マガジンのカバー画像

読み返したい記事

156
読み返す記事
運営しているクリエイター

2024年5月の記事一覧

【随筆】雨は降っていない

【随筆】雨は降っていない

 今朝、目が覚めたのは、起きなければならない時間より1時間経っていた。 

 散歩の時間に起きれなかった。Apple WatchとiPhoneと連携させて、目覚ましを設定させているのに。Apple Watchの振動とiPhoneの目覚まし音、わからなかった。

 過眠。抗うつ薬のせいで起きれなかったんだと思う。それから、『明日は朝から雨』という昨夜の天気予報に私の心から『起きなくていい』という呼び

もっとみる

詩 / 暗示

私はことばにすると私だけど
ほんとうの私ではない

わたしそのものと
ことばでいう わたし には
かいりがある

私ということばのかわりに
あなたをつかうと
乖離が大きくなるから
そうならないように
私を使う

発された言葉は揺るがない
揺れ動く私と違って

ことばと現実に乖離があれば
揺れる私が隙間をうめる

わたしはげんきといえば
げんきということばがゆるぎないので
わたしのほうがげんきという

もっとみる
料理から学べることがある

料理から学べることがある

俺は

料理はイマジネーション

だと思ってます

こういう料理を作りたいな、という
ある程度の結果を想定して
その後、プロセスを組み立てていきます

慣れた過程のものであればあるほど
効率が良く、手間も細部までゆき届くし

初めての食材や苦手な調理過程ならば
なかなか都合よくならないことになる

そんな得手と不得手の工程を
頭の中で組み立てて
仕上がりのイメージが
徐々に鮮明になってゆくのです

もっとみる
ラベンダー畑の約束【ショートショート】

ラベンダー畑の約束【ショートショート】

ラベンダー畑と一緒に見た夢がある。夏の日差しが降り注ぐ、何もない平原。遠くまで続くラベンダー畑が広がっている。

風が吹くとラベンダーの香りが全体を包む。瞬きする度に香りが増してくる。風が吹くと香りが強くなるのだ。

僕たちはそこで約束を交わした。二人だけの秘密の約束。一緒に畑を歩く約束。約束は簡単だけど、心は深い。

彼女が笑うと、全てが明るくなる。その笑顔が、僕の世界を照らす。何かを失った時、

もっとみる
#233 ずっとそばにいる

#233 ずっとそばにいる

 蕎麦屋には、蕎麦と天ぷらにミニ丼がついたセットメニューがつきものです。加えて、日本酒や焼酎に合う板わさなどのおつまみも。どれを楽しんでも良いのですが、そのお店はあくまで「蕎麦屋」です。

 きっと、揚げたての海老天やお出汁の香るひつまぶしの方が、蕎麦よりよっぽど印象に残ることでしょう。蕎麦屋のカレーはうまいとか言うけれど、もはや意味不明な領域にまで及んでいることに気づけていない発言です。蕎麦を取

もっとみる
念ずれば花開く/仏教、写真

念ずれば花開く/仏教、写真

病院である実験をした話を

聞いたことがあります。

まず

ガン患者をAとBに分けて

Aの人達の事を必ず1日のうち

心配したり考えたりしてあげる

Bの人達には何も思わず何もしない

そうするとガン患者の症状がどうなっていくか

実験です。

そして検査結果を見ると

Bの人達よりAの人達のガンの症状が

良くなっているという実験結果が出たのです。

この実験は何度やっても同じ結果が

出た

もっとみる
宗教や信仰についての雑記 #126

宗教や信仰についての雑記 #126

◯なんとかなる

先日、不安に襲われる出来事があり、その時、だいぶ昔にあるテレビ番組で、浄土真宗の信徒の方(道場主だったかもしれません)が、「なんとかなる」という言葉の大切さについて説いていたのを思い出しました。

この「なんとかなる」という言葉はたいていは何か問題に直面したときに発せられるものですが、ときに「いい加減」とか「無責任」とみなされることがあります。
このテレビ番組の内容はあまり覚えて

