にひ:)

しがない物書きが物を言います。Webライター /随筆.創作. ※一部有料

にひ:)

しがない物書きが物を言います。Webライター /随筆.創作. ※一部有料

    マガジン

    最近の記事

    推しを推すということ。【『推し、燃ゆ』宇佐見りん】

    第164回芥川賞を受賞した『推し、燃ゆ』は宇佐見りん(敬称略)の二本目の作品だった。受賞時、彼女は21歳で、現在大学在学中。なんと歴代3番目という驚異の若さで受賞に至った。 『推し、燃ゆ』あらすじ「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。」 この一言で始まるこの小説は、あるアイドル真幸(マサキ)の熱狂的ファンであるアカリが、推しを推すことに命を懸けながら自らを消耗し、燃え尽きるように推し続ける話。 現代的コミュニケーションの表現現代のデジタル化に伴うコミュニケーションの複雑

    スキ
    17
      • Tea Dunkingを見ながら思い出したこと。

        映画「アメリ」の主人公アメリが訪問の際に出されたクッキーを紅茶に浸して食べるシーンに衝撃を覚えた。 欧州人が紅茶とクッキーを食べるときは、硬いクッキーを紅茶に浸して食べる習慣がある。Tea Dunking(ティーダンキング)というらしい。 日本人特有の美徳的観点からすると、飲み物の中に食べ物を入れることはいつ何時でも耐えがたい行為である。 隣に座っている外国人が躊躇なくTea Dunkingをしだしたなら、思わず眉間にしわが寄り不快な気分になることだろう。 しかし私は、

        スキ
        2
        • 全身にタックルを受けたような重くて鈍い衝撃と妙な解放感を覚えた【『破局』遠野遥】

          第163回芥川賞を受賞した『破局』は、昨年2019年に文藝賞を受賞してデビューしたばかりの新人小説家、遠野遥(とおの はるか)によって書かれた。 破局は彼の第二作目にあたり、二年目にして芥川賞まで受賞してしまった。注目すべき作家が増えて心底嬉しい。 未読の方へ向けて簡単なあらすじ 主人公の陽介は、ラグビー部のOBとして後輩を指導しながら公務員試験を控える大学4年生。彼は規範を重んじ、自分にも厳しく筋トレに傾倒する模範的な学生である。友人や彼女もいて、ごく平和的に生きている

          スキ
          20
          • 朗読のすゝめ

            最近、note界隈で音声コンテンツが徐々に勢いを見せている様子。 といっても、前々から存在していたのだろうが、『noteを楽しむ会』でも少しずつ模索者が現れてきたのが目立つ。 私はかねてよりYoutubeの文学朗読を嗜んでいるので、音声コンテンツの良さも悪さも、よく知っているつもりである。 しかし、noteにおいて音声コンテンツというと、noteの音声投稿、spoonやstand.fmへの誘導、mp3ファイルや動画URLの貼り付けなど、その方法は多岐に亘る。 コンテン

            スキ
            14

          マガジン

          マガジンをすべて見る すべて見る
          • 好きな作品
            にひ:)
          • KAJJALA
            にひ:)

          記事

          記事をすべて見る すべて見る

            およそ一千数百羽のムクドリに嫌われた。

            いつの間にか真夜中の肌寒さが耐えかねるほどになり始めた頃、私はもう一つの耐えがたい環境の音に苛まれていた。 最近は、駐車場に車を停めて近くの自販機で買った缶コーヒーをすすりながら、寝るわけでも生気を奮い立たせるでもなく、ただひたすらに時間の経過を待つのが習慣となっていた。 真夜中であるからして当然周りには人影の一つもなく、夏の蝉の声が聞こえなくなってから私の休息の時間を邪魔する者はいないはずだった。 だが、その日から、一本の欅の木からびゃーびゃーと何かが鳴く声が聞こえ初

            スキ
            7

            太宰治 「海」 の良さが分からない。

            太宰治の「海」は1000字にも満たない掌編小説である。 太宰治 「海」(青空文庫) あらすじ 太宰治の「海」は、1945年、太平洋戦争(大東亜戦争)末期の頃、東京大空襲やたなばた空襲に見舞われ疎開先を転々とする太宰一家のお話。  東京の三鷹の家にいた頃は、毎日のように近所に爆弾が落ちて、私は死んだってかまわないが、しかしこの子の頭上に爆弾が落ちたら、この子はとうとう、海というものを一度も見ずに死んでしまうのだと思うと、つらい気がした。 太宰は5歳の娘にどうしても海を見

