腹式呼吸

本が好きな高校生/職業はクソオタク

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最近の記事

読みかけの本

世の中には三種類の人間がる。 積読する人間、積読しない人間、そして積読”できない”人間だ。 かくいう私は間違いなく三番目のタイプに当てはまるのですが、要は「躊躇せず気になる本に手を出し続けていった結果、自分の読書スピードでは対処しきれずに読みかけの本が大量発生する」というちょっと考えれば誰でもわかる結末から抜け出せないタイプの残念な読書好きなのです。読みかけの本はいくら積み上げたとしても所詮”読みかけの本”に変わりはないので、「入手した書籍を読むことなく自宅で積んだままにし

    • 中野に行ってきた

      オタクなのでオタクらしく、オタクの友人を引き連れてオタクの聖地に行ってまいりました。 中野ブロードウェイ!! お盆明けというのもあってやはり人出は相当多い印象です。この辺りは外国人観光客の方も多いですしね。中野駅からブロードウェイを繋ぐ商店街の人だかりと熱気がすごくて途中逃げ入ったコンビニで買った伊右衛門がめちゃくちゃ美味かった。 無事ブロードウェイに到着し、見渡すと… …普段我々を真っ先に出迎えてくれるはずの等身大メーテルがなぜかいない。代わりにメーテル等身大パネルが

      • アムロ・レイのモデル (らしい) ルナールの『にんじん』の話

        だいぶ前、とある動画の切り抜きでオタキング殿が「御禿曰くガンダムのアムロのモデルはルナールの『にんじん』」と言っていたのを見かけたので、早速読んでみました。フランス人小説家 ジュール・ルナールの『にんじん』。 主な登場人物は、ルピック夫妻、姉のエルネスチーヌ、兄のフェリックス、主人公の「にんじん」ことフランソワ・ルピック。にんじんの本名が作中であまりにも出てこないのですっかり忘れていました。フランソワフランソワフランソワフランソワ… あらすじにもあるように「にんじん」は何

        • ショーペンハウアー『読書について』について

          今日はこちらの本を紹介したいと思います。 『読書について』の話 一言で言えば、読書好きが、ニヤニヤヒヤヒヤしながら読む本です。 光文社古典新訳文庫のこの本には「自分の頭で考える」「著述と文体について」「読書について」の三篇が収録されており、いずれもドイツの哲学者アルトゥール・ショーペンハウアーの『余録と補遺』から訳出されている。 特に二篇目の「著述と文体について」が分量的にも一番多く、本全体の半分以上を占めている上に際立って始終毒舌…積もり積もった怒りの感情むき出しで

        読みかけの本

          『超面白くて眠れなくなる数学』の話

          この本はとある事情で数学に関する本を読めという謎のタスク(夏休み恒例強制イベ)が課された影響で、目の前にあった読みやすそうな一冊を選んで図書館から借りてきたもの。なのでぶっちゃけ読む喜びより読み終わった安心感の方が大きかったのですが、内容がとても面白かったので細かいことは気にせずいつも通り紹介をしたいと思います。 『超面白くて眠れなくなる数学』の話 どんな本でもレーベルチェックは必須!! なので早速裏表紙を見てみると、発行所:PHP エディターズ・グループと書いてありま

          『超面白くて眠れなくなる数学』の話

          トルストイ民話『名づけ子(洗礼の子)』の話

          ずいぶん古い本を引っ張り出してきました。 旺文社文庫のロシア民話集『イワンの馬鹿』。 コーヒーにでも浸したのかというくらい全体的に茶色いので発行年を確認してみたら、1980年と書いてありました。納得の色合いです。 『イワンの馬鹿』は昔から好きで、太宰治と並んでよくポッケに入れて持ち歩いていた思い入れのある本の一つ。しばらく読んでいなかったので本棚の奥の方にありましたが、無事救出できたので今日はこの中からお気に入りの一作品『名づけ子』の紹介をしたいと思います。 (今では『洗

          トルストイ民話『名づけ子(洗礼の子)』の話

          『フロイト入門』読みかけ放置の罪滅ぼしでソポクレス『オイディプス王』を紹介

          積読の是非って永遠のテーマですよね。 半分程読んだ状態で気付いたら数か月放置してしまっていた筑摩書房の『フロイト入門』が見るにいたたまれないので、今日はフロイト心理学に関連して『オイディプス王』の話をしたいと思います。罪滅ぼしとして成立するのか若干微妙なところではありますが、細かいところには目を瞑っていただけるとありがたい。 まずは言い訳 ギリシャ神話の最高傑作と名高いソポクレスの『オイディプス王』。かの有名な哲学者アリストテレスは著作『詩学(創作論)』の中で、優れた作

