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神話の「構造」はダイナミックで生成的である -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(61_『神話論理3 食卓作法の起源』-12)
クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第61回目です。これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 ちょうど中沢新一氏によるレヴィ=ストロース論『構造の奥』を読んでいるところ、ということで、今回の『神話論理』精読は、「構造」にフォーカスしてみよう。 神話の論理をどのようにモデル化するかこれを書いているわたしがレヴィ=ストロースを読み、わたしなりの読みの補助
不老不死の妙薬/語への執着を断つ妙薬 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(59_『神話論理3 食卓作法の起源』-10)
クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第59回目です。これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 今回は、前回の記事の続きです。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。と、いつも書かせていただいているが、今回に限り、前回を読んでおくことをお勧めします。と、書こうかと思いましたが、やっぱり前回を読んでも読まなくてもいいです。線形に読んでもいいし、線形に読まなくてもいいです。 * 前回の記事の最
「三枚のお札」と「かぐや姫」は同じ話?! -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(58_『神話論理3 食卓作法の起源』-9)
クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第58回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 まさかそんな「三枚のお札」と「かぐや姫」は"同じ話"である。 まさか、そんなはずないだろう! またいい加減なことを書いている! と憤慨される向きもあるだろうが、ところがまさか、神話論理という観点からすれば、この二つは「同じ」なのである。 もちろん、かぐ
猿かに合戦で月を生成する深層の”心” -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(57_『神話論理3 食卓作法の起源』-8)
クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第57回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 分離すべきところを結合し、結合すべきところを分離することと、親族構造の起源 前回の記事の最後にレヴィ=ストロース氏の友人であるジャック・ラカンの『精神分析の四基本概念』に記された一節を紹介した。 陰/陽、火/水、寒/暖、男/女といった”経験的で感覚的な区
カエルの跳躍で、観念のもつれをほどく -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(55_『神話論理3 食卓作法の起源』-6)
クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第55回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 観念はどのように相互作用するかグレゴリー・ベイトソンが『精神の生態学へ』の冒頭に書いている、ひとつの問い。 「観念はどのように相互作用するのか」 この問いは、もう何年も、わたしを捕らえて離さない。 観念がどのように相互作用するか。 これは切実な大問題だと
超感覚的世界を感覚するための器官としての言語の神話論理モード -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(53_『神話論理3 食卓作法の起源』-4)
クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第53回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 経験的区別を概念の道具にして 抽象的観念を抽出レヴィ=ストロース氏は『神話論理』の第一冊目『神話論理1 生のものと火を通したもの』の冒頭で次のように書いている。 『神話論理』を読んでいるうちに迷子になってしまったら、この冒頭の一節に立ち戻るといい。 *
星は天空の魚/魚は水中の星 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(52_『神話論理3 食卓作法の起源』-3)
クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第52回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 この一連の記事では、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えてきた。 即ち、神話的思考(野生の思考)とは、図1に示すΔ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の対立という二つの対立とを”異なるが同じ”ものとして結合する、と言うために