烏目浩輔
こつこつと更新している怖いお話を、実話怪談集としてまとめました。 基本的に一話完結であり、各話に繋がりもありません。一話目から順番に読んでもらっても構いませんし、気になった話だけ読んでもらっても構いません。 お好きなように、ご自由に読んでください。
実話怪談について 僕は小さな店を切り盛りしている自営業者です。その職業柄というべきか、年間約七百人のお客さんと言葉を交わします。会話の内容は人それぞれですが、なかには奇妙な体験談を話す方もいらっしゃいます。いわゆる怪談話というやつです。 その怪談話を収集しておよそ十五年になります。 拙い文章ではありますがそれを文字に書き起こし、実話怪談集として一話ずつ公開しています。全部で五十話程度になる予定です。 基本的に一話完結であり、各話に繋がりもありません。一話目から順
先週末の三連休から今日にかけて、プチ旅行やその他諸々で出かけることが多く、noteをのぞけていませんでした。 明日からまた皆さんの記事を読ませていただきますので、よろしくお願いします。 ちなみに、今日は住吉大社にいってきました。画像は知る人ぞ知る・・・ (続きはコメントで)
ちょっぴり宣伝をば。 少し前にavexとKADOKAWAがタッグを組んだ『SARF×カクヨム 短編こわ~い話コンテスト』たるものが開催されていました。 ●コンテスト公式ページはこちら↓ https://kakuyomu.jp/contests/sarf_contest_2024 ●コンテストを要約するとこんな感じ。 ・ご当地創作怪談を募集(6000文字以内の短編)。 ・入賞した作品は、そのご当地でSARFの音声コンテンツとして配信(声優さんが朗読)。 ・SAR
先日、『The egg』という短編小説のことを、知人に教えてもらいました。アメリカの作家、アンディ・ウィアーさんが書いたもので、彼のウェブサイトで公開されている作品です。 アンディさんの短編小説の中では最も人気があるそうで、さまざまな言語に翻訳されています。 日本語にも翻訳されているので読んでみると・・・おもしろい! SF小説のようなそうでないような。不思議なお話です。 5分くらいで読めてしまう気軽な作品ですので、みなさんも、ぜひ読んでみてください。 下記に
創作大賞2024に出してみようと思うエッセイがあるのですが、うまく書けていないと、多方面に喧嘩を売ることになるし、差別的な内容にもなりかねません。 何回も読み直しているのですが、読み直せば直すほど、うまく書けているのかどうかわからなくなってきました。 んー……悩ましい……。
こつこつと書いてきた実話怪談ですが、本文が十万字を超えましたので、一旦ここで終了させていただきます。 ただ、ぼくは十五年くらい前から怪談話を集めています。まだまだネタはありますので、それもいつか公開できればと思っています。 また実話怪談を書きはじめた場合は、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。 今まで拙い実話怪談をお読みいただきありがとうございました。 スキをくださったり、コメントをいただい方にも、感謝しかありません。 繰り返しになりますが、本当に本当にあり
これは三十代前半の男性、阿部さんの談である。 夕食後の話だという。 阿部さんは二階建ての戸建て住宅に住んでいる。リビングのソファに寝転んでテレビを観ていると、ビールを飲んだせいもあって、すぐにうたた寝をしてしまった。ただ、うたた寝といってもうっすらと意識はあった。バラエティ番組のガヤガヤとした音声が、意識の遠いところで聞こえている。 その音声に混じって、キッチンのほうから鼻歌が聞こえていた。奥さんの奈々さんがよく歌っている鼻歌だ。全体的な雰囲気は童謡の『赤とんぼ』
これは三十代半ばの男性、田島さんの談である。 田島さんは徳島県のとある町で生まれ育ったのだが、今から約十年前に転勤で大阪市内に引っ越した。以降は会社が契約している単身用のマンションに住んでいる。 大阪での暮らしは思いのほか肌に合い、そこそこ楽しくすごしているそうだ。しかし、ひとつだけ不便に思っていることがあるという。 マンションから徒歩五分ほどのところに、普通車を八台駐車できる月極駐車場がある。その駐車場の前の道を通れば駅までの最短距離なのだが、田島さんはそこを通
