ごとうあいこ

編集。 好きな食べ物は赤いウインナーとチャーハンとビール。 うれしいと震える。最近は将…

ごとうあいこ

編集。 好きな食べ物は赤いウインナーとチャーハンとビール。 うれしいと震える。最近は将棋がすき。

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固定された記事

あの時の家族はもういないけれど、

2021年は、自分なりの「家族」の解釈を決めて向き合う一年にしたいと心の中でひっそり思っている。 かぞく、って何だろう。 わたしはまだ、自分で家族というものを作った…

44

ブラキオザウルスのおふろ

7月22日(金) ブラキオザウルスのおふろ 弟の誕生日だということをふと思い出し、メールをしてみた。あいつは蟹座の男だった。 「誕生日おめでとう。達者で暮らせよ」と書…

10

おともだちは8匹のゾウ。

9月27日(月) 昨日の夜中に新幹線の新大阪駅で買ったカールを一袋食べてしまったせいか、朝から胃が重い。 旅疲れをおして出勤。 朝からライターとのオンライン打ち合わせ…

19

わたしはもう東京のにんげんなのかもしれない。

9月22日(水) 四連休後の出勤だった。 休みボケの脳みそを起こすために、まずは休んでいた間に止まっていたものを書き出す。 メモとしばらくにらめっこしていたら軽く30分…

37

パンダに歯が生えた。

最近一番和んだニュース。🐼 一応クマ?だから歯も鋭いのだろうか。 有休をもらって土曜から4連休だったのだけど、なかなかに良い連休だったと我ながら思ったので、備忘録…

29

あなたの目に映る、わたしを見る。

「君の眼に映る僕を、僕は知れない。だから、君に会うのは、自分と会うみたい」 と歌っていたのは、中村一義だったと思う。 ぶっちゃけわたしがあなたの目にどう写ってい…

36

特急あずさに飛び乗って

5月は、まるで濁流に飲み込まれていくような日々だった。 常に20以上のタスクが頭の中に整理されないままあちこちに散らばっており、それを拾っては処理し、ワー! ヤッ…

29

火星人とボート小屋の夜

何年か前に付き合っていた人の近況を聞いた。 その話をちらっとしてくれた共通の友人は今もわたしの仲良しで、わたしの前でその話題はタブーだと思ってくれていたらしく、…

28

つながりたい、つなぎたい

ああ、どうしよう。 電車の席の隣にいる推定0歳の赤ん坊が、私という個体を認識して笑うだけで、なんだか心臓をわし掴みにされたみたいな気持ちになってしまった。 おー…

24

アンラッキーのなかのラッキー

昨日の夜22時、自宅の最寄り駅で突然の不幸に見舞われる。 お金が入っていると思っていたSuicaが残高不足で、精算しようと思ったらカバンに財布がない。 瞬時に脳内高速…

29

【創作】今日という一日が終わるまでにどこまでいけるか僕らは知りたかった①

2008年に朗読劇の脚本として制作したものです。 印刷されたものを偶然掃除中に見つけたので、少し加筆修正してアーカイブしておこうと思いました。 寝る間際、なんとなく流…

22

21時過ぎ、桜の国で

帰宅の電車が人身事故で止まった。 しばらく三鷹駅で時間調整をするらしく、車内はぎゅうぎゅうに混んでいる。 一刻も早く帰りたいけど、21時過ぎの電車の中で未来永劫訪れ…

28

あなたを思う本当の優しさがあれば

親友が京都にいて、その子とは大学で出会った。 なぜ仲良くなったのか、今でもとてもよく覚えている。桜が咲きはじめて、ちょっとその時のことを思い出したから書いてみる…

47

たまに、大声で泣く。

本当はこれで、本当はこのままで何もかも素晴らしいのに。 (風に吹かれて エレファントカシマシ) なぜか、定期的にエレカシに泣かされる。 たとえばCDを全て揃えてます…

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孤独ってなんだ?

