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しがない物書きが物を言います。 /随筆.創作.  川端康成、谷崎潤一郎、小林賢太郎、秋田ひろむ

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  • ゆめにっき

    あくまで夢です。 実際の人物・団体とは一切関係ありません。 筆者の感情や直近の出来事と照らし合わせて自分なりに精神分析をします。

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    スキを超えて「ダイスキ」な作品。 いつも素敵な作品・記事を読ませていただきありがとうございます。

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    花が登場する作品集 マガジンを花で埋め尽くしたい

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タコ壺【小説・ホラー】※冒頭抜粋

 坪倉智之(ツボクラ トモユキ)は時計の針を見つめていた。  視界の下では人影がぼやけて見えていた。その人物と、その人物が述べる難解な公式の理屈に関心はなかった。文字の羅列はただ頭の中を通過して、脳裏に流れる流行りの音楽と混ざって消えていく。  たかが勉学の成績が良かっただけじゃないか。教育者など社会に出る術も知らずに、16年と2年か3年を勉学に費やしただけのガリ勉野郎だ。  坪倉は大学生活の二年を終えようとしている中、ただ平凡に毎日を送っている事実から目を背けていた。結果

    • ショートショート|備えあれば憂いなし(笑)

      その日は既に予定が?海へ遊びに行くことが決まっているのか?随分前から計画しているんだね。何事も計画的に行動するのは良いことだよ。 でも海に行くために山ほど準備しなければならないことに気付くのは、前日の夜なんだろうね。そしてもう安心だと慢心していると、必ず一つは忘れ物をするんだ。 心配事の9割は起こらないと誰かが言っていたが、残りの1割が起きちゃあ元も子もない。 あらゆる可能性を考慮して未然に対策を打つべきだ。 備えあれば憂いなし。 その日の海水浴に向けて痩せるのは良いこと

      • 春の訪れを告げる厭世的断片

        満開だからさと、わざわざおめかしして出かけた先に普段目もくれない桜や花桃や水仙が花を咲かせていたとて、「綺麗だね」としか感想が出てこないその無関心さが、 あるいは、コンビニで1つ札を多くつけた店員によるお釣りの間違いを、今年も春が来たなと目を瞑って譲歩するも、徐々に私の体を蝕み、ついには自らを殺そうとする者をさえ許してしまうような生ぬるい親切心が、 あるいは、花粉に苦しむ友人を見て労うくせに自らのささくれを躊躇なく毟り取り、滲み出る血を見て初めて後悔するような無責任な自己

        • 藤野可織作「いやしい鳥」読了。 「爪と目」といい、藤野可織さんのファンになりつつある。

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        タコ壺【小説・ホラー】※冒頭抜粋

        • ショートショート|備えあれば憂いなし(笑)

        • 春の訪れを告げる厭世的断片

        • 藤野可織作「いやしい鳥」読了。 「爪と目」といい、藤野可織さんのファンになりつつある。

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        記事

          面白い記事ほどスキがつかないな。逆にスキが多い記事ほどつまらない。自他ともに。 フォロワー、タイトル、サムネ、大衆性が全てを左右するから記事の内容など関係ない。 noteで周りの評価を重んじているときっと大切な何かを失う。 世俗的なコンテンツを追い求めるようになってしまう。

          面白い記事ほどスキがつかないな。逆にスキが多い記事ほどつまらない。自他ともに。 フォロワー、タイトル、サムネ、大衆性が全てを左右するから記事の内容など関係ない。 noteで周りの評価を重んじているときっと大切な何かを失う。 世俗的なコンテンツを追い求めるようになってしまう。

          「塔」は男性名詞か?女性名詞か?

          芥川賞を受賞した『東京都同情塔』という作品を読んだ。 本作において「塔」が作中の世界観を象徴する重要なシンボルとして描かれる。 この塔はある男性によって構想され、ある女性によって形にされるのだが、果たして「塔」は男性か、女性か、ふと気になった。 (作品を読んでいただければ本題の疑問にも納得いただけるはずだ。) 「塔」は男性名詞か?女性名詞か? フランス語やドイツ語には「男性名詞」「女性名詞」なるものがある。 そのどちらであるかによって関係する動詞や形容詞に変化形が生じる

          「塔」は男性名詞か?女性名詞か?

          夢日記 | ミイラ取りがミイラになったような話

          2024年4月7日 22:00~2:00 ある少女のブイログを見ている。 ある日の学校の様子を映しているが、どこで撮られたものか分かっていないらしい。まだ発見されていない土地なのだろうか。校舎の真新しい雰囲気を見るに、時代や生活圏はそれほど離れていないようだが、果たしてこの映像が解明されていないのはなぜだろう。少女はもとい、他の生徒の身元や行方も分かっていない。 校舎の各階から別棟の理科室や講堂までカメラを回しながら隅々まで紹介している。窓を見るとまだ雪の解けていない急斜面

          夢日記 | ミイラ取りがミイラになったような話

          夢日記 | Q.殺されなかったのは何人でしょう? A.3人

          2024年4月4日  問題が出された。Q:「床に立っているのは何人でしょう?」 気がついたら部屋の中央に立っていた。立っているというよりも、もっと概念的にただ中央に存在していた。上下左右があやふやで認識できない。 部屋にはベッド、壁にランプ、鹿の頭のはく製、天井に小さいシャンデリアなどが飾られていて、欧州風な内装だったと記憶している。 見渡すと周りに人影がある。部屋を正四面体としたときの各辺ごとに数名が立っていた。10代後半から20代前半の男女グループ10人ほど。 しか

