ピアノのバッハ 19: 人生最後のバッハ
バッハは、一段鍵盤のための作曲の決定版として「フランス組曲」や「イギリス組曲」を凌駕する作品「六つのパルティータ」を出版した、というのが前回のお話の趣旨でした。
今回は「パルティータ」を人生の最後の音楽として選んだ芸術家たちと、バッハを選ばなかった芸術家たちとの相違から、ピアノのバッハの問題に別の光を当ててみたいと思います。
人生最後に選ばれるバッハピアノ中級者がよく弾く、優雅な楽想と上品な舞曲が詰め込まれたフランス組曲や、ピアノ上級者が演奏会などのプログラムに組むイギリ