【実話怪談】見分けがつかない
大学4回生の春の日のことです。
学生から〈三之町迷路〉と呼ばれる場所に私は住んでいました。
大学からは少し距離があり、迷路のように道が入り組んでいて、道を一本間違えると目的地に辿り着けないような複雑な造りの地域でした。
学生の間では「三之町迷路は異界だ。」と言われており、アパートも多く建っていたものの人気はなく、格安になっていました。
当時貧乏学生だった私は、そんな三之町迷路のど真ん中に位置する家賃月額16,000円のアパートに居を構えてアルバイト三昧。
色んなことがあり