Kitsune-Kaidan (狐怪談)

実話会談、フィクション、ファンタジー、お化けの話、人怖、スピリチュアルな話、絵本など……

Kitsune-Kaidan (狐怪談)

実話会談、フィクション、ファンタジー、お化けの話、人怖、スピリチュアルな話、絵本など…、不思議で怖い話にまつわることを書きます。オリジナルの挿絵やアートも作っています。

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「猫と悪魔」 実話怪談 (note創作大賞2023・ミステリー小説部門応募作品)

はじめに この怪談は、私が初めて悪魔(デビル)と出くわした実体験の話です。驚きを誘う大どんでん返しのオチはないですが、怪奇な出来事の中には、実話怪談特有の謎めいた不可解さが漂っています。じわじわと忍び寄る恐怖が背筋をぞくぞくさせる話です。 この怪談は、怪談の中でも一風変わった、シェイプシフターのジャンルに属するのではないかと思います。シェイプシフターというのは、その名の通り、さまざまな姿や形に変身する「妖怪」などのことを指します。その正体は実に不可思議で、幽霊や動物、爬

    • 霊感とは 実話

      はじめに 今回は私(Kitsune-Kaidan)の霊感の歴史について書いてみたいと思います。霊感は実に人それぞれだと思います。私の霊感とみなさんの持つ霊感は似ているところと、違うところがあると思います。さまざまな霊感を比べてみるのも面白いのではないでしょうか。 以前 は、第六感と霊感について五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)の観点から箇条書きにして書き出してみました。こちらから読めますので、あわせてお読みください。 それでは、不気味な世界へとつながる扉をお開けくだ

      • 「緑のやつ」 ショート実話怪談

        はじめに これは私(Kitsune-Kaidan)がキャンプに出かけた時に緑の妖怪を見たショート実話怪談です。いまだにはっきりとした正体はわからないのですが、あの時に目撃した不思議な緑色の存在を今でもはっきりと思い出せます。 それでは、不気味な世界へとつながる扉をお開けください。どうぞお気をつけて、行ってらっしゃいませ。 買い出し あの夏、久しぶりの遠出でワクワクしていた。ところが、この町に入ってからはなんとなく落ち着かず、私はソワソワしていた。 (かなり田舎だな

        • 「廃墟ホテル」 ショート実話怪談

          はじめに これは私(Kitsune-Kaidan)が地元のある温泉ホテルに泊まった時のショート怪談です。あの時の私は、過去の記憶がまるでスッポリと抜け落ちてしまったかのような状態でその不気味なホテルに宿泊しました。 夜に起こった身の毛もよだつ怖い体験をきっかけに、そのホテルの場所にまつわる過去の記憶が突然フラッシュバックしました。まさか時を経て同じ場所で2度も怖い体験をするとは思ってもいませんでした。実はそのホテルがあった場所は地元ではかなり有名な心霊スポットで、幽霊の

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        「猫と悪魔」 実話怪談 (note創作大賞2023・ミステリー小説部門応募作品)

          「鬼門(きもん)・あの世とこの世の境目」 ショート実話怪談

          はじめに これは私(Kitsune-Kaidan)が、亡き父と永遠の別れを交わしたある夜のできごとの話で、鬼門にまつわる実話ショート怪談です。半分夢で半分現実のようなフワフワとした不思議な感覚なのにハッキリとした記憶があり、現実だと信じざるを得ない証拠がありました。 それでは、不気味な世界へとつながる扉をお開けください。どうぞお気をつけて、行ってらっしゃいませ。 眠れない夜 当時の私は絶不調だった。父を亡くしたショックも相まって夜はなかなか眠りにつくことができず、深

          「鬼門(きもん)・あの世とこの世の境目」 ショート実話怪談

          「鏡の中の女性と目があった」 ショート実話怪談

          あらすじ これは私(Kitsune-Kaidan)が、カナダのある有名な美術館を訪れた時に体験した実話ショート怪談です。その大きな美術館には世界の有名な美術品や化石、民芸品、現代アート、写真など、さまざまなアートが展示されています。教科書で見たことのあるような展示品を通して歴史を感じることができる素晴らしい博物館です。 魅力的な芸術品に圧倒されながらも各階の展示品を楽しく見物していました。アール・デコやヴィクトリア朝時代の装飾品が展示されている階に足を踏み入れた時から少

          「鏡の中の女性と目があった」 ショート実話怪談

          「3名様ですね?」 お化けカラオケにて ショート実話怪談

          あらすじ 3名様 「いらっしゃいませ。お客様は3名様ですね?」 「いいえ、違います。2名です」 このやりとりを今まで何回繰り返してきただろう。私(Kitsune-Kaidan)がお店に入ると、こういった状況に陥ることが度々ある。カラオケ、レストラン、カフェ、回転寿司などなど…。普段何気なく暮らしていると、受付で人数確認をされる場面に出くわす。 最近ではデジタルでの事前予約など、店員との関わりが少なく入店できるビジネスも増えてきたのも事実だが、いまだにこうしたシン

          「3名様ですね?」 お化けカラオケにて ショート実話怪談

          「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」 その⓸完 おとなの絵本怪談 

          これまでのあらすじ 異次元通路 幾重にも連なる鳥居の向こうに見える宇宙のような景色に目を奪われ、しばらく無の状態になってしまった私。瑠璃色のポータルが透明な狐の置物のお腹の中で点滅し、完了を知らせる音が鳴り響いた。我に帰った私は、再び無意識にポータルを取り出していた。 鳥居へと続く道が七色に光る。私はその先に足を踏み入れることを怖いとか不安だとは思わなかった。何故かと問われると、正直言ってはっきりとした理由はわからないが、この七色の道を通ったことがあるような気がするの

