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動物に関する本のレビュー集

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動物に関する本のレビューを集めてあります。哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類という脊椎動物から、昆虫を含む節足動物、貝類などの軟体動物、ミミズなどの環形動物といった無脊椎動物まで…
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記事一覧

羊の博物誌

羊の博物誌

羊の博物誌

 イギリスのヒツジについて、紹介した本です。
 前半は、イギリスのヒツジの品種図鑑になっています。
 後半は、羊毛に関する文化誌になっています。

 ヒツジは、日本では、あまり馴染みのない家畜ですね。観光牧場で見るくらいです。
 このために、日本語で、ヒツジの品種を紹介する資料は、驚くほど少ないです。

 本書は、貴重なヒツジの品種図鑑です。
 載っているのは、イギリスの

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学べる!頭骨図鑑

学べる!頭骨図鑑

学べる!頭骨図鑑

 最近よく見かける、コンビニ本の一種です。
 コンビニ本とはいえ、なかなか、内容は充実しています(^^)

 さまざまな動物の頭骨を集めて、解説した本です。鮮明な頭骨写真が、いっぱい載っています。
 動物園などで、見慣れている動物でも、骨にしてみると、「こんなになってたの!?」と、驚くことは多いです。
 よく知らない動物であれば、よけいに、勉強になりますね。

 決し

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ニホンカワウソやーい! 高知のカワウソ読本

ニホンカワウソやーい! 高知のカワウソ読本

ニホンカワウソやーい! 高知のカワウソ読本

 二〇一二年に、絶滅宣言が出されてしまった、ニホンカワウソに関する本です。
 ニホンカワウソが、最後に生き残っていた、高知県と、愛媛県の情報が集められています。

 本書が出た一九九七年は、まだ、公式に、絶滅宣言がされる前です。
 このため、本書の情報は、やや古い(一九九〇年代のものである)ことを、念頭に置いて下さい。

 本書を読むと、ニホン

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イエティ ヒマラヤ最後の謎「雪男」の真実

イエティ ヒマラヤ最後の謎「雪男」の真実

イエティ ヒマラヤ最後の謎「雪男」の真実

 ヒマラヤに棲むといわれる、謎の生物「イエティ」を追った本です。ヒマラヤの雪男とも呼ばれるものですね。

 著者の根深さんは、生粋の山男です。一九七〇年代から、ヒマラヤに通い詰めているという方です。ヒマラヤの地形、気候、風俗などに精通しています。
 イエティがいるといわれる、その現場を知り尽くしていることは、大変な強みです(^^)

 根深さんは、

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イモムシハンドブック

イモムシハンドブック

イモムシハンドブック

 昆虫好きとしては、こんな図鑑が欲しかった!です。
 むしろ、「なぜ、今までなかったのだろう?」と思います。
 文句なしに、評価は、五つ星ですね。

 徹底して、イモムシ(芋虫)・ケムシ(毛虫)ばかりを載せています。
 要するに、チョウ(蝶)やガ(蛾)の幼虫ばかりが、載っています。しかも、鮮明なカラー写真付きで。
 この徹底ぶりに、とても好感が持てます(^^) 写

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ケルトの神話 (丸善ブックス)

ケルトの神話 (丸善ブックス)

ケルトの神話 (丸善ブックス)

 ケルト民族の神話や伝説を、紹介した本です。

 二〇一四年現在では、類書は、数多く出ていますね。
 けれども、本書が出た一九九七年には、まだ、それほど、ケルトの神話は、日本に紹介されていませんでした。
 本書は、ケルト神話を総合的に紹介する、日本語の資料として、貴重でした。

 本書を読み通せば、ケルト神話について、基礎的な知識は、身につきます(^^)

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シベリア民話集

シベリア民話集

シベリア民話集

 シベリアに住む、多くの民族の民話を集めた本です。
 全部で、十一の民族の民話が、紹介されています。

 一つ一つの話は短くて、すぐに読めます。
 話の筋は、単純なものがほとんどです。おそらく、簡素な狩猟採集生活を送る人々が、多いからでしょう。絢爛【けんらん】たる宮廷話や、技巧的に洗練された話を望んではいけません。

