火野佑亮の文化人チャンネル

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火野佑亮の文化人チャンネル

奈良県在住。自称小説家。美を総合的な観点から語ることを目指し、YouTube「火野佑亮の文化人チャンネル」を更新中(http://youtube.com/@ch_HinoYusuke)。

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【台本】名誉白人でありたい僕ら——Mrs.GREEN APPLE「コロンブス」MV騒動と戦後日本

 皆さんこんにちは、火野佑亮です。今回はYouTubeで公開されていたロックバンドMrs.GREEN APPLEの「コロンブス」というMV(ミュージックビデオ)が炎上し、13日に突如として非公開になった件について話していこうと思います。  まず誤解しないでいただきたいのですが、僕はMVの内容を非公開にして当然のものだとも、肯定すべき内容のものだとも思っていません。僕はただ、表現の自由が平然と踏みにじられるような現状と、今回の事件から垣間見える現代日本人の自意識に対し物申して

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    • 【台本】令和の精神——アキノリ将軍未満およびネオ幕府運動のバイブス

      ※この記事は現在工事中です。近いうちにこの内容を話した動画をYouTubeにあげる予定です。  現在、東京都知事選が混沌とした状況を呈しているとして話題になっている。一癖も二癖もある立候補者の乱立を、民主主義の退廃だと多数派は考えているだろうけども、僕はこのような認識に対し断固として否を唱える。真に守られるべき価値が一つまた一つと削ぎ落とされ失われゆくさなかにおける、純粋な民主主義のあけぼのに他ならないのだと、僕はこの動画を通して一億二千万の同胞に訴える。アキノリ将軍未満候

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      • リアリティ、この劇的なるもの

        ※全文無料でお読みいただけます  脱輪氏の『わたしたちはなぜフィクションと仲良くなれるのか』という文章を読んだ。我々が普段から触れている芸術作品、その中でも映画に感じられるリアリティの正体をめぐる考察である。  氏は人間の認識能力を通して捉えられる「現実の表象」と、作品として意識的に生み出される「虚構の表象」を区別する。人々は前者を自明視し、当然の前提として日々経験し生きているけれど、その認識は正しいのだろうか。氏は我々に対し、「わたしたちが普段経験している現実もまた、ひ

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        • 外交において外つ国を情緒的にもてなせば善意をもって応えてくれると思っている日本人の心理を「まれびとコンプレックス」と呼ぶことにする。

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        【台本】名誉白人でありたい僕ら——Mrs.GREEN APPLE「コロンブス」MV騒動と戦後日本

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        • 長編小説執筆の進捗——ガワ借り文化の人間関係

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        • 保田與重郎と文学の政治性

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        • 保田與重郎のイロニーと「現実」批判

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        • 人類学と革命

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          【台本】令和の精神——アキノリ将軍未満およびネオ幕府運動のバイブス

          ※この記事は現在工事中です。近いうちにこの内容を話した動画をYouTubeにあげる予定です。  現在、東京都知事選が混沌とした状況を呈しているとして話題になっている。一癖も二癖もある立候補者の乱立を、民主主義の退廃だと多数派は考えているだろうけども、僕はこのような認識に対し断固として否を唱える。真に守られるべき価値が一つまた一つと削ぎ落とされ失われゆくさなかにおける、純粋な民主主義のあけぼのに他ならないのだと、僕はこの動画を通して一億二千万の同胞に訴える。アキノリ将軍未満候

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          【台本】名誉白人でありたい僕ら——Mrs.GREEN APPLE「コロンブス」MV騒動と戦後日本

           皆さんこんにちは、火野佑亮です。今回はYouTubeで公開されていたロックバンドMrs.GREEN APPLEの「コロンブス」というMV(ミュージックビデオ)が炎上し、13日に突如として非公開になった件について話していこうと思います。  まず誤解しないでいただきたいのですが、僕はMVの内容を非公開にして当然のものだとも、肯定すべき内容のものだとも思っていません。僕はただ、表現の自由が平然と踏みにじられるような現状と、今回の事件から垣間見える現代日本人の自意識に対し物申して

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          台本『脱輪氏の「推し活」論 「資本主義リアリズム」から「生活のアナキズム」へ』