リモートワークが解除されて、また通勤が始まり、日々に忙殺されて、日記が滞ってしまった。 書きたいな、が、いつのまにか書かなきゃ、になり、さらにグダグダしてるうち…

27

消えた四月を忘れない。

セーター1枚で近所にふらっとコーヒーを買いに行けるような暖かい日も増えて、いつもの帰り道にある梅の木が満開になっているのを見つけた。 目が覚めるような原色ピンク…

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あの時の家族はもういないけれど、

あの時の家族はもういないけれど、

2021年は、自分なりの「家族」の解釈を決めて向き合う一年にしたいと心の中でひっそり思っている。

かぞく、って何だろう。
わたしはまだ、自分で家族というものを作ったことがない。
なので、わたしの純粋な家族は、自分が生まれて育った場所に居た人々だ。
父方の祖父、祖母(二人はもう亡くなった)、父、母、姉、弟の7人家族。
今だにわたしのなかの「家族」はここからアップデートされていない。

実際のところ

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ブラキオザウルスのおふろ

ブラキオザウルスのおふろ

7月22日(金)
ブラキオザウルスのおふろ

弟の誕生日だということをふと思い出し、メールをしてみた。あいつは蟹座の男だった。
「誕生日おめでとう。達者で暮らせよ」と書いたら、
「おまえも元気で暮らせよ」と返事が返ってきた。

同じ部屋でゲームをしながらボリボリお菓子を食べたりしていたはずの弟と、達者で暮らせと言い合う日がくるなんて、わたしたちはもうすっかり大人になってしまったのだ。

仕事を終え

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おともだちは8匹のゾウ。

おともだちは8匹のゾウ。

9月27日(月)

昨日の夜中に新幹線の新大阪駅で買ったカールを一袋食べてしまったせいか、朝から胃が重い。
旅疲れをおして出勤。
朝からライターとのオンライン打ち合わせが入っており、新しく入った若手メンバーを紹介する。
ライターT氏は、京都編プロ時代からの旧知の仲である。電話で話したりはするがひさしぶりに顔を見た。ピンクのカセットテープがずらっと並んだ謎のオンライン背景に包まれていた。ピンクのカセ

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わたしはもう東京のにんげんなのかもしれない。

わたしはもう東京のにんげんなのかもしれない。

9月22日(水)

四連休後の出勤だった。
休みボケの脳みそを起こすために、まずは休んでいた間に止まっていたものを書き出す。
メモとしばらくにらめっこしていたら軽く30分くらい経過していてびっくりする。
隣の席の後輩がランチに行きましょうと誘ってくれたので心の中でものすごく喜ぶ。
台湾料理屋でルーロー飯。
一回り以上歳が違うのでご馳走したら、帰り道に「ごとうさんの好きな甘いものは何ですか?」と聞か

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パンダに歯が生えた。

最近一番和んだニュース。🐼
一応クマ?だから歯も鋭いのだろうか。
有休をもらって土曜から4連休だったのだけど、なかなかに良い連休だったと我ながら思ったので、備忘録として書いておく。

9月18日土曜日

最近もっぱら将棋にハマっており、ついに将棋の聖地、千駄ヶ谷に行ってみた。
鳩森八幡神社にお参りし、将棋会館の道場を覗き、ひふみんの大好物だといううなぎを食べ、その後一緒に行った人とガストで山盛り

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あなたの目に映る、わたしを見る。

あなたの目に映る、わたしを見る。

「君の眼に映る僕を、僕は知れない。だから、君に会うのは、自分と会うみたい」
と歌っていたのは、中村一義だったと思う。

ぶっちゃけわたしがあなたの目にどう写っているかなんて、怖くて知りたくもないと思っていた。
外見内面含めて、自分が他人の目にどう映っているのか人間なら誰しも気になると思うのだけど、わたしの場合は人の5億倍くらいその傾向がつよいと自覚している。

(この数年特に)ずーっと苦手だと思っ

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特急あずさに飛び乗って

特急あずさに飛び乗って

5月は、まるで濁流に飲み込まれていくような日々だった。

常に20以上のタスクが頭の中に整理されないままあちこちに散らばっており、それを拾っては処理し、ワー! ヤッター! 全部拾えたー! と思ったら、また上からドサーッと課題が落ちてくるような31日間。

時に埋もれ、ばたばたともがき、たまにブチ切れ、わたしの新緑の季節は終わった。
レジャーなんて冗談じゃなかった。黄金の一週間ってなんや? 幻か?

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火星人とボート小屋の夜

火星人とボート小屋の夜

何年か前に付き合っていた人の近況を聞いた。

その話をちらっとしてくれた共通の友人は今もわたしの仲良しで、わたしの前でその話題はタブーだと思ってくれていたらしく、わざわざ近況は伝えないようにしていたようだった。

しばらく話を聞いてなかったので、もうどうなってるのかよくわからなかったのだけど、どうやらわりと近くで働いているらしい。
その話を聞いても、驚くほど心が動かなかったので意を決してこれを書い

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つながりたい、つなぎたい

つながりたい、つなぎたい

ああ、どうしよう。

電車の席の隣にいる推定0歳の赤ん坊が、私という個体を認識して笑うだけで、なんだか心臓をわし掴みにされたみたいな気持ちになってしまった。

おーい、君の目にはわたしはどんな感じに映っている?
ちゃんと人間の形をしている?

