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「意味」の不思議に憑かれ濫読の途上で博士(学術)号取得。コミュニケーションを考える法人の代表兼大学非常勤講師。 顕著な業績は自宅(@4歳と2歳が登園自粛で在宅中)から遠隔講義を実施したこと。 https://note.com/way_finding/n/n5af3a19375b7

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「意味」の不思議に憑かれ濫読の途上で博士(学術)号取得。コミュニケーションを考える法人の代表兼大学非常勤講師。 顕著な業績は自宅(@4歳と2歳が登園自粛で在宅中)から遠隔講義を実施したこと。 https://note.com/way_finding/n/n5af3a19375b7

マガジン

  • 深層意味論で読む『神話論理』×『秘密曼荼羅十住心論』

    クロード・レヴィ=ストロース著『神話論理』 弘法大師空海著『秘密曼荼羅十住心論』 この二冊を並べて読む試みです。 導きの系は「構造」と「曼荼羅」と、深層意味論(意味分節理論)

  • 意味分節理論とは

    深層意味論ー意味分節理論の奥深い世界へ

  • 深層意味論/意味分節理論

    「ことば」と「意味」の謎にせまる、読書の軌跡をまとめました。

  • 文化人類学がおもしろい

    わたくしコミュニケーションを専門とする博士(学術)の筆者が”複数の他者のあいだのコミュニケーションを記述すること”という切り口から文化人類学の文献を読んで行きます。 わたしは文化人類学については素人ですが、一介の読書趣味者としてレヴィ=ストロース氏の著作の大ファンです。

  • おすすめの【本】‐読書メモ

    仕事柄、日々いろいろな本を読んでいます。幸運にも出会えたおもしろい本をご紹介します。

最近の記事

  • 固定された記事

AI、曼荼羅、深層学習。神話の論理と言語の未来 -意味分節理論応用編(2)

チャットAIの知性と、人類の知性ChatGPTの登場をきっかけに対話型の文章生成AIが注目を集めている。 わからないこと、知りたいことを対話型のAIに質問でも相談でもすれば、まるで親切でポジティブな人間のように的確な文を返してくれる。 例えば「○○とは何か?」式の質問(つまり「○○とはXXです」と答えることができる質問)や、学生のレポートや仕事の資料に使う文章やメールの文案といった、いままで私たちを「はて、どう書いたら良いものか…」と日々悩ませ、生産性と称されるものを低下

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    • 『神話論理1 生のものと火を通したもの』の最後のページを読む -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(26)

      クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第26回目です。前回の記事はこちら↓です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?!)いただけると思います。 ついに! 今回の記事で『神話論理1 生のものと火を通したもの』を読み終わります。 もちろんシームレスに『神話論理2 蜜から灰へ』に続くので、読み終わるどころか相変わらず読み始めたばかりといった方

      • hyper-β土鍋で空中浮遊?! 対にした瞬間に「意味」が出現する -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(25)

        クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第25回目です。 前回の記事はこちら↓です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 もちろん、これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?!)いただけるようになっているのではないかと思います。 鳥たち/羽の色が多様であることの起源『神話論理1 生のものと火を通したもの』419ページから、「鳥たちの合唱」を読んでみる。このパートの主人公は「鳥」である。

        • 象徴”以前”の三元論-中沢新一・河合俊雄著『ジオサイコロジー 聖地の層構造とこころの古層』を読む

          中沢新一氏と河合俊雄氏による『ジオサイコロジー 聖地の層構造とこころの古層』を読む。特に「こころ(心)の古層」について考えてみたい。 これがこの本の冒頭に掲げられた問いである。 「こころ」のはじまるところ中沢氏は「こころ」(心)ということを”全体が均質に働くひとつのもの”とは考えない。「こころ」(心)には、いくつかの異なった働き方があり、それらがつながりあい、もつれあい、重なり合っている。 この「こころ」の多様で複雑な複合性を記述するために、仮に「こころ」を地球の大地の

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        • 中沢新一著『レンマ学』を読む
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          人間の起源とは? -神話にみる”心”の存在分節・意識分節と、空海の『吽字義』の世界 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(14)

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          区別されたものについての知能と 区別することについての智慧見えるとか、見えないとか 感覚できるとか、できないとか あるとか、ないとか そういうことを言えることを可能にしている、構造というか、アルゴリズムというか、流れというか、システムというか、なんとも言えないようなこと ”それ”を外から分節すると、もう”それ”ではなくなってしまうなにか それに惹かれながらも、この感覚世界を”それ”の象徴として生きる智慧を。 ノブタの起源 「かつて、ノブタは人間だった」 さて、クロ

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          レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(7) 二項関係は四項関係であり四項関係は二重の四項関係つまり八項関係である

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          (前回の記事(第六回)はこちら↓) レヴィ=ストロース氏の『神話論理I 生のものと火を通したもの』を深層意味論・意味分節理論として読む。今回は神話について”記述する”とはなにをすることかという話である。 神話、音楽、詩、絵画 神話に限らず、ある何かのことを別の何かで記述する場合、そこには八項関係が動いており、複数の八項関係だけがあり、八項関係たちの「外」はない。これが前回までの趣旨である。 * ある何かのことを、別の何かで記述する。 これは前者(ある何か)と後者(

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          レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(6) 『神話論理』×空海『十住心論』 -言語の分節を多重化し、「心」の分節も多重化する