          夢日記 | Q.殺されなかったのは何人でしょう? A.3人

          「犯罪者が刑務所で幸せに暮らす未来」東京都同情塔 九段理江 | 書評 

          2024年4月1日 読了   個人的評価 ★★★★☆ あらすじ (ネタバレなし) 建築家の牧名沙羅(マキナ・サラ)は東京に建つことを予定されている「シンパシータワートーキョー」のコンペに向けて構想を練っていた。この建築物の用途は「刑務所」であり、ここに”居住”する犯罪者は出自や環境によって犯罪を強いられたケースが多いため同情されて然るべきであって、幸せな刑期を送るべきというコンセプトがある。 タワーの原案者は、犯罪者は「ホモ・ミゼラビリス」、タワーは刑務塔などではなく「

          「犯罪者が刑務所で幸せに暮らす未来」東京都同情塔 九段理江 | 書評 

          空っぽな奴ほど詩を書きたがる。

          ほんとそうだよな。ほんとそうだよな。 私の人生を支えてくれたロックバンド、amazarashiの一曲「空洞空洞」の一節。 はじめこの歌詞を聞いた時は私自身に向けて言われているようで目が泳いだ。共感してしまったという事実から目を背けたかったのだ。またそれを事実と思ってしまったことが恥ずかしく、とにかく逃れたかった。 その結果辿り着いたのが小説や詩だった。どうあがいても空っぽの自分からは逃れられなかったのだ。 詩から詩へ逃げることの滑稽さたるや、SNSで目にする馬鹿な連中と変

          空っぽな奴ほど詩を書きたがる。

          夢日記 | クラス発表に恐れおののく

          2024年3月4日 学校で出し物をする。 自分たちで好きなグループを作ってそれぞれ披露する演目を考え、最後に披露する。観客はクラス全員と、その日大勢集まってくる親。 他の輪に入れなかったのか自ら嫌ったのか、自分は2人のみのグループになった。相手が誰であったかは覚えていない。 何をしよう。自由というのがいちばん嫌いだ。面白いアイデアがひとつも出てこない。時間は刻一刻と過ぎていく。そんな中周りのグループはきゃっきゃとはしゃぎながら考えている。動きすぎて肩をいからせながら笑い合う

          夢日記 | クラス発表に恐れおののく

          『ボーはおそれている』公開日に行ってみた。【映画感想】

          個人的評価★★★☆☆ あらすじ ボー(おじいさん)の住む街は危険であふれており、全身タトゥーの男が走って追いかけてきたり、隣人が斧をもって家に押しかけてきたりするアパートに暮らしながら、常に怯えながら生きている。 ある日セラピストに聞かれる。「ママが死ねばいいと思う?」 まさか。ママに対してそんな感情など持ったことはないし、明日だってわざわざ飛行機で会いに行くんだ。セラピストは「罪(Guilty)」とメモに書く。 ボーと母親に何があったのか。ボーにとってすべて都合が良いよ

          『ボーはおそれている』公開日に行ってみた。【映画感想】

          詩 | 黄昏の悪夢 

          私の代わりに誰がが追われている 「なんで私が。」そう聞こえる 防風林を這うように走ると 木々が私の残像と共鳴する きっとそれを頼りにしているのだ 逃げるのを止めなければ きっと追手は止まらない 三歩先にはビルが乱立している 足を滑らせクレバスに落ちるが 標識の矢印はそこを向いている もううまく走れない 光を求め沈んでいく 水位がちょうど鼻の上まで上がる 苦しい 死ぬ 死ぬ 目を開けたら布団が顔を覆っていた 部屋は悄然として雨の音だけが聞こえる 私が見たのはほんの

          詩 | 黄昏の悪夢 

          夢日記 | 気になる女とイヤな先輩 (2024-02-06)

          大学のオリエンテーションか何か。気になる女がいた。集団で会場に行く道中、グループと離れて2人きりで移動した。話が弾み、なんとなく仲良くなれた気がした。 会場は講堂のような場所。スクリーンに沿って進行していく。彼女とは隣の席。 途中、後ろを向いてTikTokのような課題曲をノリノリで踊るシーンがあった。自分含め周りは全員後ろを向いて、アリーナ中央のカメラに向かって1曲踊りきった。あとでカメラの映像が共有され、必死にその子を見つけ、ダンスを見た。恥ずかしげは感じたがはっきりとし

          夢日記 | 気になる女とイヤな先輩 (2024-02-06)

          夢日記 | 前戯と強盗と暴力(2024-02-05)

          2024-02-05 水泳の授業で、今日はタイム測定の日だった。1人ずつ25mプールを往復する。折り返し直前で身体が横に3回転もしてしまい惨めなところを幼なじみ(K.I)に見られ、笑われる。帰りでは何故か上手くいき、たったの2ストロークで帰ってこれた。だが周りはいかにも普通とでも言いたげな雰囲気。さっきの往路分の惨めさが帳消しになったかどうかくらいの反応で周りに見向きもされなかった。 絵本を読んでいる。絵本の中の人物(おそらくそれも自分)がロビーに挿してあるようなパンフレッ

          夢日記 | 前戯と強盗と暴力(2024-02-05)

          詩 | へその緒に託す

          脳裏に浮かぶ 母親の笑顔 へその緒が切れた 痛みを思い出して笑う こんなに綺麗に 点滅する過去 忘却曲線と反比例して ルサンチマンが増幅する

          詩 | へその緒に託す