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          150〜
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          「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」 その⓸完 おと…

          「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」 その⓷ おとなの絵本怪談 

          前回のあらすじ 石の門 目の前で大きく口を開けた石の門と周辺の景色は、なんだか奇妙だった。石の門の周りには鮮やかなピンク色の桜の木、緑の大きなどんぐりの木、そして美しい黄色のイチョウの木が生えている。 (春と夏と秋がいっぺんにやってきた) そんなおかしな光景を今まで見たことがなかった私は、大きな口を開けた石の門の向こうの見覚えのない景色を疑いの眼差しで見ていた。 「後ろを決してふり返ってはならないよ」と、お坊さんの声がした気がする。 お坊さんの袈裟に染みついたお

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          200〜
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          「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」 その⓷ おとな…

          「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」 その⓶ おとなの絵本怪談

          前回のあらすじ 誰もいない キャンプ場に到着した時となんら変わりない風景に見えた。ただ、何かが違う気がしてならなかった。 「どうして、みんないないの?」 大きな声で叫んでみても、弟も家族も友だちも誰もいない。キャンプを楽しむ家族連れが私の方をチラッと見たが、すぐに楽しそうな会話へと戻っていった。 私は孤独な気持ちを抱えたまま、再びあちこち歩き回って手がかりを探した。なんの進展もないまま、桟橋に立ちボーッと沖を見渡した。 (あんなところに島がある) 家族でこのキ

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          「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」 その⓶ おとな…

          「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」 その⓵ おとなの絵本怪談

          はじめに&あらすじ 夏休み 蝉の声が耳の奥の奥までひびいている。深呼吸すると体の中にも蝉の声がしみわたる。 チリン、チリン。 風鈴の音が申し訳なさそうに聞こえてくる。 黙っていても汗をかく。扇風機の前で声を出してみる。ちょっとだけ涼しくなった気がしたのは、勘違いだった。 小学校の夏休みの宿題の取り組み方を大きく2つにわけると、毎日コツコツ仕上げる派と後半にまとめて追い込む派がいるようだが、あの頃の私は毎日コツコツ派だった。前半のうちに難関部分を終わらせておいて、

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          「地獄の釜の蓋(じごくのかまのふた)」 その⓵ お…

          第六感について・About Sixth Sense 実話

          霊感と第六感 「霊感はありますか?」と聞かれて、「はい、ありますよ。」と答える人は果たしてどのくらいいるでしょうか。すべての人の目にはっきりと見えない霊的な存在や未知の世界の話題を不気味なことだと捉えられることが多い世の中で、自信を持って「ある」と即答できる人はきっと多くはないのかもしれません。私自身、霊感を隠してはいませんが、大勢の前で話はしませんし、かなり慎重に話す場や相手を選んでいます。 それでは、改めて「第六感はありますか?」という質問の仕方に変えると、たぶん少

          第六感について・About Sixth Sense 実話

          幽体離脱 実話怪談 cw

          あらすじ はじめに 幽体離脱(英:Astral Projection または Astral Travel) という表現の方が、体外離脱という言葉よりも馴染み深い方が多いのではないでしょうか。 意識が体から外に抜け出し、宙に浮いたような状態で自分のことを見下ろしたり、ものすごいスピードで移動したり、空や宇宙を飛んでさまざまな体験をすることを、一般的に幽体離脱と表現されることが多いと思います。就寝中や就寝前、または臨死体験などを通じて自然発生することが多いようですが、誘導

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          幽体離脱 実話怪談 cw

          「死者との挨拶」 実話怪談 ショート

          登場人物 はじめに 『人は死んだ後、どうなるの?』 おそらく、誰もが一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。この実話怪談ショートストーリー『死者との挨拶』は、何気ない日常の中で私が実際に体験した霊体験です。とてもシンプルで、ちょっと切ない、今でもときどき懐かしく感じる光景です。 恐ろしくてブルブルと震えるような怖さではなく、故郷の懐かしいイメージの中にある、セピア色をした思い出の話です。しかし、私がそう思うだけであって、この話を他人から聞いたとしても、果た

          「死者との挨拶」 実話怪談 ショート

          生き霊 実話怪談 (後編)

          主な登場人物 生き霊 前編のあらすじ 親友とねえちゃん 「この家怖いよ」 私の親友の友人である通称『ねえちゃん』が、日本から遊びに来ていた。観光に行く前に、私の引越し先に遊びに来てくれたのだ。ねえちゃんは霊感が強いそうで、私が感じる感覚を理解してくれた。 「2階のバスルームの天窓に男がいたんだ。見てもらっていい?」 私は、2階の広場の左側の壁が怖くて見られないことも伝えながら、いつもの暗い階段を3人でゾロゾロと登って行った。ねえちゃんは、私と同じように広場の部分

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          250〜
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          生き霊 実話怪談 (後編)

          生き霊 実話怪談 (前編) CW

          主な登場人物 はじめに みなさんは、生き霊を見たことはありますか?私がこれまで体験してきた霊体験の中で、「生き霊」と称される霊には、非常に奇妙な感覚を覚えます。当然ながら、これは個人的な見解に過ぎませんが、亡くなった人びとの霊や幽霊のようなお化けたちと比較して、生き霊の姿は鮮やかに見えます。そして何よりも、生き霊の意思は比較的明確だと感じます。成仏できずに悲嘆にくれて彷徨う霊魂たちよりも、私は生き霊の存在の方が、はるかに恐ろしいものと感じています。できることなら生き霊を

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          150〜
          割引あり

          生き霊 実話怪談 (前編) CW