週刊ドリームライブラリ

裏技的How to、ショートショートなどの文芸作品、ジョークなど、さくっと読める面白短…

週刊ドリームライブラリ

裏技的How to、ショートショートなどの文芸作品、ジョークなど、さくっと読める面白短文をアップします。あなたの人生を彩るかもしれない秘密情報が、ここにあります。

マガジン

  • 三題話の大研究2024 夏秋編

    今回は特別編。3つの単語ではなく、3つのフレーズで作品作りにチャレンジしていただきました。「真夏の〜」「ストレスを〜」「失われた〜」の3つのフレーズを使って、小説やエッセイなどを創作するという難しい三題話にドリームライブラリの作家陣が挑みます。

  • 網焼亭田楽の創作落語集

    網焼亭田楽師匠による創作噺集です。お題に合わせて作ったものや、お題なく創作されたものなどを集めました。

  • 三題話の大研究2023 冬-春

    「あれ かえる 推し」の3つの単語を使って、小説やエッセイなどを創作します。裏のテーマとして過去も入れないとならない、超難しい三題話にドリームライブラリの作家陣が挑みます。

  • DL作家のご紹介

    週刊ドリームライブラリで活躍する作家の皆さんをご紹介するマガジンです。作品の中から一編をご紹介します。

  • 夢の作り方研究所

    若い方からシニアまで、夢を持つことは大切です。夢を作るのがヘタなんだよなあという方のために、夢の作り方と育み方を解説します。全6回

最近の記事

真夏のエルピス by 吉田真澄

「ねえ、きょうさん。いまここであなたが倒れたら、私はどこに連絡したらいいの・・・・・・」  合わさったお腹の上にいる今田 強(いまだ きょう)の、上下に揺れ動く顔を虚ろな瞳で眺める佐治 由実(さじ ゆみ)の、快感に酔いしれながら発した言葉は由実自身の喘ぎ声にかき消されていく。  部屋のガラス窓は、えんじ色の布を貼ったベニヤ板で覆いつくされ電灯のスイッチをオンにしなければ真っ暗で、外の様子はうかがえず昼なのか夜なのかわからない。部屋の真ん中に鎮座する大きなダブルベッドの端で、強

    • 真夏のひとコマ、失われた過去、ストレス未来 by 夢野来人

       今年も来た、あの暑い夏。梅雨も上がり樹々も真夏の日差しに照らされていた。  そう、去年も一昨年もこの照りつけるような日差しを浴びていた、はずである。どこかで、この日差しを浴びていたというのは、肌で感じている。なのに、それがどこだったのかわからない。  それどころか、俺は誰なのか、名前すら思い出せないのである。 「あなた、コーヒーでも飲む?」 「ああ」 「アイスで良い?」 「いや、ホットで」 「あなたは真夏でもホットなのよね」  そうか。俺は真夏でもホットの好きな男のようだ。

      • 真夏のあの世の夢 by 網焼亭田楽

        毎度バカバカしいお笑いでございます。  今年もいよいよ本格的な夏がやってまいりましたが、夏は暑うございますね。毎年毎年、これでもかこれでもかとお天道様は容赦ございません。 そこで、昔から少しでもその暑さを和らげようと、と申しますか、一瞬でもひんやりした気持ちになっていただこうと考えられて来たのが怪談話でございます。  古くはあれやこれ、あんなのやこんなのなど、色々な怪談があるのでございますが、今宵紹介いたしますのは、『真夏のあの世の夢』という大変有名な怪談でございまして、

        • ドーヴィルの海にて その後 by Miruba

          ドーヴィル (Deauville)の海に来た。 パリのサン・ラザール(Saint Lazare)駅から電車に乗ってトゥルーヴィル - ドーヴィル(Trouville-Deauville) 駅まで約1時間30分。南仏ニースがフランスの新幹線TGVで6時間かかることを思えば、パリから最短で行ける海辺ということになる。日々仕事に追われ、会合に費やされ、バタバタと時間だけが過ぎる。平凡の日々がありがたいことなのだと分かってはいても、キャパ越えの毎日がストレスをうみ、逃げ出したくなるの

