池永寛明|社会文化研究家

コロナ禍・ウクライナ紛争を契機に構造変革しつつある日本社会の過去・現在と未来を構造的・…

池永寛明|社会文化研究家

コロナ禍・ウクライナ紛争を契機に構造変革しつつある日本社会の過去・現在と未来を構造的・文化的に捉え、未来を展望・発信。AIと社会をつなぐデータビリティコンソーシアム事務局長・Well‐Being部会長、堺屋太一研究室主任研究員など。著書(「日本再起動」「上方生活文化堂」など)

マガジン

  • 日経COMEMO

    • 13,387本

    日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

記事一覧

あなたには、なにが見えていますか?

いろいろなことがおこる。今までならば、あり得なかった重大な問題がおこる。それも、頻発におこる。それが、いろいろな所で、連鎖的におこる。そして、その問題は長期化す…

別次元の人が頑張るニッポンに―誰からリストラする?(下)

日本の組織には独裁者、カリスマは合わない。そんな人が社会に現れても、長くは君臨できない。平清盛、織田信長、豊臣秀吉、大久保利通しかり、日本は突出したリーダーには…

「誰からリストラする?」の女子大生が出した答えから5年目の日本は?(上)

5年前の女子大生たちの答えが、現代日本社会でリアリテイを増している 「あなたは入社15年目の管理職です。あなたには部下が10人います。1人をリストラしなければならな…

地味にコツコツのなにが悪いんや?ー平凡と非凡(下)

大手有名企業に採用されて、たった1か月、半年、1年でやめていく。あの有名企業に雇用されたということで、自分の非凡さをアピールできた。次にその大手企業にいたという…

アインシュタインといえば、どんな顔を思い出す?ー平凡と非凡(中)

アインシュタインといえば、どんな顔を思い出すだろうか? アインシュタインは世界的な研究成果があったから非凡になったのであって、あの下ベロを出した写真で非凡になっ…

インバウンドの光と影で消えていくこと―平凡と非凡(上)

コロナに罹患した。自宅の誰も滅多に使わない部屋に隔離され、これを書いている。日曜日から咳き込みだし、喉が痛くなり、発熱して、頭痛が激しくなり、近所のクリニックで…

Well-Beingなナラティブが混ざりあう30分圏社会へ―未来社会はどうなる(下)

「ブランドショップの立地も、必ずしも路面に接する必要はなくなった。賃料が安いビルの2階以上に店を構えるようになった」―数年前に、世界でいちばん住みたいまちとして…

どっちから見ている?―未来社会はどうなる(中)

どっちを向いているのだろう? どっちに立っているのだろうか? ライドシェアというビジネスのカタチは、世界では決して新たなものではない。世界では普及している。しかし…

迷子のニッポン。現在、どこにいるの?―未来社会はどうなる(上)

迷子になっている。目をきょろきょろしている。 現在地は、どこだろう?どこにいるんだろう? コロナ時代4年目の現在、なにがおこっているのだろう?これからなにがおこり…

坂の上の雲から50年―さまよう日本はどこに行く(下)

日本は「坂の上の雲」をめざした。1968年から1972年の4年間、司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」が産経新聞の夕刊に1296回連載された。明治維新から日露戦争までの40年間の明…

現代日本がめざすモデルはどこ?―さまよう日本(上)

教員「残業代」、50年振りに前進――恒常的に発生する残業をなんとかしないといけないというのは、その通り。しかしそれで教員の仕事における課題が根本的に解決するのだ…

本当にこんなんでええんか?ーこんな少子化対策はどうやろか?(下)

「こども年金」制度が、少子化の流れを反転させる私のファイナルアンサー。親が仕事をしていようがしていまいが、結婚していようがしていまいかにかかわらず、子どもが生ま…

子どもの18年と高齢者の18年は同じ18年ではない―こんな少子化対策はどうだろうか?(上)

5月5日の子どもの日は「端午の節句」で、男の子の健やかな成長や幸せを祝う。わが家の仏壇の「過去帳」に残された江戸時代からの先祖の死亡年齢を見ると、年齢若くして子ど…

大切なことは変えたらあかんーあなたがあなたでなくなる

「テレワークは、これからどうなる?」 という質問をよく受ける。昨年5月に新型コロナウイルスが5類感染症に移行して、テレワークメインから出社メインに変わろうとするな…

令和の浦島太郎は玉手箱を開けたらあかん—浦島太郎ニッポン(下)

ノスタルジーにふけることは、時にはあってもいい。かつてを懐かしむ時も、あってもいい。瞬間、刹那はいいが、それを「過去から未来につながる基本潮流」だと考えてはいけ…

なぜみんな同じ顔をしているだろうか?—浦島太郎ニッポン(中)

韓国は美容整形大国。 韓国の女優って、みんな、顔が似ていると思いませんか?整形している人が多い、男の人も、女の人も。この韓国の美容整形の技術のノウハウを移転した…

あなたには、なにが見えていますか?

あなたには、なにが見えていますか?

