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#読書感想文
妻が「薔薇」だということは
【スキ御礼】歳時記を旅する50〔薔薇〕前*ことごとく刺す意あらはに薔薇の棘
童話『星の王子さま』で、王子様がいたという星は、家ほどの大きさだった。そこにある一本のバラは、妻のコンスエロ・ド・サン=テグジュペリがモデルになっているという。
ということは、話の中の「家ほどの大きさの星」とは、作者にとって妻のいる家庭が「星のような家」だったということなのだろう。
二人の現実の家庭が一つの星のようだっ
【読書】手塚治虫の漫画を読み漁っていたらたどり着いた、釣りキチ三平作者の民俗学本【ボクの手塚治虫】
夏休みが気付いたら終わってしまった。
まあ何をしていたかといえば基本は帰省してたのだが、その中で一番やっていたのは手塚治虫の漫画を読み漁ることだろう。
いや、Kindle Unlimitedがまた3ヶ月99円だったのでいつものごとく入ったら、あらゆる手塚漫画が1巻だけ無料だったことに気付き、ここぞとばかりに読んでしまったのだ。(気になったものは続巻を購入しつつ)
それまで自分が抱いていた手塚
わたしの好きな本:刺繍とその技法編
わたしの好きな本第5弾です!
今回は、刺繍についての本を集めました。
▼前回の記事▼
刺繍って何でこんなに惹かれるんでしょう。
昔から刺繍を施してあるものを見ると、美しくて可愛くて、こころが明るくなるのです。
刺繍と一言で言っても、ヨーロッパ刺繍、中国刺繍、カザフ刺繍などなど、各国で発達した装飾の技法は、王族に献上されるために作られたもの、生活を守るためのものなど、目的も多様です。
今回集め
今は、今しかない。動かなければと思った。
西加奈子さんの「i」を読了した。
読み始めてすぐに、音楽を消した。
無音で読むのは久しぶりだった。
この小説は、あの事も語るのか。
すぐに理解した。
世界のどこかで、悲劇が起きようとも自分がそこの当事者にならなければ自分の事として考えられない甘い奴。それが僕。
人より不幸の自分の方が、自己説明がつく。
助けになりたい、救いたい。雄弁に語れる。
到底、本当の自己とは分離した自分との対話だ。
図書館で借りる本をルーレットで決める ①『地下鉄の文化史』
ルール1冊目 S516.72図書館にはいってたところで早速、ルーレットをまわしていく。
ひとつ目の数字は「5」。技術のコーナーへ移動。
それから「1」,「6」。まだ複数あるようなのでもう一回まわす。「7」。
まだまだある。これは予想外だった。さらにまわそう。「2」。
まだまだある……がこれ以上はルーレットで決めていくのは難しそう。
それに読めないと意味がないので、「516.72」たちの中から一
『猿蟹後日譚 : 一名・猿蟹弔合戦』をネットの海に残す
前回紹介した『猿蟹後日譚 : 一名・猿蟹弔合戦 (幼年文学 ; 第2)』だが、神アプリである『みを』のおかげでどうにか読み終えることが出来た。
猿蟹合戦の別バージョンといえば芥川龍之介のものが有名だが、今回の猿蟹弔合戦はそれとは全然違う後日譚だったので、なかなか楽しめた。
(芥川龍之介の猿蟹合戦は、カニが復讐とはいえサルを殺したため、裁判で死刑になるというお話)
さっと調べた感じでは、この猿
「好奇心」を哲学するのに私に必要だったのは、大工と海外文学だった。
私が興味を惹かれるものに、その人を知りたいという「好奇心」があるのかもしれない。
私は、読書が好きだ。そこにそれ以上もそれ以下もない。もちろん知識は多くて、思慮は深い方が物事を造詣深く捉える事が出来ると思う。
私の「好奇心」は、そういうものより、現実を生きていて、このSNSに対して望む事が、それを描いてる人に興味が向く方が強い。ここ数ヵ月はその傾向がさらに強い。
これは、自分自身の今年やるべ
村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」(新潮文庫)を読む①
はじめに ーー村上春樹の”読み方” はっきりと言ってしまえば、私は、村上春樹の小説がよくわからない。
文学部生だった頃は、冗談で「彼の小説はコーヒーを淹れ、パスタを茹で、熱いシャワーを浴び、女性を抱いてばかりいる」と、よく友人に言っていたものだ。
実際、村上春樹の小説はどこか掴みどころがなく、まるで身体を抜けてゆく風のようで、読後にはぼやけた印象しか残らない。ただ、日常のふとした瞬間に、彼の世