        真夏のエルピス by 吉田真澄

        マガジン

        • 三題話の大研究2024 夏秋編
          8本
        • 網焼亭田楽の創作落語集
          10本
        • 三題話の大研究2023 冬-春
          6本
        • DL作家のご紹介
          9本
        • 夢の作り方研究所
          6本
        • 週刊DL短編集『"こいばな”と怖い話』
          8本

        記事

          メガコン、最強の女神は私よ! by 御美子

           カランコロン。 「あのー、ごめんください」 「あら、女性のお客様なんて珍しいわね。ここ、おかまバーなんだけど」 「はい、存じてます。夫の大国主命(おおくにぬしのみこと)が年末年始辺りにお邪魔してるとかで」 「えっ、オオクニちゃんの?ってことは、奥さんのスセリちゃん?」 「スセリちゃん・・・?」 「あら、ごめんなさい。あたしが勝手にそう呼んじゃってるの」 「あっ、確かに須勢理毘売命(すせりびめのみこと)じゃ長すぎますよね」 「で、その須勢理毘売命ちゃんが、どうしてこんなとこ

          メガコン、最強の女神は私よ! by 御美子

          我いまだ木鶏たりえず by 神田南田

           さて皆さん。本日は昭和の大横綱・双葉山のお話でございます。  この双葉山という力士がどれほど強かったかと申しますと、まあ、ほとんど向かうところ敵なし。  とにかく勝って勝って勝ちまくっている時のことでございます。  その勝ち星数えること69勝。その間負けることは一度もなく、つまり69連勝した次の一番のお話でございます。  その前に、この69連勝というのがどれほど凄い記録なのかと言えば、戦後の強さの象徴、子どもの憧れとして「巨人・大鵬・卵焼き」という言葉がございました。  

          我いまだ木鶏たりえず by 神田南田

          少子高齢化対策 by 夢野来人

          「であるからして、子どもを育てやすい環境、安心して子どもを産める環境を整えることこそ少子高齢化を食い止める最大の策なのであります」 テレビでは、真夏の知事選に出馬する立候補者による討論会が行われていた。 「いやあ、だから老人の考えることは頭が堅いと言われるんですよ。失われた30年を返せなどと言われても仕方ありません。ここは動物の世界を見習うべきです。子育てにお金がかかるからそれを支援しましょうというのでは、税金がかかる一方です。考え方が逆なんです。お金がかかっても良いじゃ

          少子高齢化対策 by 夢野来人

          ドリームライブラリ/三題話の大研究

          皆様こんにちは、いつも週刊ドリームライブラリnote版をご愛顧いただきありがとうございます。 そろそろ、例の季節がやってまいりました。 そうです。全く関連のない3つの単語を使って、小説やエッセイなどを作る言葉のアクロバット、週刊ドリームライブラリ恒例の三題話のお題発表です。 ドリームライブラリの三題話では、これまでお題だけでなく、さらに"シバリ"を追加したり、三題話への新たな挑戦を行ってきましたが、今回はお題にちょっとひねりを入れるということをやってみます。 三題話では、

          ドリームライブラリ/三題話の大研究

          過去に帰るとカエルが変えるby網焼亭田楽

          毎度バカバカしいお笑いでございます。 最近は森の中で遊ぶ子供というのを見かけなくなってまいりましたが、昔は森といえば子供の格好の遊び場でございました。 昔々、ある小さな村に住む少女がおりまして、その名をさちこと申しました。彼女の心の中には、ある特別な存在がございまして、それが何とカエルだったのでございます。 カエル好きの少女なんて最近ではもの珍しく思えるのですが、昔はそうでもありません。カエルどころかヘビが好きなんて少女も珍しくありませんでした。 さちこはいつも、村の池

          過去に帰るとカエルが変えるby網焼亭田楽

          推しエルの巡礼 by 吉田真澄

           数年前に年賀状を出すのをやめた。 それまでは11月に入るとパソコンを駆使し、どんな絵柄にするかとフリー素材を探し、それに少し手を加え、そこに文字を当てはめ、年賀葉書の裏面にプリントアウトしてオリジナルの葉書にしていた。 この自己満足で作成したものを誰かに見せたい気持ちもあり、創作する一連の作業は楽しいものだった。  でも、あれ、なぜこの楽しさをやめたのだろう。  コロナ禍で外出もままならず、家にいることが多くなり時間はたっぷりあったはずなのに、だ。  貴文と連絡が取れなくな

