Logophile

Noteに書いた記事を編集してクラシック音楽と英語学習に関する本を出版することが今年の…

Logophile

Noteに書いた記事を編集してクラシック音楽と英語学習に関する本を出版することが今年の目標。有料記事を売ってNoteにも貢献します。ニュージーランドからオーストラリア移住して、その次にはヨーロッパに向かいます。AI大好き。学び続けることが人生最大の快楽です。

マガジン

  • クラシック音楽歳時期 2021-2024

    毎日聴いたり演奏したクラシック音楽のためのノート。どんな音楽に触れて思い書いたかを思い出せば、あの頃の自分を思い出すことができる。もちろん誰に読んでもらえてどんな感想をいただけるとかすれば、ますますノートは意義深いものになる。

  • noteのためのノート:自分のための独り言

    2021年4月からの覚え書。自分のために書いている、詩のような思索の断片置き場。The Private Paper of Myself...

  • Personal Bookmarks 2023‐2024

  • 英語の愉しい学び方

    最近になって、海外在住の自分は英語を当たり前のように使い続けて暮らしています。そんな自分が改めて英語を勉強しなおし始めました。本格的なアクセント矯正プログラムを受けなおして見つけた日々の新しい発見。素晴らしいです! 再発見した英語の面白さ、語彙、語源や発音、そして英詩の話など。

  • ジャズとクラシックの交差点

    ジャズとクラシックの源流を探る投稿集です。

記事一覧

固定された記事

私の最愛海外文学10選

こういう印象深いタグがXで流行っていると、わたしがフォローしている方の投稿に書かれていました。 Noteに投稿された、愛してやまない文学作品を挙げてられている方のリ…

300
Logophile
7か月前
211

ピアノのバッハ27: マルチェッロのアダージョ

今回は分かりやすく短いものです。 誰が聞いても心打たれるあろう、「お勧め」の音楽をご紹介いたします。 わたしはヨハン・セバスティアン・バッハという18世紀前半の中…

Logophile
2日前
38

ピアノのバッハ26:アルマンドについて

バロック時代の舞曲は当たり前のことなのですが、踊るための音楽だったので、舞曲には「振り付け譜」が付けられているのが普通でした。 バロック舞曲の本来の楽譜は次のよ…

Logophile
4日前
40

ピアノのバッハ25:21世紀的バッハ演奏

ピアノで弾くバッハには、一般的に二つのアプローチがあります. 器楽的なアプローチと声楽的なアプローチのことです。 バッハをピアノで演奏するにあたって、いかにして…

Logophile
10日前
57

不安に翻弄される13歳ライリーの感情たち

ディズニー・ピクサー映画「インサイドヘッド2」(オリジナル英語タイトル Inside Out 2) を映画館で見てきました。 海外在住のために、日本公開初日の8月1日に先駆けて…

Logophile
13日前
38

ピアノのバッハ(番外編3):世界で唯一のディヌ・リパッティの映像

今では伝説となった夭折したディヌ・リパッティというルーマニアのピアニストについて、わたしはたくさんの言葉をNoteに書き綴ってきました。 リパッティという不世出の演…

Logophile
2週間前
51

ピアノのバッハ 24: リパッティ未完のコラール

1950年9月16日、主治医によるドクターストップにもかかわらず、強行したブザンソン演奏会を成功させて、短かったけれども輝かしかった音楽家人生に有終の美を飾ったディヌ…

Logophile
2週間前
50

ピアノのバッハ23: バッハのオリジナル楽譜の弾き方

ディヌ・リパッティのお話の最終回を書く予定なのですが、今回も脱線。 「ピアノのバッハ」を語る上でとても大切なことなのだけど、これまでほとんど語っていなかった重大…

Logophile
3週間前
47

ピアノのバッハ 22: コルトーのアリア

ディヌ・リパッティのバッハに傾倒していた生涯の最後を締めくくるお話を書く前にほんの少しばかり、フランスのパリでリパッティの先生だった、アルフレッド・コルトー (18…