手を目の前でグーパーしてみると、それは条件反射のように二タッとする。持たされた布製のおもちゃを一生懸命あむあむしながら。
隣に座っている母親がかたくなにこち

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アンラッキーのなかのラッキー

アンラッキーのなかのラッキー

昨日の夜22時、自宅の最寄り駅で突然の不幸に見舞われる。

お金が入っていると思っていたSuicaが残高不足で、精算しようと思ったらカバンに財布がない。

瞬時に脳内高速巻き戻しをして、理由に思い当たる。
あれだ。
仕事の途中で気晴らしに「飲むヨーグルト」をコンビニに買いに行って、ビニール袋に財布を突っ込みデスクの引き出しにいれたままにした!(ヨーグルトは飲んだ)
その時のズボラな自分を恨むが、そ

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【創作】今日という一日が終わるまでにどこまでいけるか僕らは知りたかった①

2008年に朗読劇の脚本として制作したものです。
印刷されたものを偶然掃除中に見つけたので、少し加筆修正してアーカイブしておこうと思いました。
寝る間際、なんとなく流していたラジオから聴こえてくる物語のイメージ。
声に出して読んでもらえたりすると嬉しい。
後編ものせます。

1.

「この街を今すぐ出なきゃならないのだ」

喫茶店で冷たいジンジャエールを飲みながら、
ネコはぽそりと言った。

また

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21時過ぎ、桜の国で

21時過ぎ、桜の国で

帰宅の電車が人身事故で止まった。
しばらく三鷹駅で時間調整をするらしく、車内はぎゅうぎゅうに混んでいる。
一刻も早く帰りたいけど、21時過ぎの電車の中で未来永劫訪れることのない今日がこんなふうに終わって後悔しないだろうか、と考えている。


 ♢

今日は仕事も珍しくきれいに片付いた。
駅を降りたら、およそ100%の確率で駅前のスーパーに寄って買い物をして、なにか軽く食べながら大好きなアイドルの

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あなたを思う本当の優しさがあれば

あなたを思う本当の優しさがあれば

親友が京都にいて、その子とは大学で出会った。

なぜ仲良くなったのか、今でもとてもよく覚えている。桜が咲きはじめて、ちょっとその時のことを思い出したから書いてみる。

わたしが演劇部に入りたての頃のはなし。
(同級生より一年遅い入部だった、なんと一年の時はワンダーフォーゲル部でしかも何故か一度も山に登っていない)
新入部員であるわたしの初めての役割は、宣伝用立て看板の制作だった。

通っていた大学

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たまに、大声で泣く。

たまに、大声で泣く。

本当はこれで、本当はこのままで何もかも素晴らしいのに。
(風に吹かれて エレファントカシマシ)

なぜか、定期的にエレカシに泣かされる。

たとえばCDを全て揃えてます、とか、ライブには必ず行きます、といったようなガチンコファンではないので、こんなところででかい声でいう話ではないんだろうけど、それが今日だった。

スポティファイでランダム再生された「風に吹かれて」の一節で、不意にブワッときてしまっ

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孤独ってなんだ?

孤独ってなんだ?

リモートワークが解除されて、また通勤が始まり、日々に忙殺されて、日記が滞ってしまった。
書きたいな、が、いつのまにか書かなきゃ、になり、さらにグダグダしてるうちに時間がびゅんびゅん過ぎていく。
これはよくないループだ。そして何か始めた時のお決まりのパターンでもある。

ひさしぶりに書き出すと、言葉を飾ろうとしすぎて5分くらいで書くのをやめたくなる。
書くことにはいつも痛みが伴うし、本当は心の底から

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消えた四月を忘れない。

消えた四月を忘れない。

セーター1枚で近所にふらっとコーヒーを買いに行けるような暖かい日も増えて、いつもの帰り道にある梅の木が満開になっているのを見つけた。

目が覚めるような原色ピンクの花びらは、まだ開いたばかりの完璧な造形をしていて、「少し立ち止まって」と言わんばかりだったのでしばらくそこで観察した。

マスクで香りはよくわからず、外して近づいてみるとほんのり甘酸っぱい香り。
マスク生活で意識してなかったけれど、鼻が

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