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月刊『抽象的な歩き方』

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様々なフリー切符や長旅に出た記録の置き場。
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2024年3月の記事一覧

ACT.89『夢を訪ねて』

ACT.89『夢を訪ねて』

苫小牧名物?

 苫小牧駅からも近い、苫小牧科学センター。
 この苫小牧科学センター付近には、もう1つの名物がある。こちらの方が有名なのだろうけど。
 それが、地図内でも『ミール展示館』として案内されている施設だ。太陽光パネルによる出迎えを受けて、中を知る為に入ってみよう。
 しかもこの『ミール展示館』。なんと無料で入場できるらしい。休館日を除外して、いつでも手軽に入る事が出来るようだ。

突然、

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ACT.88『悩める時間』

ACT.88『悩める時間』

ルートイン

 苫小牧で深夜に取り残され(?)た自分は、そのまま2軒のビジネスホテルに電話を入れた。
 その結果…無事に駅前のルートインの一室を確保する事に成功し、こうして冒頭の写真のようにベッドで寛いでいる状態となる。
 ちなみに占めて9,000円近く。夏季のレジャーシーズンに北海道インターハイによる学校団体の訪問も相俟って、ホテルの確保に苦慮しかつ空き室も少ない状態での宿泊となった。
 今回、

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ACT.87『引き換え』

ACT.87『引き換え』

働く同期

 札幌市営地下鉄で、最も格好良い…というのか、自分が最も魅了された車両は一体どれだったのか、と問われたら間違いなくこの8000形である。
 車両のルックスから感じる平成感、そしていつになろうと衰える事のないモダンなデザイン。そうした面が自分を魅了させた。
 そうした誘惑に勝てないから、今の自分はここにいる。新さっぽろの構内で地下鉄を撮影している。 
 写真は、乗車中の電車から撮影した新

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ACT.86『飛ばせる線路』

ACT.86『飛ばせる線路』

石勝線、再び

 追分駅に戻ってきた。列車を待機する。
 南千歳方面に向かって札幌方面に戻るのがこの旅の現状の締めくくりに相応しい…状況であるが、時刻表を確認してみると新夕張方面に1本の列車が見えた。
「少し乗車して、1駅か2駅先で下車すっか」
そうした思いで、駅に入る釧路方面の特急列車を待機した。

 やってきた列車に乗車する。キハ261系1000番台による特急列車、おおぞら/9号である。
「ま

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ACT.85『膝下解明』

ACT.85『膝下解明』

キハの裏で

 当日の天気は、曇天の中に陽射しが時折差し込むといった状態であった。そうした中で、屋外に保存されているこの場所のメイン的な存在であるキハ183-214を撮影する。夕日を受けて輝く国鉄色は、日本人のDNAを刺激する格別の情景である。
 さて。こうして炭鉱鉄道の開発歴史や石勝線の開通と安平町を形成した歴史を2つ眺め、保存車も共に観察した。
 しかし、この場所には隠れてまだ保存車がいるので

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ACT.84『非業乗り越えて』

ACT.84『非業乗り越えて』

もう1つの看板

 道の駅あびらD51ステーションで昼下がりの時間を過ごしている。
 札幌から石勝線へ直通する特急/おおぞら…にて再び旅の序盤に訪問した安平町は追分に戻った。
 先ほど、この場所では自分が見ておきたかった保存車であるキハ183系、キハ183-214を観察し撮影に没頭した。だが、この場所にはもう1つの保存車が居るのである。その保存車は、かつての安平町の主役であり、この追分の大地を鉄道

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ACT.83『新たなヒーロー』

ACT.83『新たなヒーロー』

道東の星と共に

 昼下がりの札幌駅。
 土曜日の夏季。8月をもう少しで迎えようとする中の札幌は北の大地といえど暑く、自分の中では滞在時間で慣れているとはいえ、車両を見てようやく自分が北海道に滞在していると気付かされる。
 ディーゼルサウンドを掻き鳴らし、高架駅に滑り込んできたのはキハ261系1000番台。
 現在の道南方面と札幌を結ぶ特急/スーパー北斗。そして今回乗車する石勝線で道東と札幌を結節

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ACT.82『栄華を残す場所』

ACT.82『栄華を残す場所』

工場を見てから

 再び、苗穂工場に戻った。
 室蘭本線を経て、岩見沢へ。その後に旭川へ向かおうとする時以来この場所にやってきた。
 少しだけ離脱しただけでも、ここまで変化が起きているというのは何か感慨の深さがある。最果ての北の大地でも、当たり前のような日常があるのだと改めて思い知らさせるというか。
 苗穂工場を見渡せる跨線橋を離脱し、再び札幌に戻るべくホームに移動する。
 ちなみにこの跨線橋のポ

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ACT.81『躍進の交通と』

ACT.81『躍進の交通と』

シェルターの地下鉄で

 平岸高台公園での聖地巡礼を終了すると、再び南北線に乗車した。乗車した時と同じようにして、5000形が出迎える。
 札幌市営地下鉄は、全国の地下鉄と同じようにしてホームドアのない状態でかつては運用されていたのだが、近年の安全対策によってホームドアの設置が進行し車両の姿をじっくり拝む事が難しくなった。
 そうした中での南平岸駅にて撮影した写真が、今回冒頭の写真である。
 南平

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ACT.80『出会いの朝と札幌の街』

ACT.80『出会いの朝と札幌の街』

すすきのから

 すすきのに店を構える『すみれ』(本店は真駒内方面らしいが)を食して自分が地下鉄の最終電車で宿に戻り、宿のリビングで机に置かれた飴をポリポリ食べてのんびりしていると、ガチャっと玄関の扉が開いた。
 自分以外の宿泊客に出会うのはこれがはじめて。会釈をしつつ、
「よろしくお願いします」
と1夜を過ごすにあたっての挨拶をした。
「どちらへ行かれてたんですか?」
帰ってきた男性と束の間の会

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ACT.79『眠らない夜』

ACT.79『眠らない夜』

随一の繁華を

 西18丁目から東西線に乗車して、再び大通にやってきた。この大通では札幌市営地下鉄の全路線が交錯し、全ての方角にアクセスが可能になっている。
 当初はセイコーマートで探して、ホットシェフでも…と思ったものの、折角の美食の都市に居るのだからやはり何か食べておかねばという気持ちにさせられた。何回かホットシェフでは食べたし、もういいかな…という気持ちが内心混ざっていたのも含まれるのだが。

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ACT.78『焦点』

ACT.78『焦点』

宿、到着へ

 ゲストハウスに行くまでの道のりに、かなり迷っていたのを今でも思い出す。
「どっちや…分からん…」
発達のあるあるになってくるのかもしれないが、方向感覚や地図感覚、それに自分の居場所を感じられないというか街中を逃走しているような気持ちになる。時刻は既に21時を回っていた。通常の移動ではサッサと進めるような移動距離を、サイン類のレトロな文字や札幌市営地下鉄の独自性を写真に記録しつつ歩行

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ACT.77『街へ戻って』

ACT.77『街へ戻って』

世話になった場所を

 いよいよ、長きに渡って道北・道東のルートを自分の旅路で支えてくれた旭川と本当の別れになる。
 長くの旅で、様々な場所に自分を導いてくれたこのターミナルには、感謝をしてもしきれない気持ちが残る。またこの駅から、流氷の流れる紋別に最北の稚内へ。常紋の険しく長い急峻な場所へ。自分を案内してくれるだろうか。
 旭川の駅を幾つか写真で撮影し、この旅の1つの節目にする事にした。
 この

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