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          (前回の記事(第五回)はこちら↓) 三重のコード『神話論理I 生のものと火を通したもの』の序文に次の一節がある。 前回も少し触れたが、改めてコードが三重である点に注目して読もう。 一次的コード:言語のコード=分節システム 二次的コード:神話が語ることのコード=分節システム 三次的コード:二次的コードを設定するコード(神話の分節システムを発生させている分節システム)、と仮に言い換えておこう。 一次的コードは言語のコードである。 これを「意味するもの」と「意味されるも

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          清水高志氏の『空海論/仏教論』に導かれつつレヴィ=ストロースの『神話論理』を読む -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(24)

          クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第24回目です。 前回の記事はこちら↓です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができますが、これまでの記事を続けて読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 さて今回は、クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』に入る前に、清水高志氏の新著『空海論/仏教論』を紐解いてみようと思います。 清水氏の『空海論/仏教論』は、レヴィ=ストロース氏が『神話論理』で

          レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を精読する試み! 本日も以前書いた記事を大幅にリライトして公開しました。 変身する媒介者が世界を出現させる https://note.com/way_finding/n/n1f3c56a54274 清水高志氏の『空海論/仏教論』に触発され、以前書いた記事を読み直しては手を加えています

          清水高志氏の『空海論/仏教論』107ページ φ(。。; 「具体的なもの」が「包摂分類され」たものが属性なのではなく、 「属性同士が「組み合わせ」られて具体的なものを多様につくる」 後者はまさに曼荼羅! 起信論の”心”真如も互いに区別される属性のペアを組み合わせる動きと読めば…

          このところ連載しているレヴィ=ストロース氏の神話論理を深層意味論で読む試み。昨年12月に公開した「基準神話 コンゴウインコとその巣」の分析をリライトしました。 https://note.com/way_finding/n/n6ddf0a90e8cf 分析の途中でさかのぼって書き直したくなるのもブリコラージュということで。

          清水高志氏の新著『空海論/仏教論』に没頭中(。。; 全編通じて眼が離せないのだけれど、たとえば「『吽字義』考」の「縁起とテトラレンマ」から「唯識と華厳」のあたり。何度も読み返しては、その都度唸る。この本を読ませていただけるとは、40過ぎまで長生き(?)した価値があったというもの

          猿-人間-獲物-嘘-カエル-煤-毒-魚/経験的事物の対立関係を裏返して記述される存在分節の論理 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(23)

          クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第23回目です。前回までの記事を読まなくてもだいじょうぶ。今回だけでもお楽しみいただけます! これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまで読んできた『神話論理1 生のものと火を通したもの』もいよいよクライマックス! といっても、途切れることなく『神話論理2 蜜から灰へ』と続き、読み終わるということも当分無いのでまだまだ楽しめます。 さて、前々回の「プレヤデス

          hyper-Δ項 虹、そして金星 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(22)

          クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第22回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 前回の記事では、図1に示す八項関係においてΔのうちのどれかひとつが空っぽの「抜けた穴」になった場合、そこにしばしば「プレヤデス星団」という項が充当されるという話を検討した。 なぜ唐突に「プレヤデス」なのか? それはプレヤデスと非-プレヤデスの対立関係が「分節している/分節していない」「存在する/しない」

          里見龍樹 著『不穏な熱帯』に没頭中 二分法からも、関係論的な一元論からも逃れる不穏で、不確かで、語り得ないモノたちと生きることφ(。。 語り得ないものについて、「語り得ない」と語る。 『不穏な熱帯』は読み物としても先が気になって止まらない。 最近の人類学はやっぱりおもしろい。

          hyper-Δ項プレヤデス -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(21)

          クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第21回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 前回の記事では、ワニの背に乗って水界を渡ろうとする主人公が、言葉のトラブルでワニに追われるはめになり、追いつかれてはやり過ごしまた追いつかれてはやり過ごす、追う者と追われる者が分離と結合を繰り返す、という因幡の白兎風の神話を取り上げたました。 (前回の記事はこちら↓) * 二が一になり一が二になる動き

          川を渡ること・言葉を交わすこと/騙す言葉〜因幡の白兎  -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(20)

          クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第20回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでお楽しみ(?!)いただけるはずです。このシリーズのエッセンスは下記の記事に書いていますので参考にどうぞ。 「構造」は脈動する?!レヴィ=ストロース氏といえば「構造主義」の思潮のきっかけを作った人物のひとりと目されている。わたしたちは『神話論理』から、レヴィ=ストロー

          分別しつつ、分別しない「心」から生じる世界 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(19)

          クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第19回目です! これまでの記事を読まなくても大丈夫。 今回だけでお楽しみ(?!)いただけるはずです。 このシリーズのエッセンスは下記の記事に書いていますので、ご興味ありましたら参考にどうぞ。 ◇ / ◇ 二重の四項関係はダイナミックな脈動の波紋であり 二重の四項関係が実体として「ある」わけではない これまでの一連の『神話論理』を読む試みを通じて、私は下記の二重の四項関係=八

          1項に8項を幻視する叡智 −レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(18)

          クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第18回目です。 これまでの記事を読まなくても大丈夫。 今回だけでお楽しみ(?)いただけるはずです。 前の記事で、人間とAIがハイブリッドになっていく中で、近い将来「ことば」ということがどのようになっていくのか、その可能性をどのように考えることができるのか、といったことを考えてみた。 この「人間の」でもなく「AI(人工知能)の」でもない、「ことば」の力について想いを巡らせる上で