 中には、現代日本人の私たちには、理解に苦しむ話もあり

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パンダの親指〈下〉―進化論再考

パンダの親指〈下〉―進化論再考

パンダの親指〈下〉―進化論再考

 著名な進化生物学者、スティーヴン・ジェイ・グールド氏の科学エッセイ、第二弾です。
 第一弾の『ダーウィン以来』に続き、進化論について、解説されています。
 本書は、上下二巻の下巻です。上巻から、先にお読み下さい。

 本書は、最初は、とっつきにくいかも知れません。
 しかし、上巻を読んで、下巻、本書に行き着く頃には、勢いがついて、読みやすくなっているでし

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パンダの親指〈上〉―進化論再考

パンダの親指〈上〉―進化論再考

パンダの親指〈上〉―進化論再考

 著名な進化生物学者、スティーヴン・ジェイ・グールド氏の科学エッセイ、第二弾です。
 第一弾の『ダーウィン以来』に続き、進化論について、解説されています。
 本書は、上下二巻の上巻です。

 『ダーウィン以来』を読んでから、本書を読んだほうが、わかりやすいことは、無論です。
 とはいえ、高校卒業程度の生物学の知識があれば、『ダーウィン以来』を読んでいなくて

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自然の神々―その織りなす時空

自然の神々―その織りなす時空

自然の神々―その織りなす時空

 世界各国の、さまざまな神々を紹介した本です。
 国や地域ごとではなく、機能ごとに紹介しているのが、特色です。天の神、海の神、鳥の神、山の神、石の神、といった具合です。
 題名にあるとおり、自然の中にある物や、自然現象の神ばかりが載っています。

 地域的には、非常に広い範囲の神々を取り上げています。
 日本、朝鮮半島、中国、モンゴル、インド、メソポタミア、

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笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記

笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記

笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記

 寄生虫博士として有名な、藤田紘一郎さんの著書です。
 カイチュウをはじめとした、寄生虫についてのエッセイ集です。

 とにかく、面白いです(^^)
 知られざる寄生虫の生態や、それに関わる人間模様が、具体的に書かれています。
 笑いながら、寄生虫についての知識が付きます。楽しめるうえに、お得な本ですね(^^)

 藤田さんは、「日本人にアレルギーが増

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日本の憑きもの―俗信は今も生きている

日本の憑きもの―俗信は今も生きている

日本の憑きもの―俗信は今も生きている

 日本の憑きものについての、古典的名著です。
 日本の憑きものを調べるにあたって、本書を抜きにすることは、考えられません。決して欠かせない基礎文書です。

 本書を読めば、日本の憑きものについて、基本的な知識は、押さえたことになります。
 ただし、内容がぎっしりなので、読み通すには、時間がかかります。

 狐憑き、犬神憑き、蛇憑きなど、憑きものには、

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鳥630図鑑

鳥630図鑑

鳥630図鑑

 題名のとおり、600種以上もの鳥が載っている図鑑です。
 日本で見られる鳥は、すべて網羅されていると言って、過言ではありません。日本では、まれにしか見られない種も、載っています。

 種数のわりに、本書は、コンパクトです。野外へ持ってゆくことを、想定しているからでしょう。気軽に手に取れるサイズって、いいですね(^^)
 そのぶん、一種一種の説明の量は、少ないです。でも、最低

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河童考―その歪められた正体を探る

河童考―その歪められた正体を探る

河童考―その歪められた正体を探る

 河童の正体について、いろいろと考察した本です。
 過激な論はなく、穏当で、おおむね、理解できる論でした。

 河童の名称、河童の性質、民俗学から見た河童、美術の中に現われる河童など、さまざまな面から、河童に迫っています。
 「河童に似て非なるもの」についても、取り上げています。河伯【かはく】、ミズチ、猿、川獺【かわうそ】、カメなどです。

 ただし、こ

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