          要点まとめ ・推し=購買行動は好きに評価を下す(批評)責任を免責する ・自由/多様性概念の運用上の失敗→不干渉の原則から不感症の怠惰へ ・暴力と加害性を引き受けることなくして他者と関わることはできない ・”ひろえもん”的コスパニヒリズムは未来の自己否定へと行き着く ・「環境管理型」権力(東浩紀)の危険性 ・「天使化」やコスパニヒリズムに潜む「代理満足」(フロイト)の心理 ・オタクならぬ「推し活者」の消費をめぐる強迫観念 ・twinpale(ツインペイル)『ショートケーカーズ』

          台本『脱輪氏の「推し活」論 「資本主義リアリズム」から「生活のアナキズム」へ』

          物語と生きる

          ※この文章は現在の自分の立場と厳密には異なります  後期近代、ポストモダン、呼び方はどちらでもよい。フーコーのいう「生権力」が跋扈するこの時代にあって、道徳ならぬ倫理の重要性は日ごとに増している。修身斉家治国平天下。現状を受けいれるにせよ抗うにせよ、己の律し方、目の前の人間との向き合い方を問うことなしに親密性はあり得ず、したがって虚構としての社会も成立しない。まず、昨今のポリティカル・コレクトネス現象を反面教師として、その倫理について考えてみよう(他人を観察するつもりが、そ

          民俗と「常なるもの」

           佐藤光・中澤信彦編「保守的自由主義の可能性 知性史からのアプローチ」という本を眺めていた。中川八洋の悪影響もあり昨今忘れられがちな、保守主義と自由主義の関係についても示唆に富む良書だ。  佐藤光は保守主義における時間感覚を、「回帰する時間か同時存在する時間」と表現している。「カール・マンハイムが鋭く指摘したように」と述べているが、これは「保守主義的思考」のことだ。

        記事

          小説家という生き物そのものの演劇性を踏まえない作家論は、基本的に欺瞞だろう。葛西善蔵や志賀直哉の方法論を日本文学はすでに乗り越えた。 作家をダシにして社会や人間について思索するのは別だが、作家の生活や人生は小説のテクストではない。

          小説家という生き物そのものの演劇性を踏まえない作家論は、基本的に欺瞞だろう。葛西善蔵や志賀直哉の方法論を日本文学はすでに乗り越えた。 作家をダシにして社会や人間について思索するのは別だが、作家の生活や人生は小説のテクストではない。

          脱輪さんの仰るように、コスパ主義はニヒリズムそのものだ。 "まったく新しい戦争"の最前線に立つ我々は、まず己のうちに潜むニヒリズムをこそ撃たなくてはならない。

          脱輪さんの仰るように、コスパ主義はニヒリズムそのものだ。 "まったく新しい戦争"の最前線に立つ我々は、まず己のうちに潜むニヒリズムをこそ撃たなくてはならない。

          台本『脱輪氏の「推し活」論 「資本主義リアリズム」から「生活のアナキズム」へ』

          要点まとめ ・推し=購買行動は好きに評価を下す(批評)責任を免責する ・自由/多様性概念の運用上の失敗→不干渉の原則から不感症の怠惰へ ・暴力と加害性を引き受けることなくして他者と関わることはできない ・”ひろえもん”的コスパニヒリズムは未来の自己否定へと行き着く ・「環境管理型」権力(東浩紀)の危険性 ・「天使化」やコスパニヒリズムに潜む「代理満足」(フロイト)の心理 ・オタクならぬ「推し活者」の消費をめぐる強迫観念 ・twinpale(ツインペイル)『ショートケーカーズ』

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          正直、橋川文三がシュミットを引用して保田與重郎を批判する意味がよくわからない。シュミットのようなロマン主義に対するアンビバレントは橋川には皆無。さらに言えばアンガージュマンとは一切無縁な保田が、マルクス主義から転向したというのも、彼の主張と矛盾する伝説の類にすぎないだろう。

          正直、橋川文三がシュミットを引用して保田與重郎を批判する意味がよくわからない。シュミットのようなロマン主義に対するアンビバレントは橋川には皆無。さらに言えばアンガージュマンとは一切無縁な保田が、マルクス主義から転向したというのも、彼の主張と矛盾する伝説の類にすぎないだろう。