Logophile
3週間前
52

ピアノのバッハ 21: ブザンソン演奏会

リパッティの「パルティータ第一番」それでは死を前にしたリパッティが選んだ、バッハ作品の中の唯一の大曲である「パルティータ第一番」に目を向けてみましょう。 リパッ…

Logophile
1か月前
46

ピアノのバッハ 20: ディヌ・リパッティのパルティータまでの道のり

前回は、人生の終わりに美しいバッハを奏でた名演奏家たちのお話をしました。 今回は、人生をかけてバッハの鍵盤音楽を弾き続けた、夭折した天才音楽家の最後の演奏会を紹…

Logophile
1か月前
43

ピアノのバッハ 19: 人生最後のバッハ

バッハは、一段鍵盤のための作曲の決定版として「フランス組曲」や「イギリス組曲」を凌駕する作品「六つのパルティータ」を出版した、というのが前回のお話の趣旨でした。…

Logophile
1か月前
54

英語慣用句(7): Call it a day ~ ドラクエ4より

三十年ぶりにやってみたドラゴンクエストの「天空の花嫁 (ドラクエ5) 」英語版、遊びながら英語の勉強にもなりました。 なので、続けて「導かれし者たち (ドラクエ4) 」…

Logophile
1か月前
39

ピアノのバッハ 18: ヨハン・セバスチャン・バッハの作品第一番

バッハが生前に出版したクラヴィア練習曲集は全部で四巻あります。 第二巻は二段鍵盤のための作品である「イタリア協奏曲」と「フランス風序曲(パルティータロ短調)」:…

Logophile
1か月前
38

ピアノのバッハ 17: 謎の鍵盤音楽

今回はバッハが生前に出版したクラヴィア練習曲集(全四巻)について。 モーツァルトやハイドン同様に、十八世紀の音楽家ヨハン・セバスチャン・バッハのほとんどの作品は…

Logophile
1か月前
47

ピアノのバッハ 16: トッカータハ長調とディヌ・リパッティ

ここしばらく、夭折したディヌ・リパッティ(1917-1950) というピアニストの伝記をゆっくりと読み進めています。 リパッティの生まれ故郷のルーマニアの音楽研究者(ブダペ…

Logophile
1か月前
53
私の最愛海外文学10選

私の最愛海外文学10選

こういう印象深いタグがXで流行っていると、わたしがフォローしている方の投稿に書かれていました。

Noteに投稿された、愛してやまない文学作品を挙げてられている方のリストを見て、

と思わずため息をつきました。

最近はAIを学ぶのに忙しくて長編小説なんて読めやしないのです。

昔は本当にたくさんの小説を読みました。

小説が自分の人格形成に与えてくれた影響は計り知れないないのですが、たくさん読ん

もっとみる
ピアノのバッハ27: マルチェッロのアダージョ

ピアノのバッハ27: マルチェッロのアダージョ

今回は分かりやすく短いものです。

誰が聞いても心打たれるあろう、「お勧め」の音楽をご紹介いたします。

わたしはヨハン・セバスティアン・バッハという18世紀前半の中部ドイツで宮廷音楽家・教会音楽家として生きた作曲家の生涯に深い興味を抱いていて、いろんな研究者による伝記(日本語・英語)を読み漁っています。

享年65歳のバッハの人生の後半、聖トマス教会のカントル(音楽監督)として過ごしたほぼ人生の

もっとみる
ピアノのバッハ26:アルマンドについて

ピアノのバッハ26:アルマンドについて

バロック時代の舞曲は当たり前のことなのですが、踊るための音楽だったので、舞曲には「振り付け譜」が付けられているのが普通でした。

バロック舞曲の本来の楽譜は次のようなものです。

一段の五線譜の下に、踊るための腕の動作に足の動きが図示されています。

舞曲は、踊り手を自然に踊らせるために拍節感を感じさせることが肝心。

または

踊り手に正しいリズムの拍を伝えることが第一の目的。

拍の強拍リズム

もっとみる
ピアノのバッハ25:21世紀的バッハ演奏

ピアノのバッハ25:21世紀的バッハ演奏

ピアノで弾くバッハには、一般的に二つのアプローチがあります.

