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日本以外のアジアに関する本のレビュー集

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日本以外のアジア諸国、地域に関する本のレビューを集めてあります。日本については、「日本史に関する本のレビュー集」に集めました。
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#中国

アジアの仮面―神々と人間のあいだ

アジアの仮面―神々と人間のあいだ

アジアの仮面―神々と人間のあいだ

 アジアの仮面を使った芸能について、書かれた本です。仮面劇、仮面舞踊などですね。
 日本、韓国、中国、ネパール、インドネシア、インド、スリランカの七カ国が、取り上げられています。

 日本人であっても、日本の仮面の文化について、詳しい方は、少ないでしょう。
 ましてや、他国のこととなれば、情報は、ごくわずかです。

 本書は、複数のアジアの国々を取り上げ

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アジア遊学 (No.52) 徐福 アジア二〇〇〇年の青い鳥

アジア遊学 (No.52) 徐福 アジア二〇〇〇年の青い鳥

アジア遊学 (No.52) 徐福 アジア二〇〇〇年の青い鳥

 勉誠出版から出ているムック『アジア遊学』の第52号です。徐福【じょふく】の特集号です。

 徐福は、伝説の方士【ほうし】ですね。秦の時代の中国にいた人です。秦の始皇帝との逸話で、知られています。
 中国を統一した後、始皇帝は、不老不死を強く求めるようになりました。そんな始皇帝に、不老不死の術を知っていると称する方士たちが、接近しま

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仏教美術のイコノロジー―インドから日本まで

仏教美術のイコノロジー―インドから日本まで

仏教美術のイコノロジー―インドから日本まで

 仏教美術が、どこで、どのように発達してきたのかを、解説した本です。
 インド、中央アジア、中国、日本と、仏教の来た道筋を追っています。

 仏教美術といえば、まず、仏像が思い浮かべられますね。
 けれども、仏教美術に含まれるのは、仏像だけではありません。

 本書では、蓮や聖樹など、仏教美術に現われる植物の表現について、取り上げられています。

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アジア遊学 (No.71) アジアの怪

アジア遊学 (No.71) アジアの怪

アジア遊学 (No.71) アジアの怪

 勉誠出版から出ているムック『アジア遊学』シリーズの第71号です。
 「アジアの怪」の特集号です。

 アジア諸国に伝わる怪異現象や、妖怪が、紹介されています。
 とはいえ、紹介されている地域には、偏りがあります。中国と日本とがほとんどです。

 他の地域は、冒頭の「序言 大地・山川・ジャングル・海から沸き立つものたち」の章で、少しずつ触れられてい

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海の古代史―東アジア地中海考 (角川選書)

海の古代史―東アジア地中海考 (角川選書)

 どこの国でもそうですが、日本の古代史にも、謎が多いですね。
 古代といえるほどの昔は、どうしても、情報が少ないからです。

 本書は、日本の古代史に、「東アジア」という視点から、切り込んでいます。
 古代の日本は、東アジアの国々と関係が深かったことが、明らかになっています。にもかかわらず、この視点からの一般向けの解説書は、少ないです。
 本書

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アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

 アフガニスタンは、アジアの内陸にある国ですね。二〇一四年現在は、政情不安な国であることで、知られています(^^;
 また、イスラム教国であることでも、有名ですね。

 かつて、この国では、仏教が栄えました。その頃の遺跡が、たくさん残っています。
 正確には、「残っていました」と言うべきかも知れません。イスラム教の勢力が強くなり、政情不安と相ま

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色彩のコスチューム―中国55少数民族の服飾 (京都書院アーツコレクション 11)

色彩のコスチューム―中国55少数民族の服飾 (京都書院アーツコレクション 11)

色彩のコスチューム―中国55少数民族の服飾 (京都書院アーツコレクション 11)