いろいろなことがおこる。今までならば、あり得なかった重大な問題がおこる。それも、頻発におこる。それが、いろいろな所で、連鎖的におこる。そして、その問題は長期化する。なにが、おこっているのか?

1 目に見えない問題が見えなくなった

問題がおこる。問題には目に見える問題と、目に見えない問題がある。目に見える問題には対処しようとするが、目に見えない問題は見えていないから対処しない

目に見えている

もっとみる
別次元の人が頑張るニッポンに―誰からリストラする?(下)

別次元の人が頑張るニッポンに―誰からリストラする?(下)

日本の組織には独裁者、カリスマは合わない。そんな人が社会に現れても、長くは君臨できない。平清盛、織田信長、豊臣秀吉、大久保利通しかり、日本は突出したリーダーにはついていけないと考えるーそれ、本当?

組織のなかに、飛び抜けた人がでている。しかしみんな一緒、みんな仲良しの組織のなかでは、みんなと違う、場を乱す人とみなされ、別次元の人は浮き、排除されるーそれで、いいの?

1 別次元の人に実力を発揮

もっとみる
「誰からリストラする?」の女子大生が出した答えから5年目の日本は?(上)

「誰からリストラする?」の女子大生が出した答えから5年目の日本は?(上)

5年前の女子大生たちの答えが、現代日本社会でリアリテイを増している

「あなたは入社15年目の管理職です。あなたには部下が10人います。1人をリストラしなければならない状況になりました。管理職のあなたは、誰からリストラしますか?」

という設問を出し、学生がそれぞれ回答メモを書いたあと、グループディスカッションした。ある女子大での授業の一環。人の能力のあるなしを見極めるのは難しい。だから部下の

もっとみる
地味にコツコツのなにが悪いんや?ー平凡と非凡(下)

地味にコツコツのなにが悪いんや?ー平凡と非凡(下)

大手有名企業に採用されて、たった1か月、半年、1年でやめていく。あの有名企業に雇用されたということで、自分の非凡さをアピールできた。次にその大手企業にいたということを売りにして、次の会社に転職していく人もいるが、そんなキャリアのコンサルサントになった人に出くわして

えっ、こんなレベル?
と思ったこと、ありませんか?

派手なアピールをするのは個人の自由だけど、そんなパフォーマンスはどうでもいい

もっとみる
アインシュタインといえば、どんな顔を思い出す?ー平凡と非凡(中)

アインシュタインといえば、どんな顔を思い出す?ー平凡と非凡(中)

アインシュタインといえば、どんな顔を思い出すだろうか?
アインシュタインは世界的な研究成果があったから非凡になったのであって、あの下ベロを出した写真で非凡になったのではない

じゃあ、アインシュタインの相対性理論を理解して、アインシュタインが非凡だと言っている人は、どれだけいるだろうか?むしろ天才科学者というブランドができて、あの下ベロを出している写真があって、それでアインシュタインが非凡だと思

もっとみる
インバウンドの光と影で消えていくこと―平凡と非凡(上)

インバウンドの光と影で消えていくこと―平凡と非凡(上)

コロナに罹患した。自宅の誰も滅多に使わない部屋に隔離され、これを書いている。日曜日から咳き込みだし、喉が痛くなり、発熱して、頭痛が激しくなり、近所のクリニックで、念のためコロナ検査をしてみましょう。10分待つと

コロナでした

はじめてのコロナ。月曜日から5日間、自宅待機、外出禁止。咳が止まらない、高熱が続く。39.5度がつづき、深夜に40.2度となった。頭痛が激しく、なにもする気力が湧かない。

もっとみる
 Well-Beingなナラティブが混ざりあう30分圏社会へ―未来社会はどうなる(下)

Well-Beingなナラティブが混ざりあう30分圏社会へ―未来社会はどうなる(下)

「ブランドショップの立地も、必ずしも路面に接する必要はなくなった。賃料が安いビルの2階以上に店を構えるようになった」―数年前に、世界でいちばん住みたいまちとして有名なオーストラリアのメルボルン市の都市計画マネジャーから聴いた。「店はまちのなかを歩いて見つけるものではなくなった。グーグルマップが店に連れて行ってくれる」

技術が、店の立地戦略を変えた

1 それでも、東京で住みたい

若者は、今も昔

もっとみる
どっちから見ている?―未来社会はどうなる(中)

どっちから見ている?―未来社会はどうなる(中)

どっちを向いているのだろう?
どっちに立っているのだろうか?
ライドシェアというビジネスのカタチは、世界では決して新たなものではない。世界では普及している。しかし日本は世界とは違うのだ、日本には日本のやり方があるのだと、日本独特の「日本版」ライドシェアがはじまる

また日本特殊論がまかり通る

1 見ている風景が違う

見ている風景が違う
自分から見える風景、自社から見えている風景、お客さまから見

もっとみる
迷子のニッポン。現在、どこにいるの?―未来社会はどうなる(上)

迷子のニッポン。現在、どこにいるの?―未来社会はどうなる(上)

迷子になっている。目をきょろきょろしている。
現在地は、どこだろう?どこにいるんだろう?
コロナ時代4年目の現在、なにがおこっているのだろう?これからなにがおこり、どういう社会になろうとしているだろう?その未来に向けて、どう考え、どう行動していけばいいのだろうか?そんな未来は予測できるのだろうか?

