スキありがとうございます!!
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流氷の叫び声(『天国へ届け、この歌を』より)

ある日、行きつけのカウンターバーに新人の女の子が入っていた。小柄で色白の目鼻立ちがはっきりとしたフランス人形のような可愛らしい女の子であった。初対面だった。

どういう経緯か忘れてしまったが、閉店後一緒にタクシーで帰ることになって、どういう訳か彼女の部屋に上がり込んだ。

モルタル作りの2階建ての1階が彼女の部屋で、ドアを開けると申し訳程度の玄関と言うより靴の置き場があって、いきなり洗濯物が干して

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雪が起こした化学変化

砂糖雪

しんしんと降る雪には使命がある
子供達が白い息を吐きながら
雪だるまを作れるように

サンタさんがソリに乗って
プレゼントを運べるように

冬が来れば大地を白く冷たく
凛として美しく覆う使命

産まれて21年目に1度だけ
雪は使命を忘れてしまった

その年の雪は冷たくはなく
嘗めてみると甘い味がした

外見だけを留めながら
冷気を放つ使命を忘れ
砂糖と化した雪の怠惰

大地の包容に心が溶

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ありがとうございます(^o^)
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最近よく見る夢(『天国へ届け、この歌を』より)

彼女が、私に亡くなったお父さんを投影しているならば、先程彼女を「女」として感じたことを恥じなければならない。

私は、彼女に下心を持っているのだろうか。紳士面しているが私は、ただのおじさんに過ぎないのだろうか。

彼女の部屋に入ったら、足の臭いは大丈夫だろうか。

自分では気づかない体に染みついた加齢臭を発して、彼女の気分を悪くしないだろうか。

考えれば、考える程に不安になる。

ベッドに入って

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雪の降った朝の写真@2018年12月

朝にフラッシュ無しで撮ったから、とても暗い写真になった。

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花嫁に悔いなし

思えば、楽しい人生だった。たった30年だけど好きなように生きた。今死んでも残念とは思うけど悔いはない。

そんなに降ってはいないけれど、周囲に遮るものが無く、巻き込むような強風に雪が舞う。窓の外は真っ暗な闇と真っ白な吹雪が、すごい速さで左へ流れてゆく。綺麗だ。

お父さん、お母さん、最後まで自由すぎる娘でした。先に逝く事になってごめんなさい。楽しく生きたから、あまり悲しまないでね。って言っても無理

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読んでくれてありがとう
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『雪の降る夢』

雪の降る夢を見た
陽炎揺らめくアスファルトに
一粒ずつ落ちて溜まる

ふわりと軽さを魅せる動きで
着実に積もり白染めていく
無垢な顔して陽を照り返す

私を冷やかすようなことはなく
風に拐われることもなく
一頻り踊って地に沈むだけ
もう雪かどうかはどうでもよかった

コッコッコッコッコ
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凍った木

おやすみ、となにかが世界に囁いたように、雪が降り続け、無秩序に公平に分け隔てなく、文明も大地も生命も、すべてが凍てついた。
 その惑星がたいらかに氷に閉じ込められてから幾千年。氷の下で凍てつくような海が広がっていることなど誰も想像はしない。海で新たな生命が息づいていたとしても氷上の世界が気付くことはない。同様に、氷上に息吹く存在があったとしてもまた海は知りえない。氷という明確な境界線は、互いが二度

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ありがとうございます!あなたの心に届きますように
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