ニホンカワウソやーい! 高知のカワウソ読本
二〇一二年に、絶滅宣言が出されてしまった、ニホンカワウソに関する本です。
ニホンカワウソが、最後に生き残っていた、高知県と、愛媛県の情報が集められています。
本書が出た一九九七年は、まだ、公式に、絶滅宣言がされる前です。
このため、本書の情報は、やや古い(一九九〇年代のものである)ことを、念頭に置いて下さい。
本書を読むと、ニホンカワウソが、一九七〇年代までは、確実に、生きていたことがわかります。
もっと昔には、日本全国で、決して、珍しくない生き物でした。
ニホンカワウソは、どんな暮らしをしていたのでしょうか?
なぜ、絶滅に追い込まれたのでしょうか?
本書に、これらの答えがあります。私たちヒトの責任を、ずっしりと感じます。
ニホンカワウソは、本当に絶滅してしまったのでしょうか?
この答えは、本書には、ありません。読者一人一人が、考えることです。
でも、本書を読み終わる頃には、「ニホンカワウソには、ぜひ、生きていて欲しい」と思うでしょう。「ニホンカワウソが棲める川を、取り戻したい」とも、思うでしょう。
一般の人が読むぶんには、最も詳しい、ニホンカワウソに関する本の一冊だと思います。
さまざまな人の、さまざまな論考が読めるのが、良いです(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに――カワウソのすむまち、すさき
須崎市「親子で作るカワウソ絵本」優秀作品 かわうそのすむまちすさき
絵と文 熊谷さとし 絵 熊谷なつき 熊谷まどか
ニホンカワウソを追って
土佐とニホンカワウソ 町田吉彦
ニホンカワウソと思われる動物の最近の目撃例 町田吉彦 仁尾かおり
一本のカワウソの毛 町田吉彦
淋しきタール便 町田吉彦
高知県でのニホンカワウソ保護の取り組み 青木昭男
もう一度見たいあの姿 豊永哲史
目の前に現れた 堅田貞志
その滅びの姿が訴えるもの 高屋 勉
その生息環境 高屋 勉
フィールドサインから見たカワウソ 内田 実
目撃と証言――仁淀川―― 成川 順
仁淀川のニホンカワウソ 成川 彩
水、そして川へのこだわり 高野 弘
ニホンカワウソ飼育と記録調査 山崎 泰
ニホンカワウソの頭骨について 清水栄盛
カワウソと環境 千葉 昇
高知のカワウソを世界のカワウソに 佐々木 浩
私はニホンカワウソにこだわっている 田辺淳一郎
紀伊半島の野生生物を守りたい 中尾敏夫
高知新聞で見るニホンカワウソの歴史
須崎市「親子で作るカワウソ絵本」最優秀作品 ぼくはかわうそのしんた
絵と文 谷 喜幸 絵 谷あゆこ 谷みさこ
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