事典』という題名の書籍は、いくつも出ていますが。  本書こそは、その決定版と言うべきものです(^^) 五つ星以外の評価は、考えられません。  イギリスの妖精について、日本語で読める事典としては、本書が、最も詳しいと思います。本書に匹敵するのは、本書の訳者でもある井村君江さんの著作『妖精学大全』だけでしょう。  ここで言う「イギリス」とは、もちろん、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北部アイルランド、マン島などを含みます。それぞれの地方の伝

          自然の神々―その織りなす時空

          自然の神々―その織りなす時空  世界各国の、さまざまな神々を紹介した本です。  国や地域ごとではなく、機能ごとに紹介しているのが、特色です。天の神、海の神、鳥の神、山の神、石の神、といった具合です。  題名にあるとおり、自然の中にある物や、自然現象の神ばかりが載っています。  地域的には、非常に広い範囲の神々を取り上げています。  日本、朝鮮半島、中国、モンゴル、インド、メソポタミア、ギリシア、ローマ、ゲルマン、北欧、フィンランド、エジプト、北米先住民、中米先住民

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          密教法具 (日本の美術 No.282)

          密教法具 (日本の美術 No.282)  仏教の中の密教では、いろいろな「法具」というものを使います。この「法具」について、解説した本です。  一般向けに、密教法具を解説した本は、ほとんど、ありません。本書は、貴重な資料です(^^)  一般的に、最も知られた密教法具と言えば、金剛杵【こんごうしょ】でしょう。独鈷杵【とっこしょ】、五鈷杵【ごこしょ】などといった言葉を、聞いたことがありませんか? これらの「○○杵【しょ】」というのが、金剛杵の仲間です。  『孔雀王』な

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          チロルの伝説

          チロルの伝説  オーストリアとイタリアとにまたがる、チロル地方に伝わる伝説を、紹介した本です。  全部で、四つの伝説が載っています。  数は少ないものの、どれも、チロル地方の代表的な伝説です。ヨーロッパアルプスの山が続く、チロルの空気が、感じられます。  四つの伝説のうち、三つに、妖精的存在や、魔法などの、超常的な要素が登場します。そのような要素が登場しなくても、ロマンティックな物語ばかりです。そういう物語が好きな方には、嬉しい物語集ですね。  そもそも、日本

          チロルの伝説

          宝石伝説 (ニュー・カルト・ブックス)

          宝石伝説 (ニュー・カルト・ブックス)  宝石にまつわる神話や伝説が、集められた本です。  二〇一四年現在では、類書がたくさん出ていますね。パワーストーンなどのブームが起こったためでしょう。  けれども、本書が出たのは、一九八九年です。当時、類書は、無きに等しい状態でした。本書は、宝石の伝承を集めた本として、貴重な資料でした。  二〇一四年現在でも、宝石の伝承を調べるには、使えます(^^)  本書では、ダイヤモンド、エメラルド、ルビー、サファイア、水晶、翡翠【ひ

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          新訳 夏の夜の夢

          新訳 夏の夜の夢  あまりにも有名な、シェイクスピアの戯曲『夏の夜の夢』の翻訳です。  本作の日本語訳は、いろいろな訳者のものが、いくつも出ていますね。本書で訳者となったのは、井村君江さんです。  井村さんと言えば、日本の妖精学の第一人者です。井村さんらしく、妖精学の視点から見た『夏の夜の夢』になっています。  妖精に興味がある方なら、ぜひ、この『夏の夜の夢』を読んで欲しいですね。  『夏の夜の夢』は、シェイクスピアの作品の中でも、妖精が大活躍することで、知られ

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          美少女の美術史 -浮世絵からポップカルチャー・現代美術にみる"少女"のかたち

          美少女の美術史 -浮世絵からポップカルチャー・現代美術にみる"少女"のかたち  本書は、同名の展覧会「美少女の美術史」の図録として作られた本です。  とはいえ、展覧会を見ていなくても、充分に楽しめます(^^) 展覧会を見た人でも、本書の解説を読めば、展覧会の意味が、より、わかりやすくなると思います。  本書のいわく、「美少女とは、実在しない。観念的な存在である」。  この意見には、異論のある方も、多いでしょう。けれども、本書をちゃんと読めば、その言わんとしているとこ

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          完全保存版大好きだった! 少女マンガ70年代篇 (双葉社スーパームック)

          完全保存版大好きだった! 少女マンガ70年代篇 (双葉社スーパームック)  題名どおり、一九七〇年代の少女マンガを紹介した本です。  当時の有名な作品は、これ一冊で、網羅されていると思います。  少女時代―あるいは、少年時代―、これらの作品に夢中になった方には、とても懐かしく、楽しい本でしょう(^^)  当時を知らない世代の方でも、少女マンガに興味があるなら、読んで損はありません。二〇一四年現在も、栄えている少女マンガが、どのようにして生まれたのか、よくわかるからで

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          アジアの仮面―神々と人間のあいだ

          アジアの仮面―神々と人間のあいだ  アジアの仮面を使った芸能について、書かれた本です。仮面劇、仮面舞踊などですね。  日本、韓国、中国、ネパール、インドネシア、インド、スリランカの七カ国が、取り上げられています。  日本人であっても、日本の仮面の文化について、詳しい方は、少ないでしょう。  ましてや、他国のこととなれば、情報は、ごくわずかです。  本書は、複数のアジアの国々を取り上げたことにより、個々の国の仮面文化について、より深く、知ることができるようになって

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          衝撃の古代アマゾン文明―第五の大河文明が世界史を書きかえる

          衝撃の古代アマゾン文明―第五の大河文明が世界史を書きかえる  少し前までの世界史の教科書には、必ず、「世界の四大文明」が、載っていましたね。  ナイル川のほとりのエジプト文明、チグリス・ユーフラテス川のほとりのメソポタミア文明、インダス川のほとりのインダス文明、黄河のほとりの中国文明です。  「古代文明は、大河のほとりに生まれる」という定説が、あったんですね。  が、じつは、この定説は、かなり古いです。上記の四つの文明が、他の地域と比べて、「四大文明」というほど、突

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