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記事一覧
「護衛艦『いずも』をドローンで撮影した」とされる映像によって示された本邦の安全保障における「新たなリスク」
はじめに2024年3月29日に、Webサイト「X」において、海上自衛隊 横須賀基地に停泊する護衛艦「いずも」をドローンから撮影したとされる映像が公開されました。また、この映像は2024年3月26日に、Webサイト「bilibili」で公開されたようながら、現在では視聴できなくなっています。
Webサイト「X」では、この映像をもとに「自衛隊施設のドローン対策」について活発な議論が交わされています。
【コラム】「気候正義」という名の不正義: 強者の論理に過ぎない「飛び恥」への強烈な違和感
はじめに数年前から「飛び恥」との言葉を耳にする機会が増えました。もともとはスウェーデンで始まった運動で、flygskam(英: flight shame)とも呼ばれています。
温室効果ガス排出量の多い飛行機の利用をやめ、なるべく鉄道やバスといった交通手段の利用を呼び掛ける運動です。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により航空需要が大幅に低下したため、運動は一時的に下火になりまし
【エッセイ】「殿様の教室」: 小学校6年生の教室の「異常事態」に、当時の私は気づけませんでした
はじめに私が小学校4年生または5年生のとき、ある男性教諭が市街地にある小学校から赴任してきました。
前年度まで高崎駅の近くにある小学校に勤めていたらしく、着任直後の全校生徒への挨拶で「この間までいた小学校はビルに囲まれていて、この小学校は空が広くて感動しています!」と述べていました。どこに行くにも親の車を必要とする郊外の暮らしが嫌だった私は「嫌味」にしか感じられませんでした。
その教諭は担任する
【検証】帰国者・入国者向け宿泊施設の待遇と「鎖国」「棄民」政策を考える / 改善を訴えたらネットリンチされる謎
1. 日本への一時帰国と、僅か2泊3日での出国オミクロン株の流行拡大ながら、やむを得ず日本へと一時帰国
昨年12月14日に、ロンドンから日本に一時帰国しました。
持病の潰瘍性大腸炎のため投薬や検査で約3ヶ月ごとの受診を要するのと、病状が安定していなかったので、年末年始を利用して日本に戻ってきました。
英国でも、国民保健サービス(NHS)により無料で医療を受けられるものの、過去に5-ASA製剤へ
【エッセイ】「市民の積極的な政治参加」こそ統一教会の影響力を削ぐ唯一の正攻法: 立憲主義に反する「魔女狩り」「異端審問」に抗議します
はじめに米子市の伊木隆司 市長はFacebookで、自身が世界平和統一家庭連合(いわゆる統一教会、以後「統一教会」と呼称)の集会に2回出席して挨拶を述べたとされる報道に触れ、次のように述べました(太線部分は筆者による強調)。
率直に述べて、これこそ「正論」だと確信します。
心から尊敬していた安倍晋三さんを理不尽な暴力によって失ってから、私は統一教会に関連する報道に触れるたび、「もし自分が政治家
【コラム】もはや令和の「魔女狩り」と化した「統一教会叩き」
安倍晋三さん殺害事件から、政府与党と統一教会との関係に批判的な報道が相次いでいます。
確かに、統一教会による過去の霊感商法ほか消費者問題や、強引な集金の実態は許されません。その被害は早急に救済されるべきです。しかし、昨今の統一教会を巡る世論は「令和の魔女狩り」になりつつあるのではないか、と感じつつあります。もしくは「赤狩り・マッカーシズム」です。
まず、統一教会の職員や信者も有権者。かつ、献金
【コラム】何をもって「多様性」?英国保守党の党首選から考える英国政治
ボリス・ジョンソン首相の辞任を受けて、英国の保守党は党首選を開催しています。決選投票に進むのはインド系男性のリシ・スナク前財務相と白人女性のリズ・トラス外相の2名。
庶民院(下院=日本の衆議院に相当)で多数派となる保守党の党首は首相に就任する見通しで、この決選投票は実質的に「首相を選ぶ機会」です。
このインド系のスナク氏と、女性のトラス氏の決戦を「多様性に富んでいる」とする指摘も一部には散見され
【エッセイ】これからは「田舎」の話もしよう: ポリティカル・コレクトネスが絶対に直視できない「地域格差」を考える
はじめに先日『意識高い系は「弱者の視点」を持ち得るか?: キラキラ界隈の「冷や飯食い」として「意識高い系」エコーチェンバーを考える』と題したエッセイを投稿し、これを機にABEMAプライムに出演してから「地域格差」について考えています。
このエッセイでも述べたように、たとえば大学進学のハードルは「都会と地方」と「男性と女性」で敢えて比較すると、圧倒的に前者でこそ格差が大きい(よって【地方×女性】の
【エッセイ】「これ以上の豊かさはいらない」の裏にあるもの: 「縦の旅行」と「横の旅行」を怠ったままの「意識高い系」
はじめに先日、ABEMAプライムにゲストとして出演してきました。
メディアや学生団体といった、いわゆる「意識高い系」界隈の議論で取り残され、ともすれば見捨てられている人たちがいるように思えてなりませんでした。それに、ジェンダー・ギャップ以外の格差や差別に苦しむ人たちもいます。また、ジェンダー平等や気候変動対策は数ある政策の一つ。「こっちの政策を優先してくれ」と切実な声にも耳を傾ける必要があります
【エッセイ】意識高い系は「弱者の視点」を持ち得るか?: キラキラ界隈の「冷や飯食い」として「意識高い系」エコーチェンバーを考える
※本稿はもともと所属する「NO YOUTH NO JAPAN」部内での議論を叩き台にしたものです。加筆訂正の上、いわゆる「意識高い系」全体を考えるエッセイとして投稿します。
はじめにTwitterやInstagramのアカウントでプロフィールに記載しているように、私は「NO YOUTH NO JAPAN」という団体に所属しています。
NO YOUTH NO JAPAN(以下「NYNJ」とします
【論考】航空自衛隊 ブルーインパルスのカラースモーク噴射は「現場の暴走」 防衛省・自衛隊は綱紀粛正による徹底した再発防止を
※もともと別の媒体に実名で寄稿を予定していた論考ですが、清谷信一さんによる嫌がらせの被害防止のため、こちらで代わりに公開します。
はじめに既に報道にあるとおり、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス(正式名称: 第4航空団 第11飛行隊)」が東京2020パラリンピック競技大会 開会式直前の東京都心上空での展示飛行を終えて航空自衛隊 入間基地(埼玉県狭山市)に着陸する際、適正高度以下
【エッセイ】断ち切りたい「毒親の血」――「両親が開業医の一人息子であること」は必ずしも幸せを意味しませんでした。
先日、noteで『いくつもの世界の片隅で「ふつう」に翻弄されていたら、ロンドンに辿り着いていました。』を公開したところ、多くの方に記事をご覧いただきました。
もともとの『この割れ切った世界の片隅で』では地方や家庭といった環境によって異なる「ふつう」に主眼を置いていましたが、私のエッセイは「親の理解」によって歪まされ、今なお危機に瀕している「ふつう」についても取り上げました。
せっかくですから、
【エッセイ】いまのところ、どうしても「8月15日」だけは靖国神社に参拝できません。
2-3年ほど前に、人生で初めて英語運用能力評価試験の「IELTS(International English Language Testing System)」を受けたときに、スピーキングテストで「自分の名前の由来」を質問されました。当時の私は英語が苦手で(いまでも決して「得意」ではありませんが)、辿々しく話したことを記憶しています。
ニューギニアでマラリアに苦しみ、ついには自決した父方の大伯父