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ブラキオザウルスのおふろ
7月22日(金)
ブラキオザウルスのおふろ
弟の誕生日だということをふと思い出し、メールをしてみた。あいつは蟹座の男だった。
「誕生日おめでとう。達者で暮らせよ」と書いたら、
「おまえも元気で暮らせよ」と返事が返ってきた。
同じ部屋でゲームをしながらボリボリお菓子を食べたりしていたはずの弟と、達者で暮らせと言い合う日がくるなんて、わたしたちはもうすっかり大人になってしまったのだ。
仕事を終えて、高円寺に住む恋人の家に寄る。
駅前で待ち合わせをして、先に銭湯に行き、少し飲んで帰る約束だ。
小杉湯の今日のスペシャル風呂は、浴槽の淵にずらりと恐竜のオモチャが並べてある、「きょうりゅう風呂」なるものだった。
浴槽に浸かりながら、ごつごつしたブラキオザウルスの首をなでる。45℃の熱めの風呂と水風呂とを交互浴すると、白亜紀にタイムトリップできるらしかった。
ホカホカした気持ちで和田屋に寄り、ビールとなめろうとマグロ串とネギと鶏の炒めたやつなどを食べる。
わたし、一週間の中で金曜日の夜が一番好きかもしれない、と目の前でメニューを熟読している恋人を見ながら声に出さずに思う。
部屋に帰って、人の家の冷蔵庫に買い置きしていたパルムを食べる。やっぱり金曜日が一番好きだとしみじみ思う。
7月23日(土)
夏の朝、暑くて目覚めてしまうことについて
最近、暑すぎて朝5時くらいに目覚める。
近くの喫茶店で食事をしてから国立駅に戻る。
七つ森という家のそばの喫茶店でココナツカレー。
そういえば、古くてすてきな喫茶店のテーブルが椅子より低いのはなぜだろう。よく通っていた京都の喫茶店は、テーブルも小さかった。
小さな椅子とテーブルでコーヒーを飲んだりトーストを食べたりする時間は、なんだかちぐはぐなおままごとみたいで楽しかった。
今夜は代々木で人とご飯を食べる予定にしていて、何を着て行こうか、とぼんやりと考える。
初めましての人と食事をするこの予定は、かなり前から決まっていて、店のチョイスも任されていた。
知らない人同士を引き合わせる意味合いもあったので、場所や時間、両者の好きなものやお店の素敵さ、、なんかをぐるぐる思案しすぎて、その挙句、結局駅前の居酒屋になった。
初めて会った二人のデザイナーは、まさに都心で働くおしゃれなデザイナーさんで緊張した。
7月24日(日)
空飛ぶくるまは2022年にもない
朝、2ヶ月ぶりに髪を切る。
もう3年くらい髪を切ってもらっている美容師さんのおなかが丸くなっていて何だかうれしい気持ちになる。
浮かれて髪を短く切りたくなり、うっかり切りすぎてしまった。
いま、刈り上げた襟足がすうすうしている。
その足で国立のロージナ茶房へ。前の会社の先輩がたとお茶。
エビのアラビアータを頼んだら、やはり山盛り。
食べ始めて15分くらいで皿を見たらなぜかさらに量が増えていて魔法かと思った。
おひさしぶりの野村さんが「飲み来る?」と誘ってくれたので、愛車ラシーンに乗せてもらい、まだまだ明るい夕暮れの立日橋を渡る。
野村さんちの犬(とてもかわいい)に顔を忘れられており、部屋に入った途端、ものすごく唸られる。ジャーキーというアイテムで、手をペロッとしてもらうところまでは何とか叶えた。
野村家のホームシアターで、バックトゥーザフューチャー2を見る。1も見てないのに2を見る。
真っ暗な部屋で、ピザやポテトや枝豆とビールを飲みながら映画、そこはかとない夏休み感。
野村さんちの下の女の子が、「お母さん見て、枝豆こんなに食べちゃった」と報告していてかわいかった。
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