未来は予測できない

1 はじめての道を、夜中に濃霧のなかを車で走っている

未来は、予測できない

もっとみる
坂の上の雲から50年―さまよう日本はどこに行く(下)

坂の上の雲から50年―さまよう日本はどこに行く(下)

日本は「坂の上の雲」をめざした。1968年から1972年の4年間、司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」が産経新聞の夕刊に1296回連載された。明治維新から日露戦争までの40年間の明治日本の軌跡を描いた。艱難辛苦、臥薪嘗胆、苦心惨憺、刻苦勉励、車蛍孫雪、千辛万苦などの四字熟語が時代の空気として違和感がなかった。当時の日本のモデルは明確で、モデルを真似て、モデルをめざしていればよかった

坂の上の雲

は、

もっとみる
現代日本がめざすモデルはどこ?―さまよう日本(上)

現代日本がめざすモデルはどこ?―さまよう日本(上)

教員「残業代」、50年振りに前進――恒常的に発生する残業をなんとかしないといけないというのは、その通り。しかしそれで教員の仕事における課題が根本的に解決するのだろうか?日本の教育はそれで解決するだろうか?

前提条件を変えないから、こうなる

心掛けている仕事法がある
仕事をしていると、問題が日々発生する。目の前に起こっている、その「問題」が真に解決すべきことか?表面的に見える問題(トラブル)を解

もっとみる
本当にこんなんでええんか?ーこんな少子化対策はどうやろか?(下)

本当にこんなんでええんか?ーこんな少子化対策はどうやろか?(下)

「こども年金」制度が、少子化の流れを反転させる私のファイナルアンサー。親が仕事をしていようがしていまいが、結婚していようがしていまいかにかかわらず、子どもが生まれた世帯に1人目で10万円、2人目で15万円、3人目で20万円の年金支給とする。「こども年金」は給付ではなく、自らの65歳になってから支給される年金の前倒しである

老後のために支給される年金を、経済的に必要なライフステージで移す「こども年

もっとみる
子どもの18年と高齢者の18年は同じ18年ではない―こんな少子化対策はどうだろうか?(上)

子どもの18年と高齢者の18年は同じ18年ではない―こんな少子化対策はどうだろうか?(上)

5月5日の子どもの日は「端午の節句」で、男の子の健やかな成長や幸せを祝う。わが家の仏壇の「過去帳」に残された江戸時代からの先祖の死亡年齢を見ると、年齢若くして子ども時代に亡くなられた先祖が多い

かつて日本は、「7歳までの子どもは、神のうち(神の子)」と言われた。生まれて7歳までは神様から預かった子であり、7歳になってはじめて氏神さまの氏子となり、地域社会の一員となれた。無事に育った子どもの成長

もっとみる
大切なことは変えたらあかんーあなたがあなたでなくなる

大切なことは変えたらあかんーあなたがあなたでなくなる

「テレワークは、これからどうなる?」
という質問をよく受ける。昨年5月に新型コロナウイルスが5類感染症に移行して、テレワークメインから出社メインに変わろうとするなか、1年が経った。新年度となる4月から、さらに出社スタイルに戻そうとする会社が増えつつあるが、戻っていこうとする先のワークは、前のワークではない、元ワークではない

テレワークに向かっていくのは
必然ではないだろうか?

生成AIが進むと

もっとみる
令和の浦島太郎は玉手箱を開けたらあかん—浦島太郎ニッポン(下)

令和の浦島太郎は玉手箱を開けたらあかん—浦島太郎ニッポン(下)

ノスタルジーにふけることは、時にはあってもいい。かつてを懐かしむ時も、あってもいい。瞬間、刹那はいいが、それを「過去から未来につながる基本潮流」だと考えてはいけない。それを時代の本質だと認識してはいけない

現在の私たちは、過去に生きているのではない。未来は、まだ生きてはいない。現在に生きている。現在に息づく「過去と現在と未来の流れ」を発見して、3つの時間軸をつなぐ人が、未来を切り拓けることができ

もっとみる
なぜみんな同じ顔をしているだろうか?—浦島太郎ニッポン(中)

なぜみんな同じ顔をしているだろうか?—浦島太郎ニッポン(中)

韓国は美容整形大国。 韓国の女優って、みんな、顔が似ていると思いませんか?整形している人が多い、男の人も、女の人も。この韓国の美容整形の技術のノウハウを移転したのは、実は日本の美容整形外科医だった。 大阪の美容整外科医が、日本の美容整形ノウハウを韓国の美容整形業界に教えた。その方法が、現在にも継承されている

だから、みんな、同じ顔になった

日本からノウハウを伝授されたあと、韓国の美容整形業界は

もっとみる