オリジナル ショートショート いつか、の、じけん ~あの世でもBBQ~

『三輪さん、亡くなったらしいで』

大学時代の同級生の理恵から、何年ぶりかに電話がかかってきたというのに、内容は訃報だった。

美輪さん? はて… 

しかし、なぜ、いきなり美輪明宏の話題なんだろうか。

私はやや戸惑いながら、返した。

『まあ、ああいう感じの人だったから、病気の話もちらほら出ていたような気もするよね』

『? ああいう感じ? なんのこと?』

『えっ? まあ、ほら、ちょっとあの

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オリジナル ショートショート いつか、の、じけん ~どうだかねえ〜

梅雨らしく、小雨のしとしと降る夜だった。

行きつけの弘明寺の格調低い寿司屋、、、

おっと、

親しみやすい下町情緒の残る小粋な店で、私は寿司なんぞをつまみながら、飲んでいた。

むろん、芋焼酎を。

私はいまだに、寿司屋でしたり顔をしてワインを飲む輩ほど信用できないものは無い、と思っている。

だいぶん酒も進み、宵も酔いも、ふけてきたころで、気づけば客は私だけになっていた。

大将も気の置けな

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きゃー! やだ、もうー!!
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オリジナル ショートショート いつか、の、じけん 〜訃報にも気をつけろ~

『ま~た小清水くんか』

部長が苦々しげに呻いていた。

事務のおばちゃんの、小清水さんのそそっかしさには、社内みんなが閉口させられていた。

『この間も、雑巾で湯呑みを拭いてたんですよ、小清水さん。台拭きんでもどうかと思うのに、雑巾ですよ、雑巾!』

『まあ、それが小清水さんだからさあ・・・』

『この前も、社食で とんつこラーメン!! って大声で注文してたしね』

『おっ! そりゃ、小清水さん

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オリジナル ショートショート いつか、の、じけん ~ 一年後 ~

千夏は、職場の先輩の美咲に好かれていないことを、薄々勘付いてはいた。しかし、美咲は、美しく聡明で、仕事もバリバリこなしていたため、千夏は憧れていたのだ。何度も食事に誘っていたが、色良い返事はもらえた試しが無かった。

その日も、千夏は美咲を誘ってみた。

『美咲さん、ほうじ茶スイーツの美味しいお店を見つけたので、週末、一緒に行きませんか?』

『う〜ん、今週はもう予定がね〜』

『じゃあ、来週はど

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きゃー! やだ、もうー!!
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ぐすん・・・ あ゛、あ゛り゛がとう・・・
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オリジナル ショートショート いつか、の、じけん 〜こんな晩〜

梅雨の晴れ間ではあったが、じっとりと汗ばむような晩だった。

急にねじ込まれた案件に何とかけりをつけ、私は夜の関内へと繰り出した。碁盤の目のように走っている路地は、わかりやすいはずなのだが、何度来ても迷ってしまう。

お目当てのバーへ行くつもりが、何度か通りを間違えているうちに、いつの間にか、私は新しくオープンしたバーの看板の前に佇んでいた。

『RAINBOW PATCHWORK』

風変わりな

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怪談―怪しい話①―

さて、『パンション』って、皆さんは知っていますか?

 

 私も聞いたことがありませんでしたが、パンションっていうのは、学生さん、単身赴任のお父さんなど、色々な方が利用される下宿のような、食事がついている賃貸の部屋のことらしいです。

 これは私の知り合いのSちゃんが、高校生の頃にパンションに住んでいた頃のお話です。

 



 

 Sちゃんは中学生の時、とある事情から不登校になりました。

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読まれただけでも涙でそうなのに……ありがとうございました!

怪談最恐戦・審査突破に関して思うこと

今年も始まりました。
『竹書房 Presents 怪談最恐戦』2019年
http://www.takeshobo.co.jp/sp/kaidan_saikyosen/

僕は今年もMCやステージ構成などを担当させていただきます。
さて昨日、動画を応募していただいた出場者の方々の審査を行いました。
今年は東京予選に52名、大阪予選に27名のご応募いただきました。
たくさんのご応募、本当に感謝いたし

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宮島澄代さんと全日空857便函館行ハイジャック事件

2019年8月20日。以前にも体験談を告白して下さった宮島澄代さんから寄稿を頂戴しました。今回は、宮島澄代さんが実際に旅客機のハイジャック事件に遭遇した際、その渦中で体験したという不思議なお話を語って下さいました。

ハイジャック事件という極限状態の中で、宮島さんは一体何を体験したのでしょうか?

※こちらの怪談話は有料での公開とさせて頂きます
--以下、宮島澄代さんからの寄稿より--

私は、飛

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たこ焼き屋の猫

いつの日の事だったでしょう。通勤の帰り道。
よく通りがかる、たこ焼き屋の前に、一匹の猫ちゃんが、お行儀よく座っていました。
あんあまり、大人しくお利巧に座っているので、最初は置物かなと思ってしまったのですが・・・
クンクンクン・・・
おいしそうだニャ~~~~
たこ焼き屋の窓口から漂ういいにおいに、鼻をヒクヒクさせているのを見て、それは生きている猫ちゃんなのだと知りました。
それにしても・・・
どう

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