器楽的なアプローチと声楽的なアプローチのことです。

バッハをピアノで演奏するにあたって、いかにしてピアノの音を出すべきか?

ピアノの性質の違いを他の鍵盤楽器と比較してみると、自ずと問題は明らかになります。

ピアノという楽器は、鍵盤に触れた指を離しても音はすぐには消えないで、音は漸減しながら残響として、いつまでも音は鳴り続けます。

もっとみる
不安に翻弄される13歳ライリーの感情たち

不安に翻弄される13歳ライリーの感情たち

ディズニー・ピクサー映画「インサイドヘッド2」(オリジナル英語タイトル Inside Out 2) を映画館で見てきました。

海外在住のために、日本公開初日の8月1日に先駆けて、映画館で観ることができたのです。

この投稿は、新作映画「インサイドヘッド2」をより楽しく見れるように、ネタバレしない範囲で解説して、自分も絶対に見てみたい!と思わせたい(笑)という記事です。

と言われる方は、読むのは

もっとみる
ピアノのバッハ(番外編3):世界で唯一のディヌ・リパッティの映像

ピアノのバッハ(番外編3):世界で唯一のディヌ・リパッティの映像

今では伝説となった夭折したディヌ・リパッティというルーマニアのピアニストについて、わたしはたくさんの言葉をNoteに書き綴ってきました。

リパッティという不世出の演奏家の知名度を高めることに、少しばかりでも貢献できるかもしれないということ、独りよがりなものでも、自分にはとても嬉しいことですね。 

リパッティが今日においてもクラシック音楽愛好家の間でよく知られているのは、死期を悟り始めた彼が、迫

もっとみる
ピアノのバッハ 24: リパッティ未完のコラール

ピアノのバッハ 24: リパッティ未完のコラール

1950年9月16日、主治医によるドクターストップにもかかわらず、強行したブザンソン演奏会を成功させて、短かったけれども輝かしかった音楽家人生に有終の美を飾ったディヌ・リパッティ。

残された時間は三か月にも満たないという少ないものでした。

演奏会から一週間後、ずっと会いたいと願っていた母親も故国ルーマニアからようやくスイスまで駆けつけて、最愛の母親に看病されながらディヌは静かに穏やかに人生最後

もっとみる
ピアノのバッハ23: バッハのオリジナル楽譜の弾き方

ピアノのバッハ23: バッハのオリジナル楽譜の弾き方

ディヌ・リパッティのお話の最終回を書く予定なのですが、今回も脱線。

「ピアノのバッハ」を語る上でとても大切なことなのだけど、これまでほとんど語っていなかった重大事項について。

つまり、バッハの楽譜には、ベートーヴェンやショパンやブラームスやラヴェルの楽譜には必ず書かれている、弱音や強音や増減表現などの発想記号(Expression Marking/Dynamic Marking)が全く書かれて

もっとみる
ピアノのバッハ 22: コルトーのアリア

ピアノのバッハ 22: コルトーのアリア

ディヌ・リパッティのバッハに傾倒していた生涯の最後を締めくくるお話を書く前にほんの少しばかり、フランスのパリでリパッティの先生だった、アルフレッド・コルトー (1877-1962) のバッハについて、少し短いお話を書いておきましょうか。

名演奏家で名教師だったコルトーには、世界的な演奏家となった個性豊かな弟子たちがたくさんいました。

なかでも、リパッティはコルトーが彼らの中でも最も才能ある生徒

もっとみる
ピアノのバッハ 21: ブザンソン演奏会

ピアノのバッハ 21: ブザンソン演奏会

リパッティの「パルティータ第一番」それでは死を前にしたリパッティが選んだ、バッハ作品の中の唯一の大曲である「パルティータ第一番」に目を向けてみましょう。

リパッティのバッハ録音に選ばれた曲は七つあります。

いくつかの曲には複数の録音が確認されますが、最晩年のものが録音的に最も優れていています。

ピアノ協奏曲ニ短調(1990年に発見された1947年の非正規ライヴ録音)