          推しエルの巡礼 by 吉田真澄

          年明けのおかまバー「しろうさぎ」by御美子

          カランコロン 「オオクニ※ちゃん、いらっしゃい。やっと顔見せてくれたのね。年明け早々、日本列島大変だものね」 「そうなんですよ、ママ。『神も仏もない』なんて言われて。どうしたらいいものやら」 「神様たちも、苦労が絶えないわね」 「ふむふむ。『神も仏もない』と言われたとな」 「えっと、どちら様ですか?」 「あら、ごめんなさい。先客がいるの忘れてたわ。こちらはアレちゃんよ」 「えっ? もしかして、古事記の編纂に関わったという…」 「そう。古事記の内容を全部暗記してた稗田阿礼(ひ

          年明けのおかまバー「しろうさぎ」by御美子

          わたしの推しって? by Miruba

          「推し」とは、 人にすすめたいほど好きなアイドルや俳優、タレントなどを指す「応援」を意味する言葉、とある。 動詞「推す」からだろうから、推薦するという意味になるだろう。 90年代後半にモーニング娘のアイドルファン(アイドルオタク)の間で流行り定着した言葉だという。 一般に広く使われ始めたのは、2010年に発表された、AKB48の「チームB推し」という楽曲が、きっかけらしい。同年流行語大賞で「推しメン(メンバー)」もノミネー トされた。 現在ではアイドルや俳優など芸能人だけ

          わたしの推しって? by Miruba

          推し友 by 夢野来人

          昔々、あるところに動物好きのタケシという少年がいました。タケシは犬や猫にとてもなつかれていました。 でも、最近のタケシはいつも森で見かける不思議な『あれ』に夢中だったのです。その『あれ』は風に乗って村に時折現れ、子供たちの心をわくわくさせてくれます。 タケシはその姿が見えると、どこからともなく冒険心が湧き起こるのです。 「あの物体が空に浮かんでいるのを見ると、何だか心が躍るんだよな」 その物体を見かけた時には、タケシはその物体が消え去るまで、ずっと見つめているのでした。ある

          三題話の大研究=2024冬春編 始動!

          皆様こんにちは、いつも週刊ドリームライブラリnote版をご愛顧いただきありがとうございます。 そろそろ、アレの季節がやってまいりました。アレといってもタイガースの優勝ではありません。 全く関連のない3つの単語を使って、小説やエッセイなどを作っていただく言葉のアクロバット、週刊ドリームライブラリ恒例の三題話のお題発表です。前回は、通常とは異なる一題話でしたので、三題話は1年ぶりとなります。 三題話とは、全く関連のない3つの単語を入れ込んで、小説、エッセイなどの文芸作品を作って

          三題話の大研究=2024冬春編 始動!

          ありがたや五平 by 網焼亭田楽

          毎度バカバカしいお笑いにお付き合いしていただきとう存じます。 まあ、どこにでも自分のことを運が悪いと嘆く御仁がいるものですが、大抵の場合はご自分がなさって来たことが降りかかっている場合が多いようでございます。 天に向かってツバを吐けば、やがて天からツバが降ってくるというものでして、自分のした行いは必ず自分に戻って来るようでございます。 さて、ここに自分の運の無さを嘆いている男がおりました。 「ああ、どうしておいらはこんなにも運が悪いんだろう。同じことをしても、それがどんど

          ありがたや五平 by 網焼亭田楽

          東京、大阪、名古屋 by 網焼亭田楽

           毎度バカバカしいお笑いでございます。  東京、大阪、名古屋の人の性格を表す話としてこんな話がございます。 3人で食事に行ったお勘定の時に何を考えるのかと言うことなんですが、東京人は格好つけ文化ですから3人分払うといくらになるかと考えます。大阪人は商いの文化ですので、割り勘にしたらいくら払えば良いかと考えます。 名古屋の人はと言うと、お礼の言葉を考えているなんて言われておりまして、まったく次元が違います。あっぱれあっぱれでございます。  また、最近は便利な世の中になってまい

          東京、大阪、名古屋 by 網焼亭田楽