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解説(2016年)

立東舎文庫から2016年に出た『稲垣足穂さん』の解説です。この文庫、いま検索したらどこも品切れ/販売休止中になっているので、もういいかな? ということで原稿アップ。

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「フラジャイル 弱さからの出発」読書メモ12

以下、第5章「異例の伝説」第3節「隠れた統率者」の抜粋や、そこから感じたことや考えたことである。 note企画「#読書の秋2021」の期間は終わってしまいましたが、読書の非常に良い機会になったので、せっかくなので読破するまでアウトプットを続けたいと思います。 この節は、日本の歴史の、学校の授業では取り扱われないような、民衆の中でも末端に位置づけられてきたような人々の実態の詳細を明らかにした内容で、非常に興味深かった。そこには現代の視点からすれば、「強烈な差別」ともいえる視

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「フラジャイル 弱さからの出発」読書メモ11

 以下、第5章「異例の伝説」第2節「境界をまたぐ」の抜粋と、そこから感じたことや考えたことである。  この節では、「境界」にまつわる話が様々な角度から様々な事例を織り交ぜてなされていて、その中には差別の話も含まれる。  私たちが生きる2021年現在の世界の雰囲気は、「境界をなくそう」「差別をなくそう」「インクルーシブな社会を」「まぜこぜ社会を」といったスローガンに溢れていて、それを良しとする方向に進んでいる一方で、その方向に対する強烈なアレルギーを示す人も実は多くいるとい

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読んで嘆じ、陶酔のメビウスを放つ。

不思議インパクト、 インスパイア遊学、 メビウス輪の土星。 そうそう、 キラ星のように あの頃が懐かしく蘇る。 熱気とバイブレーション、 知に血に霊に響く、 コスミックな快楽。 読んで嘆じる。 ああ、 陶酔のメビウス帯を マジカルな霧を ワクワクと拡げ、 雲や団子にして、 ゴロっと転がしてみる。 「最後に残るのは本」 #工作舎 #松岡正剛 #谷川雁 #土星紀 #標本箱 #米澤敬 #小松和彦 #坂村健 #杉浦日向子 #鎌田東二 #田中優子 #寺田

『モモ』に込められた意図

 ミヒャエル・エンデの代表作『モモ』は、最も広く読まれながら、その意図を最も誤解され続けた作品である。  概要については、ここでまとめられているので、未読の方は、どうぞ。  よくまとまっています。  このnoteは、しろのさんが、取り上げていたことで知りました。  しろのさんの「灰色の男たち」の解釈は興味深いものです。  ただ、本記事では、『モモ』とそこに流れる主題に注力して、書いていきます。 『モモ』の主題は何か? さて、多くの人は、この作品が時間のほんとうの意

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「フラジャイル 弱さからの出発」読書メモ10

以下、第5章「異例の伝説」第1節「欠けた王」の抜粋や、そこから感じたこと・考えたことである。 シャミッソーの『影をなくした男』のペーター・シュレミールは、ファウスト同様に、悪魔との取引で金貨と交換に自分の影を売ってしまっていた。(p.265) この節では、様々な身体部位の欠落の事例が登場するのであるが、「影を自ら売ってしまった」というエピソードの物語の事例は非常に目を惹いた。生老病死が病院や介護施設、葬式場といった各施設の専門家に任され、合理化が進められた現代社会の中で、

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「フラジャイル 弱さからの出発」読書メモ9

以下、第4章「感性の背景」第4節「ハイパージェンダー」の抜粋や、読んで感じたことや考えたことである。 今回の節はゲイの話が中心だった。女性には縁遠い話のようにも感じるが、最後の抜粋にもあるように、「ゲイ・フラジリティ」を繊細に感じ取っていたのはむしろ女性が多かったという話が面白かった。内面化してしまっていることについて、人間というものは自覚的になりづらく、外側の人間の方がかえって価値を見出しやすいのかもしれない、と思った。 アメリカでホモセクシャリティが社会化してきたのは

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「フラジャイル 弱さからの出発」読書メモ8

以下、第4章「感性の背景」第3節「いつかネオテニー」を読んで感じたことや考えたことである。この節では、途中から、ウィルスの記述が登場する。ちなみに、本書は新型コロナウィルスが猛威をふるう、かなり前に書かれた本である(初版2005年)。 鳴海仙吉の全生涯をかたちどっているのは故郷にたいする抒情的なノスタルジーである。仙吉はこのノスタルジーをついに脱出できず、自分の内側に巣くう「幼い原郷」にとどまっていく。伊藤整『鳴海仙吉』の荒筋だ。(P.207-208) 私は、鳴海仙吉やフ

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〈金剛界曼荼羅〉的なありがたい世界:松岡正剛論

書評:松岡正剛『千夜千冊エディション サブカルズ』(角川ソフィア文庫) 松岡正剛という人については、ずいぶん昔から気になってはいたものの、その著書を手に取る機会はなかなかなかった。 今回、初めて読んだつもりだったが、確認してみると、1995年7月刊行の『フラジャイル 弱さからの出発』を、刊行時に読んでいる。四半世紀も前の話とは言え、『フラジャイル』という本を読んだという記憶はあったのだが、松岡正剛の著作だとは記憶していなかった。いずれにしろ、私にとっては、長く印象に残るよ

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国民国家を考える

資本主義とともに、近代を特徴づける概念は、ネーション(国民、国家、民族)やナショナリズム(国民主義、国粋主義、民族主義)であると考えられます。以下、ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』と、その参考資料です。 想像の共同体ネーション(国民、国家、民族)を扱った有名な書物が、ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』です。ナショナリズムの種類(クレオールナショナリズム、公定ナショナリズムなど)や、それぞれのナショナリズムの特色、成立過程や条件などが書かれています。 別冊

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