柳田国男

『青年と学問』柳田国男にも登場するバビロン学会

 『学問と青年』柳田国男(『定本柳田國男集第二十五巻』(筑摩書房, 1970年)に収録)の「南島研究の現状」という章には「バビロン学会」という団体について触れられている。該当箇所を以下に引用してみたい。

(前略)民族全体としての親族関係は、却つて之を忘れようとして居たのであつた。(中略)和歌に高名なる宜湾親方朝保の如きも、沖縄の単語の中から四十か五十の例を拾い上げて、それが日本の古語と元一つであ

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利根川の流れを変えた人々 千葉県野田市関宿

ここは、利根川と江戸川が分かれる分岐点。
利根川は、かつては東京湾に流れていた。しかし、今は、銚子から海へと続いている。それはなぜか。
人が流れを変えたのだ。

江戸時代初期、暴れん坊の利根川を何とかすべく(物流インフラ整備の為という説も)、大治水工事が行われ、何度も失敗を重ねた上で、利根川の流れを大きく変えた。かつての川筋は、古利根川として今も残っている。
江戸川はというと、利根川に接続させる為

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根拠のない知の根拠(ヒトを知るための学問の)

部分を知るには、全体を知ってることが前提になる。だが、全体を知るには、部分を知っていないとならない。目的地が同時に出発点でもあるから、どっからも始めようがない。別の謂い方をすると、あることの根拠を提供すべきものが、すでに前提として先取りされてしまっている。

なぜここでこんなことを書いてるか
のっけからわけのわからん話で恐縮だが、自分が知っていると思っていることをどういう風に知ったのだろう、といろ

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柳田国男の周りにいたけど忘れられたエスペランティスト・笹谷良造

 先日、「宮武正道の「語学道楽」―趣味人と帝国日本 (特集 民族)」黒岩康博(『史林』94巻1号, 2011年)という論文を読み終わった。この論文では、マレー語の研究者であった宮武正道の生涯や関心の変遷を旧蔵資料や著作を分析することで詳細に検討している。この論文によると、宮武は当時知識人の間で流行していた世界共通語であるエスペラントに関心を持っており、奈良エスペラント会の創設メンバーのひとりになる

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柳田国男の蔵書の中の変態文献

 先日、以下の記事で柳田国男と藤澤衛彦の伝説に対する考え方の違いを紹介したが、その際に『増補改訂 柳田文庫蔵書目録』(成城大学民俗学研究所, 2003年)に何冊も藤澤の文献が確認できたと述べた。その中に、変態十二史シリーズの中の第12巻である『変態伝説史』藤澤衛彦(文芸資料研究会, 1926年)がある。

以下のブログによると、変態十二史シリーズは、当時流行していたエロ・グロ・ナンセンスに関する雑

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春らんまん

桜がほぼ満開。その下で乳母車を押す若いお母さんの、長い白いスカートの裾が軽やかに風にたなびく。春である。斜陽の国にも生命力が蘇る季節が巡ってくる。そうして、ひとの心を少しだけ軽くする。

「青春」という言葉にも「春」の字が入ってる。若さの特権を謳歌する若者たちというよりも、もう人生の春を過ぎた人々が、自分の過去を懐かしがり、また後輩たちを羨んで、こう呼んだのではないかと思う。若者たちは必ずしも若さ

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スキしてくれる君がスキ!
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日本のこころ⑬「遠野物語」と日本民俗学の道

ピンとこない「民俗学」
 訪日客を外国語でガイドするための全国通訳案内士試験では、外国語の他に、地理、歴史、一般常識、実務の教科がある。常々思うのが、「民俗学」という科目が独立して存在しないのは観光庁の不手際ではなかろうか。というのも、訪日客が日本に対して期待することの多くが、民俗学的な事項だからだ。
 ここまで書いてもピンとこない方は、おそらく訪日客が直面する民俗学的な事物にどのようなものがある

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柳田国男と藤澤衛彦の「伝説」理解

 以下の記事で、柳田国男が同時代の伝説を研究していた藤澤衛彦(もとひこ)に批判的であったのではないかということを紹介した。では、両者の主張は具体的にどのようなものであったのだろうか?まずは、柳田の『郷土誌論』(『定本 柳田國男集 第二十五巻』(筑摩書房, 1970年)に収録)には、柳田の伝説に関する考え方が述べられているので、「郷土の年代記と英雄」から該当する部分を以下に引用してみたい。

(前略

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