          物語と生きる

          ※この文章は現在の自分の立場と厳密には異なります  後期近代、ポストモダン、呼び方はどちらでもよい。フーコーのいう「生権力」が跋扈するこの時代にあって、道徳ならぬ倫理の重要性は日ごとに増している。修身斉家治国平天下。現状を受けいれるにせよ抗うにせよ、己の律し方、目の前の人間との向き合い方を問うことなしに親密性はあり得ず、したがって虚構としての社会も成立しない。まず、昨今のポリティカル・コレクトネス現象を反面教師として、その倫理について考えてみよう(他人を観察するつもりが、そ

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          民俗と「常なるもの」

           佐藤光・中澤信彦編「保守的自由主義の可能性 知性史からのアプローチ」という本を眺めていた。中川八洋の悪影響もあり昨今忘れられがちな、保守主義と自由主義の関係についても示唆に富む良書だ。  佐藤光は保守主義における時間感覚を、「回帰する時間か同時存在する時間」と表現している。「カール・マンハイムが鋭く指摘したように」と述べているが、これは「保守主義的思考」のことだ。

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          民俗と「常なるもの」

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          憂鬱に見つかってはならない。自分自身が憂鬱と化してしまう。 我を忘れて夢中に駆け抜ける塊にならなくては。

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          今村仁司のベンヤミン解釈に対する大貫隆の言及について調べたい

           Twitterで壱村健太さんが興味深い言及をされていたので、ここにメモしておく。  壱村さん曰く、今村仁司はベンヤミン「歴史哲学テーゼ」を非神学化して解釈したのだという。その読解について、アガンベン「残りの時」邦訳に収録されている訳者の上村忠夫との対談において、大貫隆が言及しているというのだ。  雑誌「最前線」に寄稿した「物語の力」はレーニン論として十分とは言えない。それでもあの時の自分に書けた最上の文章だと思っている。期限に追い込まれてものを書く時、論じるテーマに対し

          今村仁司のベンヤミン解釈に対する大貫隆の言及について調べたい

          創作メモ(23年11月)

          ¥290

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          ¥290

          にゅんさんの「「通貨」とは?- 理論と言語体系」を読んで

           かねてより、不勉強な僕はMMTに対しある違和感を感じ続けていたのだけれど、にゅんさんの新しい記事を読み、これが氷解した。  「MMTは現代の経済を形而上学的に語っていやしないか?」  この疑問に対するにゅんさんの回答を一言にまとめると、MMTは括弧付きの真実を述べるパースペクティブの一つだということだ。にゅんさん曰く、これに最も自覚的なのがビル・ミッチェルなのだという。  紙幣や高貨という形で「通貨」を発行する権力主体からすれば、「独自の地域通貨」は「通貨」と見なされな

          にゅんさんの「「通貨」とは?- 理論と言語体系」を読んで

          偶像を演じるとはどういうことか。身も蓋もない言い方をすれば、騙すということだろう。 演出家は演者が観客を騙していることを熟知するべきだ。その上で観客とどう向き合うかについて、演者と意見をすり合わせることが重要だろう。

          偶像を演じるとはどういうことか。身も蓋もない言い方をすれば、騙すということだろう。 演出家は演者が観客を騙していることを熟知するべきだ。その上で観客とどう向き合うかについて、演者と意見をすり合わせることが重要だろう。

          ポストモダン人類学と「1968年」【完成】

           これまで人類学の仕事は、例えばマルセル・モースが顕著であるように、既存の資本主義のあり方を相対化する役割を果たすものだった。「万物の黎明」が翻訳され、注目されているデヴィッド・グレーバーはアナキストの活動家だった。  さらにその文脈を掘り下げていこう。この前YouTubeの動画で紹介した、ヴィヴェイロス・デ・カストロなどのポストモダン人類学の流れはアナキズム的な性格が強く、1968年の革命の延長線上の思想として位置づけられる。  ポストモダン人類学は、レヴィ=ストロース

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          ポストモダン人類学と「1968年」【完成】

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