これは十代後半の女性、水原さんの談である。 水原さんは大学に入学したさい、一人部屋の寮に入ることにした。実家からの距離を考えると通学するのは難しかった。 寮を生活をはじめて三ヶ月ほどが経った頃だった。水原さんは深夜一時になっても、必須英語の勉強を続けていた。高校のときから英語が苦手で、単位を落としそうで不安だった。 水原さんは勉強するとき、いつも髪をお団子に結う。長い髪が手もとに落ちて邪魔なのだ。その日も髪をお団子にまとめて、ローテーブルに教科書を広げていた。
別の記事でもちらりと書いたが、ぼくは伊勢神宮が好きで、年に3~4回は参拝している。先週の5月7日にも参拝してきた。 だからだろう。伊勢神宮に詳しいと思われているようで、ちょくちょく知人から伊勢神宮について質問される。 特に以下の三つの質問は多い。 1:伊勢神宮で個人的な願い事は禁止なのか? 2:外宮と内宮には、詣でる順番があるのか? 3:片参りは縁起が悪いのか? この三つの内容はネット上でもよく取りあげられており、さまざまなWEBサイトで、さまざまな見解がなされて
GW休暇中で、ここしばらくはPCの前にあまりいませんでした。でも、今日からnoteの記事をチェックさせてもらいます。 ちらほら顔をだしますので、よろしくお願いいたします。
僕は明日3日から一週間GW休暇です。出掛けることが多いので、休暇中は皆さんの記事を読めず、スキもできないかもしれません。どうかご勘弁をー。 あと、さっき気づいたのですが、僕が書いた怪談話に、プロの小説家さんからスキをいただいていました。うれぴー。 いいこともあるもんですね。
これは二十代前半の女性、小山さんの談である。 小学生の頃の話だという。 当時住んでいた実家の近くに二十段ほどの石段があった。両側に古い民家の壁が迫っているせいか、昼間でもどことなく暗い感じのする石段だった。 友達の家に遊びにいった帰り道のことである。 小山さんは帰路の途中にあるその石段をおりはじめたのだが、数段おりたところで足を止めて背後を振り返った。すぐ後ろに誰がかいるような気がしたのだ。 しかし、振り返ってみても、誰の姿も認められなかった。 (気のせいか
三十代前半の女性、福井さんの談である。 福井さんには五歳になる娘さんがいる。 ある日曜日に娘さんをつれて近くの公園に向かった。すると、砂場の隅に赤ちゃんの姿を模した人形が座っていた。セルロイド製とおぼしき人形で、赤いベビー服はひどく汚れていた。置き忘れたというよりは、捨ててあるような印象だった。 娘さんが人形を拾おうと手を伸ばしたので、福井さんはその手をぴしゃりと叩いた。加えて言葉でも強く叱った。 「人形は拾っちゃダメ! 絶対にダメだからね! わかった?」 叱
十代後半の女性、野口さんの談である。 高校三年生の野口さんは、二階の自室で受験勉強をしていた。 すると、誰かの足音が部屋の外に聞こえた。深夜の自宅はしんと静まり返っており、足音はやけに大きく聞こえた。 ミシ……、ミシ……、 フローリングの床が軋んで音がしている。足音は部屋の前の廊下を通り過ぎると、しばらくしてからまた戻ってきた。 ミシ……、ミシ……、 野口さんは勉強をしながらぼんやり思った。 (お姉ちゃんかな……) 野口さんの部屋の隣に姉の部屋が
二十代前半の男性、前田さんの談である。 中学生のときの話だという。 それまで住んでいた2LDKのマンションから、4LDKのYマンションに引っ越した。中古のマンションではあったものの、古びているという印象はなく、なにより部屋がふたつ増えたのがよかった。引っ越し前には叶わなかった自室を与えてもらった。 Yマンションに住みはじめてから一週間ほどが経った頃だった。前田さんは夜の十時頃に自室のベッドに寝転んで漫画を読んでいた。すると、奇妙な音が耳に届いたという。 ギィ