            スキ
            8

            ポプラ社✖noteコンテストの大賞作品を読んで絶望した。

            ポプラ社とnoteのコラボ企画で小学生向けの物語を募集したコンテストが2020年7月〜8月に開かれた。 テーマは #こんな学校あったらいいな 全国から3364件もの応募があった。筆者も応募した。 審査員は久住昌之さん、ポプラ社こどもの本編集部、noteディレクターの教育カテゴリ担当が共同で務めた。 栄えある大賞作品は以下の作品だ。 これを受けて、思わず声を漏らした。 「そら大賞とるわ…。」 審査員コメントによると、 第一回ということもあるでしょうが、今回のコ

            スキ
            48

            キングオブコント2020の審査員が口々にコメントした「裏切り」と「爆発」について

            2020年9月26日、今年もコントの王者を決めるキングオブコントの決勝がTBS系列で放送された。 優勝は芸歴17年の「ジャルジャル」。キングオブコント初年度から13年連続で出場し、彼ら自身も”13度目の正直”と優勝を掴むまでの苦労と努力を振り返った。 ジャルジャルによって毎日Youtubeにアップされる「ジャルジャルタワー」をコントをすべて視聴するほどのジャルジャルファンである私は、悲願の優勝をテレビの前で心から喜んだ。 そんな喜びもさておき、キングオブコント2020に

            スキ
            16

            『プログラミングでせかい変えてみた!』

            「プログラミリング・・・?」 「プログラミング!」 「なにそれ?」 「まったく。先生の話聞いてなかったの?今日から『プログラミング』っていう授業が始まるのよ。」 「はあ。」 前から聞いていたような気はするけど、なんだっけ。プロ、プラグロ、、まあいいや。おれはもう手一杯なんだ。国語に算数に、理科、社会、英語、音楽、図工、道徳…。これ以上、いったい何を学べというのだろう。 山口翔太は、ふてぶてしく机に肘をついて窓の外を見た。 毎日片道30分かけて通い、何時間も机に向

            スキ
            15

            【実話】雨に濡れる2匹の子猫を拾った話

            2019年10月20日、ちょうど台風19号が通り過ぎたばかりだった日の未明のこと。  まだ少しばかり雨が残る中、私は近所を散歩していた。歩き慣れた散歩道で、一つ聞き慣れない音を聞いた。 くぅん、くぅん。くぅうん。 この辺はいつも野良猫がのさばっているからどこかの猫が鳴いているだけだろうと、またいつものように歩き始めた。 やけに甲高くて耳をつんざく声だった。  30分ほど水たまりをぴちゃぴちゃと踏み鳴らしながら歩き、踵を返して自宅へ向かった。 ・・・くぅん。くぅん。く

            スキ
            26

            ⚠R15⚠アニメ「Animals.」動物たちが織り成すブラックな会話がクセになる…!

            アニマルズというアメリカのアニメをご存じでしょうか? 《監督・脚本》フィル・マタリーズ、マイク・ルチアーノによるTVアニメーション(制作:HBO)です。 そのブラックで風刺的な作風から、「大人向けアニメ」と評されることもある本作品。 まだ見てない人は絶対見るべきです! 日頃の鬱憤がたまっている方なんかは酒の肴になること間違いなし。 ※現在(2020年7月29日)、Amazonプライムでシーズン1・2を無料で見ることが出来ます。ぜひ登録してみてくださいね。 あらすじ公

            スキ
            9

            「良い文章が書けない…」現役記者も実践する文章術を紹介!

            「文章を書くのが苦手…。」「書きたいテーマはあるけど、どうやって書くのか分からない…。」そんな悩みを持っている方、多いのではないでしょうか。今回は、元日本経済新聞記者として長年、現場を経験していらっしゃった松林薫さんが、文章を書く時のノウハウを包み隠さず大公開した「迷わず書ける記者式文章術:プロが実践する4つのパターン」(慶應義塾大学出版会)をご紹介! < こんな人に読んでほしい! >・文章力を上げたい人 ・記者になりたい人 ・日報や先方へのメールで恥をかきたくない人 ・長

            スキ
            4

            金持ちに寄生しようとするとこうなる…『パラサイト-半地下の家族-』<映画考察>

            2019年アカデミー「作品賞」「脚本賞」「監督賞」「国際映画賞」の4冠で最多受賞の快挙を成し遂げた「パラサイト-半地下の家族-」。史上初の外国語作品ということで大きな脚光を浴びています。ポン・ジュノ監督は、なんと「脚本賞」も受賞しており、脚本の構想に4年もの年月を費やしたそう。その濃密で風刺的なシナリオが1時間半に凝縮されています。今回はそんな「パラサイト」について、紹介していきたいと思います。 格差社会を赤裸々に描いた…だけじゃないTVなどの紹介では、格差社会をテーマとし

            スキ
            8