わたしはもう東京のにんげんなのかもしれない。
9月22日(水)
四連休後の出勤だった。
休みボケの脳みそを起こすために、まずは休んでいた間に止まっていたものを書き出す。
メモとしばらくにらめっこしていたら軽く30分くらい経過していてびっくりする。
隣の席の後輩がランチに行きましょうと誘ってくれたので心の中でものすごく喜ぶ。
台湾料理屋でルーロー飯。
一回り以上歳が違うのでご馳走したら、帰り道に「ごとうさんの好きな甘いものは何ですか?」と聞かれたので、「エクレアが好きです」と答える。
帰り道にエクレアを買ってもらい、また喜ぶ。
9月23日(木)
よく晴れた祝い日だった。
夕方から、1ヶ月に一度は何かしらで会う近所のM氏と駅前におやつを食べに行く。
行きたかった喫茶店が混んでいたので結局いつもの国立の大学通り沿いのロイホで栗パフェを食べる。
だいたいにおいて話題は、「最近おもしろいことあった?」なのだが、今回は2ヶ月ぶりくらいだったのでわたしがすごい勢いで喋った。
最近将棋にハマってるという話をしたら、M氏も将棋を嗜むらしい(たしかに強そう)。
角を動かすためにまず前の歩を動かしますよね〜と言ったら、レベルが低すぎる話だったようで、下手に将棋始めたとか言っちゃいけない、なんてったってわたしはピヨ将棋15級ピヨだもの、とハッとした。
夕方の国立のロイホは老夫婦が多くて、ゆったりした時間が流れている。
調子に乗ってカシミールカレーも食べる。
ロイホのメニューは見ているだけで満たされた気持ちになるから良い。
9月24日(金)
やっとの思いで22時くらいに仕事を終え、新宿バスタに向かう。
夜のバスタは想像以上に混み合っていた。
弟から「東京バナナ買ってこい」という旨のLINEが届き、夜の新宿で買えるか〜? と思ったがバスタのコンビニに山積みされていた。ポケモンパッケージを二箱買う。
予約したバスは前が4列、後ろが3列の車。
わたしが予約した席は3列シートの真ん中で、カーテンで仕切ると外の景色は全く見えなかった。拉致られた気分になり、ますます目が冴える。
お笑い芸人の深夜ラジオがちょうどやっていたので聴く。空気階段のかたまりが最近ハゲてきた、という話だけが耳に残る。
真夜中3時に愛知の長篠のSAで一度降りる。
山の匂いがした。朝、大阪に着く。
9月25日(土)
およそ2年弱ぶりの実家。
着いたら安心してお腹が減り、白飯を二杯も食べてしまった。母親からよく噛みなさい、と嗜められる。
そういえば母親から言われることは20年以上前くらいからあまり変わっていない。
実家は築40年以上の古びたマンションで、わたしが小さな頃から間取りも何もあまり変わっていなくて、ただ室内で育てているパキラだけがジャングルのごとく異常に大きく育っていた。
母が剪定しようとすると、何故か父がものすごく怒るらしい。
自然と葉が落ちるまで触るな、とのこと。何と重ねているのかは謎だがパキラは生命力に満ち溢れていた。
しばらくすると和歌山に住む弟夫婦と姪(2歳)が会いに来てくれた。
弟はおじさんになっており、姪はとてもかわいくなっていた。車に乗せてもらい墓参りへ。ひさびさにおばあちゃんに会えた気がした。帰りに弟とお嫁ちゃんとミニストップのアイスクリームを食べる。
家に戻ると、母が張り切ってお昼にトンカツを揚げていた。夜は寿司だった。さすがに食べ過ぎ感。
9月26日(日)
朝から姉の家へ行き、3人の姪甥と遊ぶ。
クマの絵柄を合わせる神経衰弱ゲームで惨敗し、ひしひしと脳の衰えを感じた。
近くのショッピングモールへ行き、年に一度だけだからね、と言いながら好きなものを買ってやることにした。
一番上の姪は自分の財布、二番目の姪は目覚まし時計(来年から小学校に行くから、だそう)、末っ子の甥はウルトラマンのベルト(かっこいいのがいいとのこと)。
無駄なものでも、しょうもなくても、ほんとうに欲しいものを選んでねと言った。
親が買ってやらないものをわたしは買ってやりたいのだ。
二番目の姪がわたしに「じいじ(父)が真ん中の子はいいところがいっぱいある、一番賢くなる、っていってた。だからわたし賢いねん」と話してくれた。
わたしあんまり賢くない。ごめん、父。
帰りの新大阪で一人暮らしなのにどでかい551セットを買う。
東京駅に着いたら、なぜかすごくホッとした。
わたしはもう東京のにんげんなのかもしれない。