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おともだちは8匹のゾウ。
9月27日(月)
昨日の夜中に新幹線の新大阪駅で買ったカールを一袋食べてしまったせいか、朝から胃が重い。
旅疲れをおして出勤。
朝からライターとのオンライン打ち合わせが入っており、新しく入った若手メンバーを紹介する。
ライターT氏は、京都編プロ時代からの旧知の仲である。電話で話したりはするがひさしぶりに顔を見た。ピンクのカセットテープがずらっと並んだ謎のオンライン背景に包まれていた。ピンクのカセットの人、というあだ名がついてしまうかもしれない。
若手の後輩に「どーせ、どーせ、カセットテープなんて知らないんでしょ」という、往年の世代ハラスメントに手を染めてしまい、あとから猛省。
カセットはさすがに知ってますよ〜とからりと返される。
9月28日(火)
燃えるゴミの日だが、ゴミを捨て忘れる。
実家に帰ったことを思い出して軽いホームシックなのか朝から気持ちが沈む。なんとか仕事をこなして、帰路に着いた。
姉のところの上の姪っ子が、わたしの腕のホクロを目に見立て腕をつねって鼻をつくり、「ゾウ!」という遊びが好きで、わたしの右腕に8匹のゾウがいると教えてくれたことを思い出した。
あいこさん、ゾウがいつも一緒だからお友達いなくてもさびしくないね、と言われたので、お友達はいないとさびしいです、と帰りの電車で腕をつねりながら思う。
9月29日(水)
3月末に発行する冊子の打ち合わせでクライアントのところへ向かう。
企画したのがわたしなので当然自分が喋らなくてはならないのだけど、毎度毎度、人前で話すことが本当にいやいやでいやでしかたがない。
一旦意識してしまうと、頭にはちゃんと言いたいことがあるのにことばが口から出てこないのだ。
これはやはり、何かしらの何かなのかもしれないと思い、さらに絶望的な気持ちになる。
わたしにとっては、はい、どうぞ!しゃべって!って言われるのと、はい、さあ!踊って!と言われるのは同義だ。
あー、今後一生プレゼンとかしたくない、と念じながら暗い気持ちでトボトボ会社に戻る。
9月30日(木)
月末の書類処理と月内に必ずあげたいコンテンツのアップ作業がてんやわんやで、昼休憩が17時になってしまう。
少しは外の空気を吸った方が良いと思い、ヨボヨボと暮れゆく神保町を歩く。
近くにスープカレーの店があったことを思い出し覗いてみると、17時という中途半端な時間のせいか、店には誰もいなかった。
カウンターで鶏そぼろスープカレー(激辛)チーズトッピングをオーダーする。
出されたカレーのどこにもチーズが見当たらず、「??これ、チーズ入ってます?」と聞くと、「はい、チーズ入ってますよ!!」と店主がいやにまっすぐな笑顔で答えるので、これは心のきれいな人にしか見えないチーズなのかもしれない......と、それ以上言及できなかった。
キツネにつままれたような気分でまたヨボヨボとオフィスに戻る。
10月1日(金)
請求書の発行などが済み、今月に入ってまだまだやることがてんこもりだというのに、少し気が抜けた一日。
金曜日なのと、非常事態宣言アケということで、早々にあがり、先輩と肉を焼きに高円寺へ。
サシが入った上等な肉を少しだけ食べる。
希少な肉なので各自で育てましょうと意見が合致。チリチリと七輪のうえで焼かれる肉と脂をただただ見守っていると、ものすごく心が凪いでいくのを感じた。
少し飲み足りず、高円寺の緑茶バーなる店で、緑茶ハイをいただく。すごいスッキリとしてて飲みやすかったですね!!?とわたしが帰り道に感想をいうと、アルコールめっちゃ薄かったよ、と言われる。
わたしこういう時だけいやにポジティブだよなァと思いながら豊田行きの快速に乗る。
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