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読みかけの本

世の中には三種類の人間がる。
積読する人間、積読しない人間、そして積読”できない”人間だ。

かくいう私は間違いなく三番目のタイプに当てはまるのですが、要は「躊躇せず気になる本に手を出し続けていった結果、自分の読書スピードでは対処しきれずに読みかけの本が大量発生する」というちょっと考えれば誰でもわかる結末から抜け出せないタイプの残念な読書好きなのです。読みかけの本はいくら積み上げたとしても所詮”読みかけの本”に変わりはないので、「入手した書籍を読むことなく自宅で積んだままにしている状態」を意味する「積読」の定義にすら当てはまりません。

ということで今回は「読みかけの本紹介」。
「今読んでいる本紹介」とかの方が聞こえがいい気もしますが、とにかく現在我が家の本棚で、少し読まれては積まれまた読まれては積まれを繰り返している、中でも特にその回転数が多い期待の数冊を紹介したいと思います。

①哲人皇帝著『自省録』

マルクス・アウレリウス・アントニヌス『自省録』

版が新しいのでお洒落な表紙です。
五賢帝時代の哲人皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスの『自省録』。第12巻から成り、巻末には大量の注が記載されている。

マルクス・アウレーリウスの手記として編纂されたこの本には、彼の日常生活(と言っても今の我々からしたらとても日常と言えるような生活ではないでしょうが)の中で、感慨の言葉や自省自戒の文章などが箇条書きのような形で収録されています。

長いものもあれば、一言で簡潔にまとめているものもありマチマチです。内容も彼の「哲人」の名にふさわしく難解で抽象的な概念を語るものもあれば、そのまま現代の我々にも当てはまるようなある意味卑近でとても分かりやすい自戒の言葉もある。

なにしろ彼は五賢帝の一人として数えられるパクス・ロマーナ時代の皇帝なので、『眠りから起きるのがつらいときには』などといって始まる文章を見つけたときは何だかとても元気が出ました。

ちなみにそんな時は

『つぎのことを思い起せ。社会に役立つ行為を果たすのは君の構成素質にかなったことであり、人間の(内なる)自然にかなったことであるが、睡眠は理性のない動物にさえも共通のことである。しかるに各個人の自然にかなったことはその人にとって何よりも特有なことであり、なによりもふさわしいことであり、したがってなによりも快適なはずである。』

第8巻 一二

だそうです。笑

②福沢諭吉『学問のすゝめ』

福沢諭吉『学問のすゝめ』

とうとう手を出してしまった!!
こちらも岩波文庫出版の『学問のすゝめ』。全17編からなる、何というか…学問のすゝめです。もはや説明不要ですね。

文語体で書かれているため多少読みにくさは感じますが、作中で本人も『民間の読本たるべき学問のすゝめ』と書いている通り、個人的な感想としては口語のくせにやたら難解で死ぬかと思った岩波歎異抄の解題に比べたらよっぽど楽勝だというのが正直なところです。

ただ一つ、ネタバレですが、4編で何故か急に難しくなるんですよ。今まで順調に読み進めていたのに急にそこで足止めを食らい、「これこの調子で続いたら結構キツいな…」と思いながら何とか読み切って5編の最初を見ると、何ということでしょう、

1~3編は努めて簡単な文章で書いたけど4編はちょっと難しくしたよ、5編からはまた元の文体に直すから安心して読んでね(意訳)

的なことが書いてあったのです。

…いや先に言えよ!俺の心配返せよ!となること間違いなしなので、もしこれから学問のすゝめを読む方がいれば4編で挫折しても5編からやり直せるので安心してください。まだ最後まで読めてないので言いたいのはそれだけです。

③トマス・マロリー『アーサー王の死』

トマス・マロリー『アーサー王の死』

こちらはちくま文庫出版。正確に言うと読みかけではなく、一度通読したけどもう一度読みたくなって読み返している最中のものです。

一言で言えば…心情描写が豊かな旧約聖書のヨシュア記みたいなノリの本ですね。先程の学問のすゝめのようなタイプの難解さは全くありませんが、割と長いし一度読んだだけだと色々こんがらがって全体像がよく分かりませんでした。まあこれは私の記憶力の問題でしょうけど。ということで2周目です。

とても不穏な家系図

買ったのがだいぶ前なのでちゃんとした動機は覚えていないのですが、確か当時FGOに興味があって…この時点で分かる方はもう察していると思うのですが…
ゲーム内に”英霊”と呼ばれるサーヴァントのキャラクターがいて、その中にこのアーサー王伝説の円卓の騎士たちがモチーフというか思いっきり名前もそのままに登場していると知ってすかさず購入したような気がします。

個人的に面白かったのはガウェインの日中戦闘のバフ設定がガッツリこのアーサー王の死から受け継がれていたこと。しかも若干改変されてたような。とにかくもう一度読み直して確認します。

ちなみにFateの方の話をすると今ちょうどアニメの /stay night UBW を観ているところです。こないだランサーが自害しました。さすが幸運E。あと普通に言峰も好きなのでZeroを観るのも楽しみなのだ。

④西尾維新作品

『クビキリサイクル』『不気味で素朴な囲われた世界』

出ましたNISIOISIN!
ラノベ自体小6の頃に友達に借りて読んだ『脳漿炸裂ガール』以来です。そしてこの本もとある友人の熱烈な推奨により図書館から借りてきたもの。
西尾維新作品は前から結構気になっていたのですが、とにかくシリーズものの作品数が多いのでどれから読めばいいかを聞いたところ、この2冊を勧めてもらいました。

好き嫌いが分かれる作風らしいけど、冒頭読んだ感じ嫌いじゃないしこのまま読み進めるぞ~~~楽しみ~~~~~(ライトノベルのような音引き)

最後に

今回はこれで以上です。他にも読みかけで積んである本はいくつかあるのですが、それはまた別の機会に紹介できたらいいなと思います。
その時までに少しでも読み終わった本が増えていることを願いながら…

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