弟切千隼

生物学、神話・伝説、漫画・アニメなどについて書くライターです。専門は、神話や伝説にしか…

弟切千隼

生物学、神話・伝説、漫画・アニメなどについて書くライターです。専門は、神話や伝説にしか登場しない、幻想植物です。おそらく、日本唯一の幻想植物研究家です。二〇二二年現在で、百種以上の幻想植物の伝承を確認しています。 noteでは、昭和の時代の漫画・アニメ文化について書くつもりです。

マガジン

  • 弟切千隼のレビュー集

    弟切千隼が読んだ本のレビューを集めてあります。ジャンルはばらばらですが、動植物関係と、神話・民話・伝説関係が多いです。

  • 動物に関する本のレビュー集

    動物に関する本のレビューを集めてあります。哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類という脊椎動物から、昆虫を含む節足動物、貝類などの軟体動物、ミミズなどの環形動物といった無脊椎動物まで、取り上げています。

  • 妖怪、妖精、神、悪魔などに関する本のレビュー集

    妖怪、妖精、神、悪魔、精霊、幻獣など、超常的な存在に関する本のレビューを集めてあります。

  • ヨーロッパに関する本のレビュー集

    ヨーロッパの自然や文化に関する本のレビュー集です。すべて、私、弟切千隼が読んで書いたものです。

  • 神話、民話、伝説などに関する本のレビュー集

    神話、民話、伝説など、古来の口承文芸に関する本のレビューをまとめてあります。日本に限らず、世界各国のものです。

最近の記事

イモムシハンドブック

イモムシハンドブック  昆虫好きとしては、こんな図鑑が欲しかった!です。  むしろ、「なぜ、今までなかったのだろう?」と思います。  文句なしに、評価は、五つ星ですね。  徹底して、イモムシ(芋虫)・ケムシ(毛虫)ばかりを載せています。  要するに、チョウ(蝶)やガ(蛾)の幼虫ばかりが、載っています。しかも、鮮明なカラー写真付きで。  この徹底ぶりに、とても好感が持てます(^^) 写真で見比べることができるので、昆虫に詳しくない方でも、イモムシ・ケムシの種を調べ

    • ギリシャ神話集

      ギリシャ神話集  ギリシャ神話を紹介した本は、たくさんありますね。  本書は、そのうちの一冊です。  初心者向けではありません。記述が、淡々とし過ぎているからです。  初心者には、もう少し情緒的なほうが、読みやすく、頭に入りやすいでしょう。  初心者から、中級者以上になりたい方には、本書は、いいと思います(^^)  何よりも、たくさんの神話が、載っているからです。記述は、簡潔で、要を得ています。ギリシャ神話の基礎知識がある方ならば、効率よく、多くの神話を知るこ

      • ケルトの神話 (丸善ブックス)

        ケルトの神話 (丸善ブックス)  ケルト民族の神話や伝説を、紹介した本です。  二〇一四年現在では、類書は、数多く出ていますね。  けれども、本書が出た一九九七年には、まだ、それほど、ケルトの神話は、日本に紹介されていませんでした。  本書は、ケルト神話を総合的に紹介する、日本語の資料として、貴重でした。  本書を読み通せば、ケルト神話について、基礎的な知識は、身につきます(^^)  ただし、ケルト神話については、日本語に訳すにあたって、重大な問題があります

        • 宙【そら】ノ名前

          宙【そら】ノ名前  夜空に輝く月や星を、美しい写真と共に、紹介した本です。  「星の名前って、こんなにたくさんあったんだ」と、まず、驚きます。  それと共に、名前の美しさに、惚れ惚れします。  天文学が好きな方には、必読の本ですね。  特に好きではない方でも、ページをめくれば、夜空の見事さに引き込まれるでしょう。  読んでいるうちに、本物の夜空を眺めたくなります。星がきれいに見える田舎で、星空を眺めたいですね。  日本には、天体系の伝承が少ないといわれます

        イモムシハンドブック

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        • 動物に関する本のレビュー集
          180本
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          550本
        • 妖怪、妖精、神、悪魔などに関する本のレビュー集
          206本
        • 神話、民話、伝説などに関する本のレビュー集
          188本
        • ヨーロッパに関する本のレビュー集
          159本
        • 宗教に関する本のレビュー集
          94本

        記事

          ムーミン童話の仲間事典

          ムーミン童話の仲間事典  世界中で人気のある童話『ムーミン』シリーズの事典です。  事典といっても、分厚くありません。難しくもありません。気軽に、さらっと読めます。  小学校の高学年以上の方なら読める程度の、やさしい文章で書かれています。  『ムーミン』の世界へのガイドブックとして、よくできています(^^)  『ムーミン』をよく御存知の方でも、本書を読めば、新しい発見があるでしょう。  よく知らない方なら、『ムーミン』世界へ足を踏み入れるにあたり、心強い案内と

          ムーミン童話の仲間事典

          空の名前

          空の名前   空【そら】の写真集です。  本書を見るまで、「空が、こんなに多彩だった」ことを、忘れていました。  写真が美しいだけでなく、本書の言葉も美しいです。「空に関する日本語って、こんなにたくさんあったんだ」と、気づかされます。  評価は、文句なしに五つ星ですね。これ以外の評価は、考えられません。  二〇一四年現在、本書は、古本でしか入手できません。  角川書店から、同名で同内容の本が出ていますので、そちらを入手されると良いです(^^)  空に関する

          夜空と月の物語

          夜空と月の物語  世界中の、さまざまな「月の光景」を写した、写真集です。  写真と共に、世界各地の、月にまつわる神話や伝説が、紹介されています。  とにかく、写真が美しいです。ぼーっと眺めているだけで、癒されます(^^)  月にまつわる神話や伝説は、短く、やさしい言葉で書かれています。おかげで、読んでも疲れません。仕事で大量の文章を読んだ後でも、こういう文章なら、読んでほっとできます(^^)  ところどころに、月にまつわる豆知識を書いたコラムがあります。  ち