          『フロイト入門』読みかけ放置の罪滅ぼしでソポクレス『オイディプス王』を紹介

          「バルカン砲が外装式になっただと…?冗談ではない!」

          最近本の話ばかりだったので唐突ですが、ちょっとばかり漏れの好きなガンダムの話をさせてください(唐突) 宇宙世紀ガンダムを全作観ようと意気込んではや一年、今だZガンダムの途中まで視聴という大変不届き者の私ですが、現時点でどうしても物申したい事が一つだけあるのです。許せサスケ。 ガンダムMk‐Ⅱのバルカン砲が!RX-78-2では頭部バルカンとして大活躍していたアイツが!外装式になっている!! Zを観始めて最初の頃は「何かバルカン砲撃つ時の動きに違和感あるな…」ぐらいにしか思

          「バルカン砲が外装式になっただと…?冗談ではない!」

          一年…三百六十五回の失望からなる一期間。

          『悪魔の辞典』という”悪魔の辞典”をご存じだろうか。 風刺と機知に富む社会批判で、アメリカ草創期のジャーナリズムで辛辣な筆を揮ったアンブローズ・ビアスの箴言警句集。1881年から1906年に至るまで、とある週刊誌に寄稿した文章が一冊の書物に集められて出版されたものが始まりで、ビアスによって辞書的意味にとらわれずに(大いに偏見、風刺をはらんだ態度で)解釈された数多くの言葉が掲載されている。 版によって収録された見出し語の数と種類に大きな違いがあるようですが、今回は岩波文庫『新

          一年…三百六十五回の失望からなる一期間。

          学校図書館に『目玉の話』があった話と、目玉の話の話

          私の学校の図書館に置いてある海外文学はなぜか光文社古典新訳文庫出版のものが多いので、もしかしたらと思い探してみたら、ありました。バタイユ小説の白眉『マダム・エドワルダ/目玉の話』。 えぇ…(困惑) 随分あっさり見つけてしまった。この本が許容範囲だと言うのなら世の大概の本はあらゆる蔵書基準を簡単に満たしてしまうと思うのは私がまだ青いからでしょうか。そもそもコイツは他の海外文学作品と並んで学校図書館を住処としても許される書物なのでしょうか。 正気かしら。ならば少なくとも学校

          学校図書館に『目玉の話』があった話と、目玉の話の話

          『魚服記』のスワと『紅い花』のキクチサヨコ

          太宰治『魚服記』のスワと、つげ義春『紅い花』のキクチサヨコが、とても似ている。 紅い花を初めて読んだときは衝撃を受けました。 私が魚服記と出会ったのはだいぶ前の話で、太宰の短編作品の中でもかなり好きな方なのですが、そこに出てくるスワという少女に抱いていたイメージが、紅い花の主人公キクチサヨコとあまりにもマッチしていたのです。 さらに、話の展開は違えど、根底に流れるテーマみたいなものの共通性を勝手に見出して夜も眠れないので、今日はその話をします。 『魚服記』は太宰治の最初の

          『魚服記』のスワと『紅い花』のキクチサヨコ

          今日から使える『戦場行動マニュアル』

          最強のマニュアル本を見つけました。 デカい本屋のミリタリーコーナーで見るからに異彩を放っていた本。表紙のインパクトに負けて買ってしまった。 この本では有事の際に民間人が心得ておくべき行動指針や具体的な行動がマニュアル化され、丁寧に説明されていています。〈開戦前・ゲリラ攻撃とテロリズム・開戦・占領・戦場を生き抜く技術〉という大きく分けて5つの状況別でそれぞれシナリオが仮定されていて、その都度段階別に我々がとるべき最善の行動についてまとめてあるのでとても分かりやすい。 「民

          今日から使える『戦場行動マニュアル』

          悪魔、聖書、歎異抄、悪魔

          お気に入りの本棚の一角 …視覚的に興奮しますね。 本屋などでは絶対に見かけない配置です。元々聖書を悪魔の辞典とデビルマンで挟んでいたのですが、歎異抄を読み終えて置き場に困ったので聖書の横に添えることにしました。何故かデビルマン2が写っていませんがあまり気にしないでください。 みんな大好き悪魔の辞典についてはまた他の投稿で触れたいと思っているので、今回はちょっとだけ歎異抄の紹介を… 歎異抄の話 歎異抄は、浄土真宗の宗祖とされる親鸞に師事した唯円が鎌倉時代後期に書いたと

          悪魔、聖書、歎異抄、悪魔

          自己紹介

          初めまして、腹式呼吸です。 最初の投稿なので自己紹介をさせていただきます。 職業:学生 好きなもの:本 アニメ 漫画 映画 本が好きです。幼少期の絵本に始まりかいけつゾロリやハリーポッターなどの王道書物と共に健全に育ちましたが、小学校高学年のあたりからだんだん趣味が偏ってきたような気がします。小6の頃はいつもポッケに斜陽を入れていました。 ちなみに文庫本を制服のポッケに入れる癖は今でも治っていません。やってみるとあれ案外すんなり入るんですよ… note始めたの一番の目的