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「猫と悪魔」 実話怪談 (note創作大賞2023・ミステリー小説部門応募作品)
はじめに
この怪談は、私が初めて悪魔(デビル)と出くわした実体験の話です。驚きを誘う大どんでん返しのオチはないですが、怪奇な出来事の中には、実話怪談特有の謎めいた不可解さが漂っています。じわじわと忍び寄る恐怖が背筋をぞくぞくさせる話です。
この怪談は、怪談の中でも一風変わった、シェイプシフターのジャンルに属するのではないかと思います。シェイプシフターというのは、その名の通り、さまざまな姿や形
「緑のやつ」 ショート実話怪談
はじめに
これは私(Kitsune-Kaidan)がキャンプに出かけた時に緑の妖怪を見たショート実話怪談です。いまだにはっきりとした正体はわからないのですが、あの時に目撃した不思議な緑色の存在を今でもはっきりと思い出せます。
それでは、不気味な世界へとつながる扉をお開けください。どうぞお気をつけて、行ってらっしゃいませ。
買い出し
あの夏、久しぶりの遠出でワクワクしていた。ところが、この
「廃墟ホテル」 ショート実話怪談
はじめに
これは私(Kitsune-Kaidan)が地元のある温泉ホテルに泊まった時のショート怪談です。あの時の私は、過去の記憶がまるでスッポリと抜け落ちてしまったかのような状態でその不気味なホテルに宿泊しました。
夜に起こった身の毛もよだつ怖い体験をきっかけに、そのホテルの場所にまつわる過去の記憶が突然フラッシュバックしました。まさか時を経て同じ場所で2度も怖い体験をするとは思ってもいませ
「鬼門(きもん)・あの世とこの世の境目」 ショート実話怪談
はじめに
これは私(Kitsune-Kaidan)が、亡き父と永遠の別れを交わしたある夜のできごとの話で、鬼門にまつわる実話ショート怪談です。半分夢で半分現実のようなフワフワとした不思議な感覚なのにハッキリとした記憶があり、現実だと信じざるを得ない証拠がありました。
それでは、不気味な世界へとつながる扉をお開けください。どうぞお気をつけて、行ってらっしゃいませ。
眠れない夜
当時の私は絶
「鏡の中の女性と目があった」 ショート実話怪談
あらすじ
これは私(Kitsune-Kaidan)が、カナダのある有名な美術館を訪れた時に体験した実話ショート怪談です。その大きな美術館には世界の有名な美術品や化石、民芸品、現代アート、写真など、さまざまなアートが展示されています。教科書で見たことのあるような展示品を通して歴史を感じることができる素晴らしい博物館です。
魅力的な芸術品に圧倒されながらも各階の展示品を楽しく見物していました。ア
「3名様ですね?」 お化けカラオケにて ショート実話怪談
あらすじ
3名様
「いらっしゃいませ。お客様は3名様ですね?」
「いいえ、違います。2名です」
このやりとりを今まで何回繰り返してきただろう。私(Kitsune-Kaidan)がお店に入ると、こういった状況に陥ることが度々ある。カラオケ、レストラン、カフェ、回転寿司などなど…。普段何気なく暮らしていると、受付で人数確認をされる場面に出くわす。
最近ではデジタルでの事前予約など、店員と
「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」 その⓸完 おとなの絵本怪談
これまでのあらすじ
異次元通路
幾重にも連なる鳥居の向こうに見える宇宙のような景色に目を奪われ、しばらく無の状態になってしまった私。瑠璃色のポータルが透明な狐の置物のお腹の中で点滅し、完了を知らせる音が鳴り響いた。我に帰った私は、再び無意識にポータルを取り出していた。
鳥居へと続く道が七色に光る。私はその先に足を踏み入れることを怖いとか不安だとは思わなかった。何故かと問われると、正直言って
「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」 その⓷ おとなの絵本怪談
前回のあらすじ
石の門
目の前で大きく口を開けた石の門と周辺の景色は、なんだか奇妙だった。石の門の周りには鮮やかなピンク色の桜の木、緑の大きなどんぐりの木、そして美しい黄色のイチョウの木が生えている。
(春と夏と秋がいっぺんにやってきた)
そんなおかしな光景を今まで見たことがなかった私は、大きな口を開けた石の門の向こうの見覚えのない景色を疑いの眼差しで見ていた。
「後ろを決してふり返っ
「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」 その⓶ おとなの絵本怪談
前回のあらすじ
誰もいない
キャンプ場に到着した時となんら変わりない風景に見えた。ただ、何かが違う気がしてならなかった。
「どうして、みんないないの?」
大きな声で叫んでみても、弟も家族も友だちも誰もいない。キャンプを楽しむ家族連れが私の方をチラッと見たが、すぐに楽しそうな会話へと戻っていった。
私は孤独な気持ちを抱えたまま、再びあちこち歩き回って手がかりを探した。なんの進展もないまま
「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」 その⓵ おとなの絵本怪談
はじめに&あらすじ
夏休み
蝉の声が耳の奥の奥までひびいている。深呼吸すると体の中にも蝉の声がしみわたる。
チリン、チリン。
風鈴の音が申し訳なさそうに聞こえてくる。
黙っていても汗をかく。扇風機の前で声を出してみる。ちょっとだけ涼しくなった気がしたのは、勘違いだった。
小学校の夏休みの宿題の取り組み方を大きく2つにわけると、毎日コツコツ仕上げる派と後半にまとめて追い込む派がいるよう
第六感について・About Sixth Sense 実話
霊感と第六感
「霊感はありますか?」と聞かれて、「はい、ありますよ。」と答える人は果たしてどのくらいいるでしょうか。すべての人の目にはっきりと見えない霊的な存在や未知の世界の話題を不気味なことだと捉えられることが多い世の中で、自信を持って「ある」と即答できる人はきっと多くはないのかもしれません。私自身、霊感を隠してはいませんが、大勢の前で話はしませんし、かなり慎重に話す場や相手を選んでいます。
幽体離脱 実話怪談 cw
あらすじ
はじめに
幽体離脱(英:Astral Projection または Astral Travel)
という表現の方が、体外離脱という言葉よりも馴染み深い方が多いのではないでしょうか。
意識が体から外に抜け出し、宙に浮いたような状態で自分のことを見下ろしたり、ものすごいスピードで移動したり、空や宇宙を飛んでさまざまな体験をすることを、一般的に幽体離脱と表現されることが多いと思います。