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「アカシア」の中に音楽がかかっていた。自分の体の中にぽっかりと穴があき、そこに血のようなもの、黒い液体のようなものがつまっていた。
いつもの均一コーナーにて『枯木灘』初版を発見。少し汚れてはいるが、函、帯、グラシン、栞も揃っている。お買い得だった。 中上健次でまず思い出すのはその自筆原稿である。たしか京都の丸善だったような気がするのだが、著名作家たちの自筆原稿の展示会があった。そこに並んでいた字間も行間もなくビッシリと文字の連なりが紙(原稿用紙でさえなかった)を埋めている中上の原稿には唖然とした。もうアート作品としか見えなかった。 中上は喫茶店で執筆することで知られており、新宿中央公園前の「珈琲ブラジ