オルガン小曲集のコラー

もっとみる
ピアノのバッハ 20: ディヌ・リパッティのパルティータまでの道のり

ピアノのバッハ 20: ディヌ・リパッティのパルティータまでの道のり

前回は、人生の終わりに美しいバッハを奏でた名演奏家たちのお話をしました。

今回は、人生をかけてバッハの鍵盤音楽を弾き続けた、夭折した天才音楽家の最後の演奏会を紹介するまでの導入部。

ディヌ・リパッティのバッハこそは、「ピアノのバッハ」の究極にして、空前絶後のクラシック音楽界の伝説です。

ディヌ・リパッティ(1917‐1950)ホルショフスキーやアラウなどの名ピアニストたちは、数十年にわたる偉

もっとみる
ピアノのバッハ 19: 人生最後のバッハ

ピアノのバッハ 19: 人生最後のバッハ

バッハは、一段鍵盤のための作曲の決定版として「フランス組曲」や「イギリス組曲」を凌駕する作品「六つのパルティータ」を出版した、というのが前回のお話の趣旨でした。

今回は「パルティータ」を人生の最後の音楽として選んだ芸術家たちと、バッハを選ばなかった芸術家たちとの相違から、ピアノのバッハの問題に別の光を当ててみたいと思います。

人生最後に選ばれるバッハピアノ中級者がよく弾く、優雅な楽想と上品な舞

もっとみる
英語慣用句(7): Call it a day ~ ドラクエ4より

英語慣用句(7): Call it a day ~ ドラクエ4より

三十年ぶりにやってみたドラゴンクエストの「天空の花嫁 (ドラクエ5) 」英語版、遊びながら英語の勉強にもなりました。

なので、続けて「導かれし者たち (ドラクエ4) 」英語版もやってみました。

ドラクエ4英語版のタイトルは

直訳すると「選ばれし者の章」。

前回やったドラクエ5では、ゲームの中の英語方言の多彩さや慣用句の豊富さに感心しましたが、やはりドラクエ4でも、さらなる面白い英語表現に出

もっとみる
ピアノのバッハ 18: ヨハン・セバスチャン・バッハの作品第一番

ピアノのバッハ 18: ヨハン・セバスチャン・バッハの作品第一番

バッハが生前に出版したクラヴィア練習曲集は全部で四巻あります。

第二巻は二段鍵盤のための作品である「イタリア協奏曲」と「フランス風序曲(パルティータロ短調)」:

第三巻はオルガンのための<オルガンミサ曲集>:

第四巻はバッハ鍵盤音楽の最高傑作「ゴルトベルク変奏曲」でした。

今回は、第一巻「パルティータ BWV825-830」 について。

記念すべき作品1実はこの曲集、ヨハン・セバスティア

もっとみる
ピアノのバッハ 17: 謎の鍵盤音楽

ピアノのバッハ 17: 謎の鍵盤音楽

今回はバッハが生前に出版したクラヴィア練習曲集(全四巻)について。

モーツァルトやハイドン同様に、十八世紀の音楽家ヨハン・セバスチャン・バッハのほとんどの作品は生前に出版されることはありませんでした。

ですので現在、彼らの作品を紹介するのに、作品番号が用いられることはほとんどありません。出版していないと作品番号はないので当然のことです。

生涯全ての作品を整理してわかりやすくするのに、モーツァ

もっとみる
ピアノのバッハ 16: トッカータハ長調とディヌ・リパッティ

ピアノのバッハ 16: トッカータハ長調とディヌ・リパッティ

ここしばらく、夭折したディヌ・リパッティ(1917-1950) というピアニストの伝記をゆっくりと読み進めています。

リパッティの生まれ故郷のルーマニアの音楽研究者(ブダペスト音楽院の教授二人)によって書かれた本格的な評伝。

英語で書かれた唯一の伝記のようです。邦訳はなし。

1997年(1996年12月)の出版。

日本では本書出版十年後の2007年にこの評伝を踏まえたらしい、日本語オリジナ

もっとみる