 中国の少数民族の、伝統的な服を紹介した本です。

 中国には、55の少数民族がいるといわれています。それぞれに違う文化と歴史を持ち、生活ぶりも、多様です。
 本書は、それらの少数民族に、服飾から迫っています。

 どの服も、美しいです。特に、刺繍が見事なものが多くて、目をみはります。
 ページをめくり、服

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シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

 『シルクロードの象』とは、不思議な題名ですね。
 内容は、この題名どおりです。シルクロードに現われるゾウ(象)を紹介した本です。

 シルクロードと象とは、普通は、あまり結びつきませんよね。
 けれども、考えてみれば、シルクロードの途中には、ゾウの分布する地域があります。東南アジアや、インドを中心とした地

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神々の造形・民俗仮面の系譜 (みやざき文庫90)

神々の造形・民俗仮面の系譜 (みやざき文庫90)

神々の造形・民俗仮面の系譜 (みやざき文庫90)

 九州の民間に伝わる仮面を、紹介した本です。

 本書を読むまで、私は、日本の民間に、こんなに豊かな仮面文化があることを、知りませんでした。
 素晴らしい文化なのに、日本でも、ごく一部の人にしか知られていないのが、残念です。

 たくさんの仮面の写真が、カラーで載っています。克明に写された仮面たちは、技巧的に優れたものばかりではありません。

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ごはんとパンの考古学

ごはんとパンの考古学

ごはんとパンの考古学

 私たちが、普段食べている、「ごはん」と、パンとについて、それぞれの起源を探った本です。

 「ごはん」とは、イネの果実を脱穀した「お米」を、水で炊いたものですね。
 いっぽう、パンとは、オオムギやコムギなどの麦類の果実を、脱穀して、粉にひいて、塊にして、焼いたものですね。

 「ごはん」は、東アジアや東南アジアなどで、主食とされています。
 パンは、西アジアやヨー

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日本の美術 no.330 飛天と神仙

日本の美術 no.330 飛天と神仙

日本の美術 no.330 飛天と神仙

 飛天【ひてん】と呼ばれる超常的存在と、神仙と呼ばれる超常的存在とを、解説した本です。
 類書は、ほとんどありません。飛天を扱ったものとして、わずかに、小学館の『飛天の道』があるくらいです。

 飛天も、神仙も、日本をはじめ、アジアの美術に、よく現われるものです。一見しただけでは、飛天なのか、神仙なのか、わからないものも、少なくありません。
 ごく簡単

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シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)

シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)

シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)

 シルクロードを実際に旅した著者が、それぞれの土地の文化や歴史について、書いた本です。

 著者が旅した範囲は、西はトルコ、東は中国、南はイエメンやインド、北はウズベキスタンやタジキスタンにわたります。
 これだけ広い地域には、さまざまな人々の生活があるなあ、と感じられます(^^)

 解説書や事典というよりは、エッセイです。著者の

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吉祥・弁才天像 (日本の美術)

吉祥・弁才天像 (日本の美術)

吉祥・弁才天像 (日本の美術)

 『日本の美術』シリーズの317号です。
 仏教に登場する女神、吉祥天と、弁才天との特集号です。

 吉祥天も、弁才天も、もとは、インドで信仰されていた女神です。それが、仏教に取り入れられて、日本にも渡ってきました。
 この二柱の女神は、性質が似ています。どちらも、容貌が美しく、福徳を司るとされます。このために、混同されることもありました。

 本書では、

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天使と悪魔の大事典 (Gakken mook―ムー謎シリーズ)

天使と悪魔の大事典 (Gakken mook―ムー謎シリーズ)

天使と悪魔の大事典 (Gakken mook―ムー謎シリーズ)

 題名のとおり、天使と悪魔とについて、解説した本です。

 天使や悪魔といっても、キリスト教のものとは限りません。イスラム教、ゾロアスター教、ヒンドゥー教、道教など、各宗教において、天使や悪魔に相当するものを紹介しています。
 本書が一冊あれば、基本的な天使と悪魔とについては、ほぼ、カバーできると思います。

 本書がもの足り

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