もっとみる
無題

無題

やっぱり、ペンを持つってことは恐ろしいことだ。

身の回りのことを書いている以上、批判めいたことも出てくるし。そりゃぁ自分の意見を正当化しようとすると、相反するものごとを否定して意見の先端を尖らせることだって出てくるでしょ。
やっぱりだめか。いついかなる時でも批判してはダメ、否定してはダメか。そんな綺麗な文章がぼくに書けるのだろうか。

ただひとつだけ言えることは。自分の吐いた言葉がすべて自分に返

もっとみる
かまいたち

かまいたち

「かまいたち」っていると思う?
違う!芸人のかまいたちじゃなくて、妖怪のかまいたち。
芸人のかまいたちが居ない世界線も気になるけども。最近、世界線って言っておけばいいみたいな風潮、どう思う?

これね。イメージが湧かないなら「かまいたち 妖怪」で画像検索してくれ。いっちゃん怖い絵のやつね。

ぼくね、こないだ「かまいたち」に切り付けられたんよ。っていうか、今まで、かなり切り付けられていたみたい。

もっとみる
閃きのまま旅に  |  奈良

閃きのまま旅に | 奈良

直感に従う旅。

前回は伊勢でした。

「知らない街に行く=直感をつかう」ことだそう。旅は選択と決定の連続なので、

「なんとなくこっち!」
「次はこっち!」

と、自分の直感をつかうごとに
どんどん磨かれてつかえるようになってくものらしいのです。
普段から思考優位でケツ重なわたしは
パッパッと決めて動ける自分に戻るべく、
たまにこう、ふらっと旅に出るのでございます。

旅に出ずとも
たとえば外食

もっとみる
【1分小説】きみのもとへ

【1分小説】きみのもとへ

彼はもう、どれくらいここにいるのか覚えていなかった。

覚えているのは、彼には
とても大切な人がいるということだけだった。

その大切な人が誰なのかもわかっていないけど、ずっと呼ばれているような気がしていた。

そして、彼自身も
その人に会いたかった。

でも、彼には足が無かった。

「神様、僕に走れる足をください。」

彼は、天に向かってお願いをした。

すると、神様が
大根の足を授けた。

もっとみる
【詩】ひとつのことば

【詩】ひとつのことば

私はいつもただひとつのことばが欲しい

それはあなたの口から出たものでなければならない

あなたの手で書いたものでなければならない

それはそこら中に溢れていることばで

あなたに使われるのを待っていて

私はそのことばで生きて

そのことばで死んだようになって

あなたから出たひとつのことばは

やすやすと私を動かして

過去を紡ぎ

未来を集め

今を創る

あなたの小さなことばひとつで

もっとみる
お気に召すまめ

お気に召すまめ

70代ラストイヤーの父。
毎日の畑しごとに精を出す。
祖母が残した菜園と自分の家庭菜園、2ヶ所の畑を耕して、野菜を育てて収穫する。
母はノータッチ。

5月は絹さや、スナップエンドウ、
実エンドウ(グリンピース)の収穫シーズンだ。

帰省していた私たち夫婦も絹さやとスナップエンドウをバケツいっぱいに取った。

「全部取った〜ハイ終わりー」
でもちょっと離れて見てみると、あっちにもこっちにもまだまだ

もっとみる
恋をして蝶になった主人公

恋をして蝶になった主人公

 きっと貴方は忘れているのでしょうね。

 とうの昔から私の胸にある、この温かい想いを。
 どのような言葉で表したら良いのか、自分では分かりかねます。
 ですが確かな事は、酷なこと、不愉快に思ったこと、怯えたこと。
 そのような時間は存在しておりません。

 間違い無く貴方は私にとって、大切な気持ちを『香り』と共に心へ運んで下さいました。

 どれだけの刻が経とうと、忘れる事など無いでしょう。
 

もっとみる