【非情怪談/廃墟の約束】
序章: 訪れてはいけない場所
主人公の友人グループは、ある日「幽霊が出る」と噂されている廃墟を訪れる計画を立てた。
その場所は、かつて一家惨殺事件が起きたと言われている古い洋館。地元では「決して振り返ってはいけない」とされる伝説があり、振り返ると呪われ、行方不明になるという話が囁かれていた。
スリルを求めた若者たちは、その警告を笑い飛ばし、恐怖心を感じながらもその洋館に足を踏み入れた。
第1幕: 侵入と消えた友人
深夜、彼らは廃墟に到着する。
洋館の中は古びており、家具や壁には長年放置された跡が残っていた。
窓の外には不気味な月明かりが差し込み、かすかな風が窓を揺らすたびに、誰かが彼らを見つめているような気配がする。
一人の友人が、冗談めかして「振り返るなよ、呪われるってさ!」と笑い、皆がそれに続いて笑い合う。
しかし、その中で一人、友人の翔太が冗談ではなく、本当に後ろに何かがいるような気配を感じていた。
彼は、ふと背後に誰かが立っているかのような違和感に襲われるが、振り返ることなく歩き続ける。
突然、翔太が誰にも告げず、先頭を歩きながら姿を消す。皆が騒ぎ始め、「翔太!どこだ!」と呼びかけるが返事はない。
驚きと不安が広がる中、彼の姿は完全に消えてしまった。恐怖が彼らの心に忍び寄り、無言のまま外に出ることを決める。
第2幕: 謎のメッセージ
洋館を出た後も翔太の行方はつかめず、仲間たちは警察に通報するが、捜査は行き詰まる。
家族や友人たちは、翔太がただ行方不明になっただけだと思い込もうとする。
しかし、数日後、行方不明になったはずの翔太から突然メッセージが届く。
「すぐに戻るから待っていてくれ」
仲間たちは驚き、メッセージに返答するが、翔太はそれ以上の返信をしてこない。
疑問と不安が交錯する中、翌日も同じようなメッセージが届く。
「すぐに会えるよ」「俺を待っていてくれ」
メッセージは次第に不気味なニュアンスを帯びていき、彼らは恐怖を感じ始める。
不安に駆られた彼らは、再び廃墟を訪れることに決める。
「翔太が本当にそこにいるのかもしれない」という望みと、かすかな恐怖が入り混じる中、彼らは再びあの場所に足を踏み入れる。
第3幕: 忘れられない呪い
再び廃墟に戻った彼らは、廃墟の中を探し回るが、翔太の姿はない。しかし、帰ろうとした瞬間、背後から「待っていてくれてありがとう」という声が聞こえ、彼らは振り返りたくなる衝動に駆られる。
だが、一度振り返れば呪いにかかるという言い伝えを思い出し、必死に耐え続ける。
突然、仲間の一人が「翔太がそこにいる!」と叫び、振り返ってしまう。
瞬間、彼の体は激しく痙攣し、次の瞬間には姿が消えていた。
残された仲間たちは凍りつき、恐怖のあまり振り返ることを恐れて、ただその場に立ち尽くす。
彼らはそのまま廃墟から走り去るが、家に戻ってからも、翔太と消えた友人からのメッセージが届き続ける。
「もうすぐ戻る」「待っていてくれてありがとう」という内容が毎日送られ続け、さらには、部屋の中で背後に視線を感じるようになる。
夜、ふと気づくと、ベッドのそばに誰かが立っているのを感じるが、振り返ることができない。
最終幕: 終わらない恐怖
数週間後、主人公は自宅で何かが後ろにいる気配を感じるようになる。
振り返りたい衝動に駆られるが、あの呪いが思い出され、必死に目を閉じ、耐え続ける。
しかし、背後から翔太の声が響く。「待たせてごめん。もうすぐだ…」
その瞬間、携帯電話にメッセージが届く。
画面には「お前もこっちに来るんだ」というメッセージが映し出され、振り向いた瞬間、すべてが暗闇に包まれる。
最後に主人公が気づいたのは、消えた友人たちが、自分を待っているということ。
彼らの世界に引き込まれ、自分もまた「次の犠牲者」となる運命にあることを悟った。
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