3.「紫陽花寺とボレーシュート」 (もるうさあ2日前) 家に帰るとたくさん人がいて親父が説法してた。その話を聞かずに帰ろうとしている婆さんが俺に気付いた。「大きゅうなったの」とこちらに微笑むので、「こんちは」と言うと、「サッカーは、」と話を続けようとしたので、「あ」と何かに気付いたふりして視線を外し、その場を離れた。でもそのとき、無意識に溜息が出た。それを母親が見てた。思いっきり頭を叩かれた。 「あんた。何を偉そうに人様に向かって」 パーで叩くしデカい声を出すから親父の説
2.『 おやつで Level Up! 』 スライムグミがすごい 本当にスライムの食感 素晴らしい発明品です スライム食ったら こんな食感だろうなーと そして味も 一つ食べると ちゃんと経験値がもらえて、 数個食べれば ちゃんと1レベル上がる気がする 仕事もちょっと上手くいく気がする メタルスライムをやっつけると 4、5レベルくらい一気に上がっちゃうのでは!? これは昇給ですね 昇進しちゃうかな? でも管理職はいやだなー ははは 歳をとっても メタルスライムやっつけた
2.「維新公園とキノコ」 (もるうさあ:3日前) 後輩に暴言吐かれて落ち込んでるから、変質者到来が告げられても動じない。精神状態が最悪のときは何が起きてもあんまり感じない。感覚は異常事態では麻痺しちゃう。 あと、平凡な日常も人の感情を麻痺らせる。同じマンションに住む岩谷さんは「ねぇ、西川さん、変質者だって。怖いわぁ」と言いながら、とても嬉しそうだ。 私は仕事を終え、毎週木曜の日課であるジョギングのために維新公園に来た。競技場の周辺は1周がちょうど1キロになるように
一話目 「関門海峡と氷砂糖(もるうさあ:4日前)」 昨日仕事を辞めた。そして今は、関門海峡に向かって氷砂糖を投げている。このままずっとこうしていたら、海の水は甘くなって、あの巨大なタンカーは沈没するだろう。 「男は誰にも言わん、自分の中だけに留めておく、業みたいなもんを背負わんにゃぁダメ」 祖母の言葉を思い出しながら、僕は遠くへ氷砂糖を投げ飛ばす。氷砂糖は晴天の青色に触れて、綿飴みたいな雲を吐いて消えた。舟をつなぎ止めておくためのビットに腰かけると熱い。大型船が停泊
世界が終わると言われても、 人類は何も変わらないと思う また変なこと言ってる奴がいるな まあ俺には関係ないや 真剣に世界の終わりに何をするかを考えて 行動する人はどれだけいるのだろうか 『もるうさあ』が起こると世界が終わる SNSでは盛り上がっているが、 現実はそうではない 果たして『もるうさあ』の瞬間、 人はどうなってしまうのか また、「世界が落ちてくる」という 『もるうさあ』とは何なのだろうか 『もるうさあ』4日前から3日後までを描く小説 全8話 各話 原稿用紙14枚
1.『想像力の使い方』 最近、ILLITのMagneticのサビが 勝手に脳内再生される 音の作り、ダンスの印象 よく計算されているのだと思う 廊下で喫煙所から戻ってくる上司に会った 疲れた顔をしてんな、 と思ったら急に立ち止まり、 ILLITのMagneticダンスを踊り出した 無表情で僕を見つめて踊っている 周りを見るが誰もいない 僕だけのために踊っている? 挑発的な目だ 50代男性 荒野を生きてきた男の頭皮 天国地獄占う指先 痙攣している理由は肩こり? う、笑ってし
机を合わせ飯食う。昼休み。 俺はいちご牛乳を吸い、ストローを下唇につけた。ゆっくりとストローの中の圧を抜く。 「パックジュースって屁ぇこくじゃん。これ、どーにかなんねーか」 「え? どゆこと?」 「あーあー、吸ったあとバフって音がでるやつだろ」 「そーそー」 「人間の行為は全て下品だ」 「名言かよ」 Eは「オレはメロンパンのカスボロボロ事変をどうにかしてほしいわ」と制服に落ちたパン屑をつぶつぶつまむ。 「それ、だからこうやって両手でプレスして潰して食うんだよ」Jが箸を持ったま