          夜空と月の物語

          密教の神々―その文化史的考察

          密教の神々―その文化史的考察  仏教の中の密教に登場する神々について、解説した本です。  一九七九年に出た本ですが、内容は、古びていません。  本書と、まったく同じ内容の本が、平凡社ライブラリーの文庫本に入っています。  二〇一四年現在では、そちらのほうが、入手しやすいでしょう。  密教には、おおぜいの神々が登場します。おおぜいい過ぎて、普通の人には、何が何だか、わからなくなりがちです(^^;  本書では、それらの神々のうち、月天【がってん】、観音、聖天【しょ

          密教の神々―その文化史的考察

          シベリア民話集

          シベリア民話集  シベリアに住む、多くの民族の民話を集めた本です。  全部で、十一の民族の民話が、紹介されています。  一つ一つの話は短くて、すぐに読めます。  話の筋は、単純なものがほとんどです。おそらく、簡素な狩猟採集生活を送る人々が、多いからでしょう。絢爛【けんらん】たる宮廷話や、技巧的に洗練された話を望んではいけません。  中には、現代日本人の私たちには、理解に苦しむ話もあります。「話のオチがない」、「展開が唐突」、「人物の行動が理不尽」といった点が見ら

          シベリア民話集

          パンダの親指〈下〉―進化論再考

          パンダの親指〈下〉―進化論再考  著名な進化生物学者、スティーヴン・ジェイ・グールド氏の科学エッセイ、第二弾です。  第一弾の『ダーウィン以来』に続き、進化論について、解説されています。  本書は、上下二巻の下巻です。上巻から、先にお読み下さい。  本書は、最初は、とっつきにくいかも知れません。  しかし、上巻を読んで、下巻、本書に行き着く頃には、勢いがついて、読みやすくなっているでしょう。  上巻と同じように、下巻の本書も、広い話題が取り上げられています。ど

          パンダの親指〈下〉―進化論再考

          パンダの親指〈上〉―進化論再考

          パンダの親指〈上〉―進化論再考  著名な進化生物学者、スティーヴン・ジェイ・グールド氏の科学エッセイ、第二弾です。  第一弾の『ダーウィン以来』に続き、進化論について、解説されています。  本書は、上下二巻の上巻です。  『ダーウィン以来』を読んでから、本書を読んだほうが、わかりやすいことは、無論です。  とはいえ、高校卒業程度の生物学の知識があれば、『ダーウィン以来』を読んでいなくても、本書の内容には、ついて行けるでしょう。  『ダーウィン以来』もそうですが、

          パンダの親指〈上〉―進化論再考

          イタリア・奇蹟と神秘の旅

          イタリア・奇蹟と神秘の旅  著名な作家の坂東眞砂子さんが、イタリアについて、書いた本です。イタリア各地を、実際に旅して、書かれた紀行です。  さすがに、文章は、こなれていて、読みやすいです。さほど厚い本ではないこともあって、すんなりと読めてしまいます。  『奇蹟と神秘の旅』という題名のとおり、不思議なことが起こったと言い伝えられる地方を、巡っています。伝承のある場所を訪れたり、ゆかりの行事を見学したり、地元の方に話を聴いたりしています。  読んでみると、やはり、

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          妖精事典

          妖精事典  『妖精事典』という題名の書籍は、いくつも出ていますが。  本書こそは、その決定版と言うべきものです(^^) 五つ星以外の評価は、考えられません。  イギリスの妖精について、日本語で読める事典としては、本書が、最も詳しいと思います。本書に匹敵するのは、本書の訳者でもある井村君江さんの著作『妖精学大全』だけでしょう。  ここで言う「イギリス」とは、もちろん、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北部アイルランド、マン島などを含みます。それぞれの地方の伝

          自然の神々―その織りなす時空

          自然の神々―その織りなす時空  世界各国の、さまざまな神々を紹介した本です。  国や地域ごとではなく、機能ごとに紹介しているのが、特色です。天の神、海の神、鳥の神、山の神、石の神、といった具合です。  題名にあるとおり、自然の中にある物や、自然現象の神ばかりが載っています。  地域的には、非常に広い範囲の神々を取り上げています。  日本、朝鮮半島、中国、モンゴル、インド、メソポタミア、ギリシア、ローマ、ゲルマン、北欧、フィンランド、エジプト、北米先住民、中米先住民

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          密教法具 (日本の美術 No.282)

          密教法具 (日本の美術 No.282)  仏教の中の密教では、いろいろな「法具」というものを使います。この「法具」について、解説した本です。  一般向けに、密教法具を解説した本は、ほとんど、ありません。本書は、貴重な資料です(^^)  一般的に、最も知られた密教法具と言えば、金剛杵【こんごうしょ】でしょう。独鈷杵【とっこしょ】、五鈷杵【ごこしょ】などといった言葉を、聞いたことがありませんか? これらの「○○杵【しょ】」というのが、金剛杵の仲間です。  『孔雀王』な

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          チロルの伝説

          チロルの伝説  オーストリアとイタリアとにまたがる、チロル地方に伝わる伝説を、紹介した本です。  全部で、四つの伝説が載っています。  数は少ないものの、どれも、チロル地方の代表的な伝説です。ヨーロッパアルプスの山が続く、チロルの空気が、感じられます。  四つの伝説のうち、三つに、妖精的存在や、魔法などの、超常的な要素が登場します。そのような要素が登場しなくても、ロマンティックな物語ばかりです。そういう物語が好きな方には、嬉しい物語集ですね。  そもそも、日本

          チロルの伝説